東京五輪混合ダブルス決勝では、日本の卓球愛好家の殆どが水谷隼選手、伊藤美誠選手の勇姿を見ながら応援したのではないでしょうか。日本にとっては、悲願の金メダル獲得で、それも卓球王国の中国を破っての優勝です。
このページでは、改めて水谷隼選手、伊藤美誠選手のペアについてを紹介していきます。また、東京五輪の激闘を振り返っていきましょう。
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すごい!東京五輪混合ダブルス金メダル!水谷隼、伊藤美誠ペアとは
同じ出身地、同じ出身クラブで見事東京五輪の金メダルを獲得したのが水谷隼選手、伊藤美誠選手ペアです。日本中を感動に包んだ水谷隼選手、伊藤美誠選手のペアについてより詳しく紹介していきます。
- 水谷隼、伊藤美誠ペアとは
- え、こんなにもすごい!?五輪でのメダルの価値とは
- 水谷隼、伊藤美誠ペア金メダルまでの軌跡
水谷隼、伊藤美誠ペアとは
水谷隼選手、伊藤美誠選手の混合ダブルスのペアは、オールラウンダーで安定したプレーをする水谷隼選手とトリッキーなプレーで相手を翻弄する伊藤美誠選手のプレーが特徴的です。それぞれの選手について更に詳しく紹介していきます。
長年日本を支え続けた卓球レジェンド、水谷隼
水谷隼選手と言えば、今や日本中に名が知れ渡った卓球選手です。2016年のリオ五輪では団体銀メダル、個人銅メダルを獲得し日本中を歓喜させました。
まだ、水谷隼選手が幼い頃は日本のレベルが丁度低くなっていた時です。そのため、幼少期から素質を認められていた水谷隼選手は、中学生で海外に渡り武者修行を繰り返してきました。
長年日本のエースとしてチームを牽引してきてやっと掴んだのがリオ五輪のメダルでした。ですが、晴れ舞台となったリオ五輪後は水谷隼選手にとって辛い事の連続となるのです。
リオ五輪で力を出し切った水谷隼選手は、その後燃え尽きてしまった事で以前程の活躍ができなくなっていきます。また、張本智和選手筆頭とした若手が台頭した事で東京五輪の代表は落選するのではないかとも囁かれていました。
そんな苦しい選考レースでは、団体の代表権を獲得するも最後に丹羽孝希選手に一歩及ばずシングルスの代表権を逃してしまいます。ですが、協会の推薦で混合ダブルスに選ばれ東京五輪に出場を決定させる事になりました。
水谷隼選手本人は、東京五輪を最後に引退する事を以前から公言しており、大会には並々ならぬ決意で挑んでいます。この混合ダブルスの結果もその決意の強さから現れたものでしょう。
エースとして日本を牽引する伊藤美誠
伊藤美誠選手は、現在急成長を遂げている女子の日本のエースです。小学生時代から国際大会へ出場し将来を期待されていました。
前回のリオ五輪では、団体のみの出場でしたが、東京五輪では団体、シングルス、混合ダブルスの3種目全てに出場を決めています。
本人は、恐ろしい事に全ての種目で金メダルを狙っていると公言しており、この東京五輪に懸ける想いが強い事が分かります。
ですが、この3種目金メダルも決して絵空事ではなく現在の伊藤美誠選手は卓球王国である中国に対しても互角の成績を誇り世界ランキングも2位です。
そして、実際に本人が公言していた通り最初に行われた混合ダブルスでは見事金メダルを獲得しました。この後の種目の活躍にも注目が集まります。
え、こんなにもすごい!?五輪でのメダルの価値とは
今回、水谷隼選手、伊藤美誠選手のペアは東京五輪で見事金メダルを獲得しましたが五輪で金メダルを獲得する事の難しさについて紹介していきます。
まず、卓球競技では、現在中国が圧倒的な強さを誇っており、男子も女子も世界のトップ3は全て中国選手と言っても過言ではありません。
その中国選手も敗戦する事はあるのですが、年間を通して数十試合をして2〜3敗する程度です。その高い実力を持った中国選手が最も力を入れて取り組むのが五輪なのです。
現に五輪では、シングルスは全て上位独占、団体でも一大会を通して一回負けるかどうかという程の高い実力を持ちます。
圧倒的な実力の高い中国が、国家をあげて対策をしている中で勝利するのは、あり得ない出来事で、今回の事態には卓球ファンは信じられないという気持ちでいっぱいでしょう。
水谷隼、伊藤美誠ペア金メダルまでの軌跡
水谷隼選手と伊藤美誠選手の最初の出会いは、伊藤美誠選手がまだ幼い頃です。実は、水谷隼選手と伊藤美誠選手は出身が同じ静岡県です。
更に、水谷隼選手の父親が運営していた豊田町卓球スポーツ少年団に伊藤美誠選手が通っていた事もあり幼くして二人は出会う事になりました。ですが、当時は水谷隼選手は高校生にして日本チャンピオン、伊藤美誠選手はまだ幼く憧れの選手だった事は間違いないでしょう。
やがて二人とも成長していき、水谷隼選手、伊藤美誠選手共にリオ五輪の代表となりメダルを獲得しました。そんな二人が混合ダブルスのペアを組む事になったのが2019年からです。
伊藤美誠選手を軸に様々なペアで試していましたが、水谷隼選手とのペアリングはその中でも随一で組んだ歴は浅いながらも一気に国際大会で活躍を進めていました。
今回混合ダブルス決勝で対戦した中国の許听選手、劉詩雯選手らは世界で圧倒的なペアでしたがいつも接戦を演じていました。
水谷隼選手は大会前に金メダルの可能性を5%程と称していましたが、その少ないチャンスを見事掴んだ事に日本中が換気した事でしょう。
水谷隼、伊藤美誠東京五輪優勝までの対戦成績
ここからは、水谷隼選手、伊藤美誠選手ペアが東京五輪で優勝するまでの激闘を振り返っていきましょう。
フェゲルル、ポルカノバペア(オーストリア)
フェゲルル選手、ポルカノバ選手のペアはヨーロッパを代表するペアで実力は水谷隼選手、伊藤美誠選手の方が上ですが、初戦という事もあり難しい試合でした。
また、フェゲルル選手の独特な卓球と、ポルカノバ選手の女性にも関わらず鋭い球に苦しめられ、一時は劣勢にもなりました。
ですが、落ち着いたプレーで一本ずつ点数をとっていき最後は勝利しました。初戦で難しい試合でしたが硬さも殆どなく良いプレーをしました。
フランチスカ、ゾルヤペア(ドイツ)
2試合目のフランチスカ選手、ゾルヤ選手のペアの激闘は皆さん手に汗握ったと思います。このドイツペアは個々の能力が非常に高く、水谷隼選手、伊藤美誠選手共にシングルスで対戦した時は負けた事もある選手です。
また、2019年の世界選手権で伊藤美誠選手が森薗政崇選手とのペアで混合ダブルスに出場した時は、フランチスカ選手、ゾルヤ選手ペアに敗戦しているのでその実力の高さが分かります。
実際に対戦した際は、ドイツペアの対策が上手くハマっており、伊藤美誠選手が崩されるシーンも多くありました。ですが、そんな時に踏ん張ったのが水谷隼選手です。
普段は歳下の伊藤美誠選手がペアの主導権を握っているそうですが、この試合では不調の伊藤美誠選手に変わって水谷隼選手が奮闘し試合を進めていきました。
最終ゲームは何と6-10とあと1点取られたら負けてしまうところから一気に追いつき、最後の最後までとっておいた伊藤美誠選手のロングサーブで試合を決しました。あの極限の場面で出したロングサーブには脱帽です。
林昀儒、鄭怡静ペア(台湾)
準決勝のメダルを賭けた一戦で対戦する事になったのが、林昀儒選手、鄭怡静選手の台湾ペアです。このペアも個々のレベルが非常に高く二人とも個人の世界ランキングは1桁のペアです。
混合ダブルスの世界ランキングが1位という強敵のペアですが、水谷隼選手、伊藤美誠選手のペアは台湾ペアに相性が良く試合の中でも主導権を握ることが多かった試合でした。
特にこの試合では、伊藤美誠選手の好調ぶりが発揮され試合の後半は独壇場になるような試合で決勝を期待させる、そんな試合でした。
許听、劉詩雯ペア(中国)
許听選手、劉詩雯選手の中国ペアのその高い実力は最早言わずもがなと言ったところでしょう。両選手ともに元世界ランキング1位を経験しており強敵と言えます。
水谷隼選手、伊藤美誠選手のペアもこの中国ペアには0勝4敗と勝利した事がありませんでした。決勝の試合も序盤は中国ペアの完璧な戦術で0-2と相手にリードを許しましたが徐々に良いプレーが出て追いついていきます。
追いつき、勢いに乗った日本ペアは攻めの姿勢を崩さず攻め続け何と、五輪の一番重要な舞台で見事初勝利を掲げました。日本選手が五輪で金メダルを獲得したのは初めてでその決勝の相手が中国にも関わらず勝利したということでとても信じられない出来事と言えるでしょう。
まとめ:水谷隼、伊藤美誠ペア東京五輪金メダル
いかがでしたでしょうか。東京五輪で金メダルを獲得した水谷隼選手、伊藤美誠選手ペアについて紹介してきました。
二人が金メダルを獲得するまでの軌跡をもう一度振り返って感動を味わいましょう。最後に一言だけ付け加えると東京五輪で二人はまだ出場し金メダルを狙っていくはずなのでこの後も応援して選手の活躍を願いましょう。