【試合動画解説】丹羽孝希VS大島祐哉を紹介《2022全日本選手権》

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参照:https://rallys.online/

今回のテーマは、サウスポーの選手が右利きのフォアハンドが強い選手と対戦する時に重要なポイントは何かという事で紹介していきます。フォアハンドが強力な選手に打たせてしまうと最後まで攻められ続けてしまいますが、このページを見ればそんな選手への戦い方が分かります。

このページでは、2021年に行われた東京オリンピックでの丹羽孝希選手vs大島祐哉選手の対戦を通して両選手のプレーや戦術の見どころを紹介していきます。

この記事を紹介する私は、卓球歴15年で現在は卓球場の店長をしています。全国大会に出場経験もあり、数多くの試合を観て、実践の場で戦ってきた経験からトップ選手がどのように考え試合をしていて、私達はどのように生かしていけば良いかを文章にして紹介しています。

試合を見る前に!丹羽孝希、大島祐哉両選手の特徴を紹介

今試合を見ようと思ったあなた。少し待って下さい。丹羽孝希選手、大島祐哉選手どちらも非常に強力な技を持っています。ここからは、両選手のプレーの特徴を紹介していきます。特徴を踏まえた上で試合がどのように展開されるか見ていきましょう。

小柄ながら現世界トップレベルの両ハンド!丹羽孝希選手のプレーの特徴

参照:https://www.butterfly.co.jp/

丹羽孝希選手はロンドン、リオ、東京と3大会連続でオリンピックに出場した日本代表選手です。ポーカーフェイスでクールな事に加えて派手でトリッキーなプレーを繰り出す事から世界中での人気も高い選手です。

プレーの特徴は、なんと言っても電光石火のカウンターです。小柄ですが、相手の威力ある球をカウンターで返す事によって倍返しのような威力の球を打てます。また、カットブロック等他の選手があまり使わない技もあり、思い切りが良い時は何をするか予測できず凄まじい球を打てるのが強みです。

大島祐哉選手と比べると、パワーでは劣りますがその分カウンタープレーの質は高く、相手に先に攻めさせてからでも得点する事ができます。大島祐哉選手に万全の状態で打たせない事が重要となるでしょう。

丹羽孝希とは【プロフィール・世界ランキング・使用用具・特徴】

身体能力を生かしたフットワークとフォアハンド!大島祐哉選手のプレーの特徴

参照:https://ittf.com/

そうです、大島祐哉選手と言えば、身体能力が非常に高い選手で、京都府の走り幅跳びの最高記録を保持していたりします。その身体能力を活かして、過去に世界選手権の代表にもなっており、森薗政崇選手とのペアで銀メダルを獲得した実績もあります。

プレーの特徴は、フットワークとフォアハンドを生かしたプレーです。非常にボールのスピードと回転量が多い事に加えて、どんな球にも食らい付いていけるのでラリーでの強さは世界トップレベルと言えるでしょう。

丹羽孝希選手と比べると、カウンタープレーでは劣りますが、パワーや距離を取っての打ち合いでは有利と言えるでしょう。また、台上のストップやツッツキなど細かい技術も丁寧でラリーにも持ち込める機会も多いでしょう。

大島祐哉とは【プロフィール・世界ランキング・使用用具・特徴】

【試合動画】丹羽孝希VS大島祐哉《東京オリンピック》

参照:https://www.youtube.com/watch?v=3Mern1n6lLg

今回試合動画として紹介させて頂くのは、2022年に行われた全日本選手権のベスト8決定戦です。どちらも日本代表として国際大会に出場経験があり、経験値が豊富な選手達です。

これまでの対戦成績では、勝ったり負けたりでどちらが勝利するのか予想しにくいですが、最近の試合では、やや大島祐哉選手優勢といったところでしょうか。どちらも強い部分や弱点を理解しながら戦う試合なので、戦術面にも注目です。

ここに注目せよ!試合を見終わって、試合の見どころはこちら!

試合を見終わってみていかがでしたでしょうか。丹羽孝希選手が4-1で大島祐哉選手に勝利しました。戦術面で丹羽孝希選手が一歩リードして勝利に繋げました。ここからは、試合全体の感想や両者の光ったプレーをより詳しく紹介していきます。

あなたの感想は?試合全体を通しての感想はこちら!

試合を終えてみて、あなたの感想はいかがでしたでしょうか。ここからは、試合を通しての感想を紹介していきます。

戦術が勝負を分ける!ラリーで主導権を握り勝利を果たす

今回の試合ですが、お互いの手の内は分かっている事もあり、戦術面が大きく重要な試合となっていました。その中で、結論から言うと、ラリー中のコース取りで一歩上回った丹羽孝希選手が試合の主導権を握り勝利した試合と言えるでしょう。

ボールの威力やフットワークから見ても純粋なラリー力は、大島祐哉選手の方が優勢な試合でしたが、丹羽孝希選手は大島祐哉選手を崩すコースの打ち分けが非常に良く、そのままラリーで主導権を握り勝利を果たしました。

具体的に言うと、丹羽孝希選手は大島祐哉選手のバックを潰す作戦を取っていました。序盤では、大島祐哉選手のフォアサイドに速い球を返球し、中盤、終盤になると大島祐哉選手のバックサイドに球を返球していました。大島祐哉選手もラリーで簡単に失点せず対応していましたが、どうしても丹羽孝希選手の球についていく展開が多く主導権を握る事ができませんでした。

お互いの手の内が分かっている以上、どうしてもラリーの展開が多くなるので、ラリーで主導権を握れたのが勝因として大きかったと言えるでしょう。

ここがすごい!丹羽孝希、大島祐哉、両選手の光ったプレー、戦術はこちら

戦術をメインに紹介してきましたが、技術的にも両者光ったプレーがありました。ここからは、丹羽孝希選手、大島祐哉選手、両者の光ったプレーを紹介していきます。

バックを潰すためにフォアサイドを潰す技術!丹羽孝希選手の光ったプレーはこちら

今回の試合、丹羽孝希選手のプレーは素晴らしく、無駄な事が無く常に良い状態で戦えていたと思いますし特に良かったのは相手のフォアサイドに打つ球です。

相手がフォアハンドが強いという事もあり、バックを潰したいところですが、いきなりバックに返球すれば回り込まれてしまったりして強打を打たれてしまいます。そこで重要になるのがフォアサイドに送る球で、丹羽孝希選手の場合は、バックハンド、回り込んでのフォアハンドどちらでもフォアサイドに打てるので大島祐哉選手が的を絞る事ができていませんでした。

その上、今回の丹羽孝希選手は、ミスする可能性が高いカウンターを殆どミスする事なく打球できていたのでフォアを潰す事ができ、フォアに意識がいったタイミングでバックを潰すという最善の戦い方ができていました。非常に強さを見せた試合でした。

サーブの組み立てと、巻き返す力は流石!大島祐哉選手の光ったプレーはこちら

今回、丹羽孝希選手のコースの打ち分けが素晴らしく、ラリーで主導権を奪われてしまい敗れた大島祐哉選手ですが、大島祐哉選手にも光ったプレーがありました。トップ選手として流石だと感じたのは、サーブの組み立てと、苦しい状態からでも巻き返せるラリー力です。

まず、サーブについてですが、丹羽孝希選手がチキータが得意という事もあり、バック前に上手くサーブを混ぜていたのが良かったです。サウスポーの選手のバック前はチキータがやりにくい場所なので、フォア前と混ぜる事でチキータを封じていたのは素晴らしかったです。

また、ラリーではコースを突かれ、後陣に下げられる展開が多かったですが、その場所からでも盛り返す力があり、何度も得点をしていました。不利なラリーの展開からでも得点する力は流石と言えるでしょう。今回は敗れてしまいましたが、弱点も少なくなり、強いところは更に強くなっており、まだまだ成長している事を見せた試合だったと言えるでしょう。

この試合を観て活かそう!サウスポーの選手がフォアが得意な右利きの選手と戦う時に有効な手段

今回の試合は、サウスポーでカウンターを持ち味とした丹羽孝希選手と右利きでフットワーク力とフォアハンドにパワーのある大島祐哉選手という図式でしたが、この試合を通してサウスポーの選手がフォアが得意な右利きの選手と戦う時に有効な手段を学んでいきましょう。

結論から言うと、バックを潰すために、フォアサイドを潰すのがとても大事です。フォアハンドが強い選手のバックを潰すというのは考えとして間違っていませんが、いきなりバックサイドに球を集めるとその球を回り込みフォアで狙われてしまいます。

また、レベルが上がると、フォアが得意だからと言ってバックハンドが下手なわけでもなくバックでも強打を打てる選手は沢山います。そのため、一度意識をフォアサイドに移す必要があるのです。ただ、フォアサイドに送る球はある程度強い球である必要があります。

フォアハンドが強い選手に緩い球をフォアサイドへ送ると一撃で打ち抜かれてしまいます。そのため、スピードのある球をフォアサイドに送って打球点を遅くさせる必要があります。丹羽孝希選手の場合は、バックとフォアを上手く混ぜながらカウンターを打ってフォアサイドを潰していました。

相手のフォアサイドが潰せると、バック潰しの余裕を持ったまま戦う事ができるので主導権が握りやすくなります。相手のフォアサイドを潰すためにはある程度の技術力が必要になりますが、右利きのフォアハンドが強い選手と戦うためにはとても重要な戦い方なので動画で学びながら身につけましょう。

まとめ:丹羽孝希VS大島祐哉の試合動画

いかがでしたでしょうか。2022年に行われた全日本選手権の丹羽孝希選手vs大島祐哉選手の対戦を紹介してきました。試合は、相手のフォアサイド、バックサイドを潰しラリーの主導権を握った丹羽孝希選手が4-1で勝利しました。

最後に一言だけ付け加えると、卓球では、フォアハンドが得意な選手の方が圧倒的に多いため、フォアハンドが強い選手に対してどのように戦うかが非常に重要となります。真っ向勝負するのも良いと思いますが、相手が苦手とする戦い方で試合してみる事で戦い方の幅も広がります。是非試してみましょう。

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