許听選手は、中国トップ3の一人で特にダブルスは世界No.1と言われる程実力を持っている選手です。オリンピックの団体は、ダブルスの種目が含まれるので許听選手は間違いなくキーパーソンになる人物です。
ダブルス世界No.1と呼び声もある許听とはどんな人物か、他にもプロフィールや世界ランキング、使用用具、プレーの特徴などを紹介していきます。
許听とは(シュシン)
許听選手は一言で言うと世界一のダブルスプレーヤーでその実力は誰と組んでも世界チャンピオンになれる程の強さを誇ります。それほど、ダブルスでの強さを発揮する許听とはどんな人物か紹介していきます。
- 日本のトップ張本智和が未だ勝てない選手!?中国式ペンを使う中国トップ3の一人
- 凄すぎる!世界No.1のフットワークとフォアドライブ
- 豪快さと繊細さを持つ!ダブルスのスペシャリスト
日本のトップ張本智和が未だ勝てない選手!?中国式ペンを使う中国トップ3の一人
実は許听選手は、現在の卓球界では珍しい中国式ペンのスタイルで戦う選手です。
ペンのラケットはシェークのラケットと比較してバックハンドが難しく、現代のバックハンドが重要視されている卓球では不利と言われています。そのため、現在の世界トップ選手ペンのラケットを使用している選手は1割に満たないです。
その希少と言えるスタイルで戦い抜き現在は中国トップ3の一人とも言われています。現在日本のエースで数々の中国選手を破った張本智和選手も未だ許听選手には勝利した経験がなく日本にとっては警戒しなければならない脅威的な選手と言えます。
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凄すぎる!世界No.1のフットワークとフォアドライブ
そうです、許听選手と言えば世界一のフットワークとフォアドライブです。180cm以上の大柄な体格から繰り出されるドライブは脅威で一度打たれたら中々返球する事ができません。
すごい事に、現在30歳を超えましたが未だそのフットワークは衰えを感じさせず未だ世界一の動きを保っています。
許听選手は、まだまだ世界で戦い続けるであろう選手なので今後の活躍にも期待したいです。
豪快さと繊細さを持つ!ダブルスのスペシャリスト
フットワークとドライブに目が行きがちですが、許听選手は豪快さだけではなく繊細さも持ち合わせています。
特にネット際のプレーは手の感覚が良い事から非常に上手く更に上背もあるので許听選手の台上技術の多彩さの右に出る選手はいないと言える程です。
台上技術に自信を持っている事から許听選手はダブルスが世界一上手い選手との呼び声も高いです。中国国内でも許听選手のダブルスには絶対的な信頼を置いており許听選手のいるダブルスに勝利するのは至難の技と言えます。
許听(シュシン) プロフィール
プロフィール
戦型 | 左ペン裏裏ドライブ型 |
身長 | 181cm |
体重 | 75kg |
年齢 | 31歳 |
生年月日 | 1990年1月8日 |
エピソード
- ダブルスのスペシャリストとして世界選手権代表に抜擢!ロッテルダム大会では見事優勝
- 世界ランキング1位として挑むもチャンピオンになれず苦しむ、リオ五輪では中国唯一の敗戦
- 若い世代が台頭するも対外的には負けず信頼のおける選手に
ダブルスのスペシャリストとして世界選手権代表に抜擢!ロッテルダム大会では見事優勝
許听選手は中国の江蘇省徐州にて卓球を始めその恵まれた体格と類稀なる才能でジュニアの頃から活躍を始めていました。
世界選手権横浜大会で初めてシングルス、馬龍選手とのペアでダブルスで代表となりダブルスでは準優勝に輝きます。
世界選手権の横浜大会以降はダブルスは勿論、シングルスの実力も評価され世界選手権の団体戦、個人戦メンバーに選出され続けています。
更に世界選手権ロッテルダム大会では、再び馬龍選手とのペアで出場したダブルスで優勝し中国の中でもダブルススペシャリストとして信頼を得るようになります。
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世界ランキング1位として挑むもチャンピオンになれず苦しむ、リオ五輪では中国唯一の敗戦
実力をつけた許听選手は世界ランキング1位の第1シードとして世界選手権パリ大会を迎えます。当大会はシングルスの試合に専念しダブルスはエントリーしない状態で出場しました。しかし、松平健太選手を破り準決勝に進むも張継科選手(中国)に敗れ世界チャンピオンになる事はできませんでした。
2年後の世界選手権蘇州大会でも故障からか中国の後輩である方博選手に敗れ頂点に立つ事はできていません。しかし、張継科選手とのペアのダブルスでは優勝、混合ダブルスも梁夏銀選手(韓国)との国際ペアで優勝と圧倒的な強さを誇っていました。
ダブルス、シングルスの総合的な実力からリオ五輪の団体メンバーに選ばれました。しかし、今まで一度も負けた事の無かった水谷隼選手(日本)に団体決勝で敗れるという波乱がありダブルスで勝利し優勝するも本人としてはリオ五輪は辛く辛い大会だった事でしょう。
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若い世代が台頭するも対外的には負けず信頼のおける選手に
リオ五輪では許听選手にとって思わぬ敗戦があり苦悩しましたが、年齢的にベテランの域に差し掛かるもその苦悩をバネにまた一段と成長し強くなります。
世界選手権デュッセルドルフ大会では、史上最年少でベスト8に進出した張本智和選手(日本)を破り3位入賞を果たします。
更にその後も張本智和選手(日本)や林昀儒選手(台湾)ら若い世代の活躍が光り中国TOP3の樊振東選手や馬龍選手は彼ら相手に敗戦する事もありましたが未だ許听選手は彼らに負けた事がありません。
若い世代にとってはある意味一番の強敵とも言える選手で今後も活躍は止まらないでしょう。特に東京五輪が開催されたら許听選手はダブルス、シングルスととても厄介な強敵になり壁として立ち塞がるでしょう。
世界ランキング及び成績
世界ランキング
世界ランキング2位(2021年4月13日時点)
成績
2009年 | 世界選手権横浜大会 | シングルスベスト32 ダブルス準優勝(馬龍ペア) |
2010年 | 世界選手権モスクワ大会 | 団体優勝 |
2011年 | 世界選手権ロッテルダム大会 | シングルスベスト16 ダブルス優勝(馬龍ペア) |
2012年 | 世界選手権ドルトムント大会 | 団体優勝 |
2013年 | 世界選手権パリ大会 | シングルス3位 |
ワールドカップ | シングルス優勝 | |
アジア選手権 | 団体優勝 | |
2014年 | 世界選手権東京大会 | 団体優勝 |
アジア競技大会 | シングルス優勝 ダブルス準優勝(樊振東ペア) 団体優勝 | |
2015年 | 世界選手権蘇州大会 | ダブルス優勝(張継科ペア) 混合ダブルス優勝(韓国、梁夏銀ペア) |
アジア選手権 | 団体優勝 ダブルス優勝 | |
2016年 | 世界選手権クアラルンプール大会 | 団体優勝 |
リオデジャネイロオリンピック | 団体優勝 | |
2017年 | 世界選手権デュッセルドルフ大会 | シングルス3位 ダブルス優勝(樊振東ペア) |
2018年 | 世界選手権ブタペスト大会 | 団体優勝 |
2019年 | 世界選手権ハンガリー大会 | 混合ダブルス優勝(劉詩文ペア) |
ジャパンオープン | シングルス優勝 ダブルス優勝 混合ダブルス優勝 | |
韓国オープン | シングルス優勝 ダブルス優勝 |
SNS
使用用具
ラケット:ダイナスティーカーボン
ラバー(表面):天極2(国家チーム用)
ラバー(裏面):狂飆3(国家チーム用)
許听(シュシン) プレーの特徴
ダブルスは世界No.1と呼び声が高いですが、許听選手はダブルスだけではありません。シングルスでも他の選手に勝るプレーが沢山あります。その中でも光っているプレーを紹介していきます。許听選手の試合動画解説も別のページで紹介していますのでそちらもよければご確認ください。
- カーブにシュート、相手が触れない程のフォアドライブ
- 中国式ペン特有の技術!?横回転が混ざるレシーブの数々
- 近年で一気にレベルアップ!相手の球を狙い打つ脅威的なバックドライブ
カーブにシュート、相手が触れない程のフォアドライブ
実は、許听選手のフォアドライブは少し仕掛けがあります。この仕掛けによって相手選手の多くはノータッチで抜かれてしまったり当たってもミスしてしまうのです。
その仕掛けとは殆どの球がカーブ、若しくはシュート回転を掛けている事です。通常のドライブは前進回転が基本ですが許听選手の場合ボールの外側、内側を取る事でボールが曲がる癖球を使っているのです。
速さに加えて癖球の要素がある事で返球が難しくミスに繋がってしまうのです。更にこの癖球の厄介なところは返球できたとしても回転によって返球できるコースを限定されてしまう事です。最終的に許听選手に主導権を握られてしまうのです。
中国式ペン特有の技術!?横回転が混ざるレシーブの数々
許听選手はカウンタードライブの技術に長けていますがそのカウンタードライブを打つための工夫がレシーブに沢山詰め込まれています。
ここだけの話、中国式ペン特有のレシーブでもあり許听選手のレシーブはツッツキにしてもフリックにしても横回転が混ざったレシーブです。
横回転によって少し曲がるため相手は詰まってしまったり、逆に思ったより遠ざかってしまい十分な球を打つ事ができません。相手をたった少しでも崩せば許听選手はカウンタードライブに繋げ得意な展開にできるのです。
あくまでカウンタードライブが得意であるから有効とも言えますが、カウンタードライブと横回転が混ざったレシーブが揃うと正に鬼に金棒と言った状態で手がつけられない状態になります。
近年で一気にレベルアップ!相手の球を狙い打つ脅威的なバックドライブ
許听選手は元々、フォアハンドが主体の選手である事からバックハンドの技術が発達したら勝てなくなるとの見解もありましたが、バックハンドが発達し30代を超えた今でも世界のトップ選手としての座を譲りません。
その理由は、近年で目まぐるしくバックドライブの技術レベルが上がったからです。元々、許听選手はバックドライブが上手ではなかったので対戦相手はとにかくフォアを警戒しバックに集める戦略を多くとっていました。
しかし、近年打法も安定してきた許听選手は相手がバックに狙ってくる時に回り込んでフォアハンドで返球するのではなくバックドライブで打ち抜く戦い方に変わってきました。
繋ぐだけではなく狙って打ち抜くというのがポイントで、許听選手はバックを狙われる事が分かっているので完全にその球を待った上で打ち抜いているのです。そうすると相手はどこに返球すれば良いか分からなくなりパニック状態になります。
ここまで狙って打つ事は圧倒的にフォアハンドの強い許听選手だからこその技術かもしれませんが、プレッシャーをかけるバックハンドという点では大変参考になるでしょう。
まとめ:許听(シュシン)
いかがでしたでしょうか。許听選手について紹介していきました。許听とはこんな人物です。
- 日本のトップ張本智和が未だ勝てない選手!?中国式ペンを使う中国トップ3の一人
- 凄すぎる!世界No.1のフットワークとフォアドライブ
- 豪快さと繊細さを持つ!ダブルスのスペシャリスト
また、許听選手のプレーの特徴はこちらになります。
- カーブにシュート、相手が触れない程のフォアドライブ
- 中国式ペン特有の技術!?横回転が混ざるレシーブの数々
- 近年で一気にレベルアップ!相手の球を狙い打つ脅威的なバックドライブ
最後に一言だけ付け加えますと、許听選手はかなり身体能力を生かしたプレーが特徴的なので選手寿命は短いと言われていましたが、ベテランとなった今でもバックハンドの技術向上や戦術面での強さも見せ以前より強くなっているのではないかという程です。
中国に勝つためには必ず壁となり立ちはだかる選手なので日本にとっては脅威ですが、希少なペンホルダーの選手でもあるので今後も活躍を期待したいです。