丹羽孝希という人物をご存知でしょうか。彼は卓球界きっての天才選手と言われその異質さはプレーだけに留まらず私生活にも至ります。
当記事では、そんな丹羽孝希とはどんな人物か、またプロフィールや世界ランキング、成績、使用用具、プレーの特徴などを紹介しています。
丹羽孝希とは
丹羽孝希選手とはどんな人物か一言で表すと、「常識に囚われない天才」です。ただ、強いだけではなくどこか常人とは違った感性を持つ。それが丹羽孝希選手です。詳しく下記で紹介していきます。
- 天才肌!ポーカーフェイスと信じられない程の脱力したプレーをする五輪選手
- 実は、ハイリスクハイリターン!世界一トリッキーなプレーで大物食いを繰り返す
- びっくり、アイドル好きでライブに行くために番組を途中退席した男
天才肌!ポーカーフェイスと信じられない程の脱力したプレーをする五輪選手
そうです、丹羽孝希選手と言えばどんな状態でも顔色一つ変わらないポーカーフェイスと天才的なタッチから繰り出される脱力したプレーが特徴で見ている者を魅了します。
五輪本戦や他の重要な試合の時、通常であれば緊張し力が入ってしまうのですが丹羽孝希選手はその状況であっても普段と変わらず脱力して余裕があるようなプレーをするのでどこか人と違う天才肌な選手と言われてきました。
また、試合では一切顔色を変えず、勝負の世界でも時に楽しそうにプレーする時もあります。これまた、他の選手とは異質でそんな魅力に魅せられ女性ファンも多いです。
リオ五輪では、シングルスベスト8、団体準優勝と活躍しました。東京五輪でも相変わらずのポーカーフェイスと脱力した天才的プレーで見る者を魅了してくれる事でしょう。
実は、ハイリスクハイリターン!世界一トリッキーなプレーで大物食いを繰り返す
丹羽孝希選手は身長162cmと卓球選手の中でも小柄ですが、実は、ハイリスクハイリターンな卓球を武器としています。そのため、負けてしまう事もありますがその分大物食いする事も多く常にハラハラドキドキの試合を展開します。
ハイリスクハイリターンと言われる所以は、前陣でのフルスイングするカウンターや、カットブロックなど卓球選手が難し過ぎて取り入れる事ができない技術を積極的に使っている点です。この技術が入ると例え相手が世界チャンピオンでも取る事ができません。
ここまでハイリスクな技術を緊張する試合の中で混ぜるのは殆ど自滅行為と言っても良いのですが丹羽孝希選手は緊張する場面でも当たり前の様に使っていくので恐ろしいものです。
決して恵まれた体格では無い丹羽孝希選手だからこそ世界で勝つために身につけた戦い方なのだと思います。本当に見ていて気持ちいい卓球です。
びっくり、アイドル好きでライブに行くために番組を途中退席した男
丹羽孝希選手が天才肌と言われる所以は卓球のプレーだけではありません。実は、意外とアイドルが好きで乃木坂46が好きだと公言もしています。
それだけであれば普通の男性としても珍しくありませんが、丹羽孝希選手の場合はびっくり、乃木坂46のライブに行くために番組を途中退席した事があります。
普通であれば番組を優先しそうですが、この常識に囚われない行動を起こす男こそが丹羽孝希選手なのです。この異例の事態にも批判は少なく面白い選手として更に注目を集める様になりました。
丹羽孝希 プロフィール
プロフィール
戦型 | 左シェーク裏裏ドライブ型 |
身長 | 162cm |
体重 | 51kg |
生年月日 | 1994年10月10日 |
段位 | 7段 |
エピソード
近年、張本智和選手の台頭によって最年少記録は塗り替えられ続けていますが、その前は丹羽孝希選手が最年少記録を更新してしている立場でした。
幼少期から天才と言われ続けた丹羽孝希選手のエピソードを紹介します。
- 幼少期から天才的プレーの連続!中学生では国内のシニア大会で優勝し世界選手権に代表選出
- 大きくレベルアップしロンドン五輪にも出場!高校最後の全日本選手権ではシングルス、ダブルス優勝し2冠達成
- 国内大会での成績に伸び悩むも海外では経験を重ね、大学生最後の集大成リオ五輪ではシングルスベスト8
- 社会人になりムラのあった卓球が安定!世界大会でも安定の成果を出し続け東京五輪の代表権を獲得
幼少期から天才的プレーの連続!中学生では国内のシニア大会で優勝し世界選手権に代表選出
丹羽孝希選手は北海道の苫小牧市にして生まれ卓球選手だった父の影響で7歳から卓球を始めています。
幼少期から非凡な才能を発揮し小学生No.1の称号を手にすると水谷隼選手、松平健太選手などを輩出した青森山田中学に進学する事になります。
丹羽孝希選手はその天才的なタッチから幼くして注目されていましたが、才能が大きく開花し日本中の期待を背負う事になったのは中学2年生からです。
その年の全国中学卓球大会での優勝に始まり、全日本選手権一般シングルスでは水谷隼選手に並ぶ最年少でのベスト16に進出しました。
信じられませんが、更に成果はこれだけに留まらず直後に行われた東京選手権ではシニアに混ざって出場しなんと、優勝を果たしました。東京選手権も全日本選手権並にレベルの高い試合で史上最年少優勝となりました。
こうして、実力が認められた事で世界選手権の代表権を当時最年少で獲得します。(後に張本智和選手が中学1年生で代表権獲得)
すごい事に、中学3年生になり迎えた世界選手権の本戦でも予選を突破し本戦も1回戦を突破するなど期待を大きく超える結果を残しました。開催国が日本だった事もあり日本中の卓球ファンが丹羽孝希選手の将来に期待を寄せました。
大きくレベルアップしロンドン五輪にも出場!高校最後の全日本選手権ではシングルス、ダブルス優勝し2冠達成
丹羽孝希選手は高校生になると青森山田高校に進学します。高校生になった丹羽孝希選手は同世代には敵なしで1年生にしてインターハイを優勝します。
ユースオリンピックにも代表として出場しシングルス優勝、谷岡あゆかペアと出場した混合団体でも優勝を果たします。18歳以下のランキングでは世界1位という驚異的な強さを誇っていました。
また高校2年生になると更にレベルアップし、インターハイ連覇に始まり世界ジュニア選手権で松平健太選手以来2人目のシングルスチャンピオンになります。(後に張本智和選手は中学1年生で優勝)
すごい事ですが、世界選手権でも代表として選出され活躍を続けていきました。そんな時に迎えたロンドン五輪のアジア予選で丹羽孝希選手は快挙をなし得ます。
信じられませんが、当時世界ランキング1位の馬龍選手(中国)に勝利しました。馬龍選手は特に取りこぼしが少ない選手なので日本中が驚きました。試合に勝利した事でロンドン五輪の団体メンバーとして代表権を獲得します。
ロンドン五輪本戦では、団体ベスト8と課題の残る結果になりましたが、この結果をバネに丹羽孝希選手は更にレベルアップを図ります。五輪直後にドイツのブンデスリーグに参加します。
そして、充分に力をつけた高校最後の全日本選手権では一般シングルスの決勝で水谷隼選手を退け優勝し、ダブルスも松平健太選手とのペアで優勝した事で2冠を達成しました。こうして日本のエースとして一気に成り上がっていきました。
国内大会での成績に伸び悩むも海外では経験を重ね、大学生最後の集大成リオ五輪ではシングルスベスト8
大学生になり丹羽孝希選手は明治大学へ進学します。入学直後に行われた世界選手権パリ大会ではシングルスベスト16と結果を残し、ブンデスリーグも20勝4敗とリーグ最高成績を出し退団しとても順調に成長していました。
しかし、国内の大会では負けてしまう事が増えてきており波がある選手という印象を持たれていました。しかし、今考えると海外では一定の成績を出し続けていたので力を入れる大会とそうでない大会を分けており、丹羽孝希選手ならではという調整をしていたのだと思います。
翌年の大学2年生の時に行われた世界選手権東京大会では団体3位に導くなど活躍も見せます。大学3年生の世界選手権もシングルスベスト16、ダブルス銅メダルと一気に駆け上がるという印象では無かったですが着実に成長を重ねていきました。
そして、大学最後で迎えたリオ五輪では、集大成かというように奮起します。シングルスでは、第6シードの黄鎮廷(香港)に勝利しベスト8進出を果たし、団体は決勝進出し史上初の銀メダル獲得に貢献しました。
社会人になりムラのあった卓球が安定!世界大会でも安定の成果を出し続け東京五輪の代表権を獲得
社会人になった丹羽孝希選手はスヴェンソンに所属になります。社会人になった丹羽孝希選手はプロとしての自覚からかより一段とレベルアップしていきます。
2017年の世界選手権では、今まで勝利した事の無かったオフチャロフ選手(ドイツ)に勝利しシングルスベスト8、吉村真晴選手とのペアで出場したダブルスも3位と好成績を残しました。
2017年度は丹羽孝希選手も元々あったムラも少なくなっていき安定した成績を収め世界ランキングは自己最高位の5位になります。
翌年の2018年は琉球アスティーダのメンバーとしてTリーグに参加し活躍を続けました。Tリーグで丹羽孝希選手はシーズン毎に所属を変え木下マイスター東京と岡山リベッツにと在籍していました。
2019年の世界選手権では、再びシングルスベスト8に入賞し、準々決勝では、梁靖崑(中国)を3-4まで追い詰めました。この試合は丹羽孝希選手のトリッキーな技が連覇しファンタスティックなプレーを見せ会場中を味方につけた試合となりました。
この大会から丹羽孝希選手は世界選手権や五輪など大舞台程活躍するという更なる期待を背負います。
そして、東京五輪が目の前に差し掛かると水谷隼選手との代表争いは熾烈になっていき、最終的には一歩の差で丹羽孝希選手が代表権を獲得する事になったのです。
SNS及び公式サイト
公式サイト
世界ランキング・成績
世界ランキング
世界ランキング17位(2021年4月9日時点)
成績
2006年 | 全日本選手権 | ホープスの部優勝 |
2007年 | 全日本選手権 | カデットの部ダブルス優勝(町飛鳥ペア) |
2008年 | 全国中学卓球大会 | シングルス優勝 |
全日本選手権 | カデット14歳以下の部優勝 カデットの部ダブルス優勝(町飛鳥ペア) | |
東京選手権 | 一般シングルス優勝 | |
2009年 | 全日本選手権 | 一般シングルスベスト16 |
世界選手権横浜大会 | シングルス出場 混合ダブルス出場 | |
ITTFカデットチャレンジファイナル | ダブルス優勝(町飛鳥ペア) | |
国民体育大会 | 少年男子優勝(上田仁、松平健太) | |
2010年 | 全日本選手権 | 一般シングルスベスト16 ジュニアの部優勝 |
アジアジュニア卓球選手権 | ジュニアの部ダブルス優勝(町飛鳥ペア) | |
ジャパンオープン | ダブルス優勝(松平健太ペア) | |
インターハイ | シングルス優勝 ダブルス準優勝(町飛鳥ペア) | |
ユース五輪夏季大会 | シングルス優勝 混合団体優勝(谷岡あゆかペア) | |
ハンガリーオープン | ダブルス優勝(松平健太ペア) U-21シングルス優勝 | |
アジア競技大会 | ダブルス3位(松平健太ペア) | |
世界ジュニア選手権大会 | ダブルス優勝(町飛鳥ペア) | |
2011年 | 全日本選手権 | 一般シングルスベスト8 ジュニアの部優勝 ダブルス優勝(松平健太ペア) |
ドイツオープン | U-21シングルス優勝 | |
世界選手権ロッテルダム大会 | シングルス出場 男子ダブルス出場 | |
アジア選手権選考会 | シングルス優勝 | |
韓国オープン | U-21シングルス優勝 ダブルス準優勝(松平健太ペア) | |
インターハイ | シングルス優勝 ダブルス準優勝(町飛鳥ペア) | |
山口国体 | 団体優勝(吉田雅己、町飛鳥) | |
世界ジュニア選手権大会 | シングルス優勝 | |
世界選手権ドルトムント大会選考会 | シングルス優勝 | |
2012年 | 全日本選手権 | 一般シングルスベスト8 ジュニアの部優勝 |
アジア選手権大会 | 団体3位 | |
世界選手権ドルトムント大会 | 団体3位 | |
ロンドンオリンピック | 団体ベスト8 | |
ポーランドオープン | ダブルス優勝(松平健太ペア) | |
2013年 | 全日本選手権 | 一般シングルス優勝 ダブルス優勝(松平健太ペア) |
世界選手権パリ大会 | シングルスベスト16 | |
全日本大学総合選手権 | シングルス優勝 | |
2014年 | 全日本選手権 | 一般シングルスベスト16 |
世界選手権東京大会 | 団体3位 | |
ロシアオープン | シングルス優勝 | |
2015年 | 全日本選手権 | 一般シングルスベスト4 |
ジャパントップ12 | シングルス優勝 | |
世界選手権蘇州大会 | シングルスベスト16 ダブルス3位(松平健太ペア) | |
2016年 | 全日本選手権 | 一般シングルスベスト8 |
世界選手権クアラルンプール大会 | 団体準優勝 | |
全日本大学総合選手権 | シングルス優勝 ダブルス優勝(酒井明日翔ペア) | |
全日本学生選抜卓球選手権大会 | シングルス優勝 | |
2017年 | 全日本選手権 | 一般シングルスベスト16 ダブルス優勝(酒井明日翔ペア) |
世界選手権デュッセルドルフ大会 | シングルスベスト8 ダブルス3位(吉村真晴ペア) | |
ジャパンオープン | ダブルス準優勝(吉村真晴ペア) | |
オーストリアオープン | ダブルス優勝(上田仁ペア) | |
2018年 | 全日本選手権 | 一般シングルスベスト32 |
全日本社会人卓球選手権 | シングルス優勝 | |
2019年 | 世界選手権ハンガリー大会 | シングルスベスト8 |
使用用具
ラバー(裏面):TRIPLE Double Extra
丹羽孝希 プレーの特徴
あ、天才と思う事の多い丹羽孝希選手のプレーはやはり他の選手とは一味も二味も違います。丹羽孝希選手のプレーの中でも特に目立った特徴を紹介していきます。下記で丹羽孝希選手の試合動画を解説しています。合わせてチェックしてみましょう。
【試合動画解説】戸上隼輔VS丹羽孝希を紹介《2022全日本選手権》
【試合動画解説】丹羽孝希VS大島祐哉を紹介《2022全日本選手権》
【試合動画解説】丹羽孝希VS松平賢二を紹介《2022全日本選手権》
- すごい、誰が相手でも返す事ができない無敵のカットブロック
- ノータッチエースの連続!世界一の前陣カウンター攻撃
- ここだけの話、脱力しているから余計に効く!常に予想を超えるサーブ、レシーブ
すごい、誰が相手でも返す事ができない無敵のカットブロック
天才、丹羽孝希選手の代表的なプレーと言えばカットブロックです。このカットブロックを使う選手は難しい技術である事から使う選手は少なく多用して使うのは丹羽孝希選手のみです。
カットブロックが決まると驚異的な回転量からドライブをミスしてしまい相手選手はツッツキで繋ぐしかありません。その繋ぎですらミスしてしまう程の回転量で入ったとしても丹羽孝希選手に攻められてしまいます。
このカットブロックは正に時代の最先端と言える技術で丹羽孝希選手が使い出してから最近では世界No.1プレーヤーとの呼び声も高い馬龍選手(中国)も真似して取り入れています。いつの日か世界のトッププレーヤーが使うのが当たり前になるのも遠くないでしょう。
ノータッチエースの連続!世界一の前陣カウンター攻撃
実は、丹羽孝希選手の卓球はハイリスクハイリターンな卓球で負けてしまう事もあれば大物食いをする事も多い卓球です。ハイリスクハイリターンと言われる所以がこの前陣カウンターです。
通常の選手のカウンターは、台から距離をとってフルスイング、若しくは前陣でコンパクトにカウンターしていきます。しかし、丹羽孝希選手の場合は前陣でフルスイングしていくため例え中国選手が相手だったとしてもノータッチエースになるのです。
通常ならリスクが高すぎるあまり自滅してしまいます。天才的なタッチを持つ丹羽孝希選手だからできる戦い方です。
ここだけの話、脱力しているから余計に効く!常に予想を超えるサーブ、レシーブ
丹羽孝希選手はサービスエース、レシーブエースが多いですが、ここだけの話、そのエースの多さは脱力が関係しています。
丹羽孝希選手は全体的に脱力されているのにもかかわらず強い回転量のサーブやスピードの速いレシーブを打つ事ができます。卓球選手は相手の力の入り具合で強い回転量やスピードを警戒するので脱力されていると常に予想を超えたサーブ、レシーブになるのです。
勿論、天才的なタッチだからという部分もありますが、それだけではなく効率的に考えサーブ、レシーブをしています。ラケットどの部分で打ち、どのようなスイングをすれば良いかが身体に染み付いているので他の選手より強い回転量やスピードを出す事ができるのです。
まとめ:丹羽孝希
いかがでしたでしょうか。最後に丹羽孝希選手についておさらいしていきましょう。丹羽孝希選手とはこんな人物です。
- 天才肌!ポーカーフェイスと信じられない程の脱力したプレーをする五輪選手
- 実は、ハイリスクハイリターン!世界一トリッキーなプレーで大物食いを繰り返す
- びっくり、アイドル好きでライブに行くために番組を途中退席した男
そんな丹羽孝希選手の卓球プレーの特徴はこちらです。
- すごい、誰が相手でも返す事ができない無敵のカットブロック
- ノータッチエースの連続!世界一の前陣カウンター攻撃
- ここだけの話、脱力しているから余計に効く!常に予想を超えるサーブ、レシーブ
最後に一言だけ付け加えると、丹羽孝希選手は波もあり、ポーカーフェイスで天才肌であるが故に手を抜いていると思われる方もいます。
しかし、ここぞという時の力が入ったプレーは見るものを魅了させ格上選手を破る事も一度や二度ではありません。更に活躍してくれる選手なので今後に期待しましょう。