【試合動画解説】伊藤美誠VS芝田沙季を紹介《2022全日本選手権》

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今回のテーマは、弱点が少ない選手に対抗する手段です。レベルが上がるにつれて対戦相手の弱点は段々と少なくなっていきます。その中でどのように戦うのが有効かこの記事を見る事で分かります。

このページでは、2022年に行われた全日本選手権での伊藤美誠選手vs芝田沙季選手の対戦を通して両選手のプレーや戦術の見どころを紹介していきます。

この記事を紹介する私は、卓球歴15年で現在は卓球場の店長をしています。全国大会に出場経験もあり、数多くの試合を観て、実践の場で戦ってきた経験からトップ選手がどのように考え試合をしていて、私達はどのように生かしていけば良いかを文章にして紹介しています。

試合を見る前に!伊藤美誠、芝田沙季両選手の特徴を紹介

今試合を見ようと思ったあなた。少し待って下さい。伊藤美誠選手、芝田沙季選手どちらも非常に強力な技を持っています。ここからは、両選手のプレーの特徴を紹介していきます。特徴を踏まえた上で試合がどのように展開されるか見ていきましょう。

何をするか予測のつかない破天荒なプレー!【伊藤美誠選手】

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そうです、伊藤美誠選手と言えば、日本のエースとして活躍する選手です。世界ランキングも最高2位まで登り詰めており、図太い精神で中国選手を何人も倒している事から中国では「大魔王」とあだ名をつけられています。

プレーの特徴としては、一言で言うと予測できない破天荒なプレーが特徴的です。サーブが上手でバック面の表ソフトとフォアスマッシュで相手を翻弄します。精神面が強く勝負どころで相手が予想できない思い切ったプレーをします。

芝田沙季選手と比べるとプレーの安定感では劣りますが、何より先手を取る力に長けています。サーブやレシーブ、ラリーと、どの場面でも勝負をかけられるのが強みでどれだけ仕掛けられるかがポイントとなるでしょう。

伊藤美誠のプロフィール【世界ランキング・使用用具・特徴】

まるで中国選手!安定感と質の高さが持ち味【芝田沙季選手】

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芝田沙季選手は、以前から国際大会で活躍を続ける選手の一人です。小柄ですが、パワフルな卓球を持ち味としており、選考会を勝ちきって世界選手権代表の座も手にしています。

プレーは、かなりシンプルで特別な武器があるわけではありませんが、とにかく一つ一つのプレーの質が高いです。身体の使い方も上手いため、ボールのスピードや回転量もあり、イメージは中国人選手に近いです。

伊藤美誠選手と比べると、細かい技術の引き出しの多さでは劣っていますが、全体の安定感や粘り強さでは優位に立っていると言えるでしょう。どれだけ伊藤美誠選手の仕掛けに食らい付いていけるかがポイントです。

芝田沙季とは【プロフィール・世界ランキング・使用用具・特徴】

【試合動画】伊藤美誠VS芝田沙季《2022年全日本選手権》

参照:https://www.youtube.com/watch?v=tlcQ1doWWNk

今回試合動画として紹介させて頂くのは、2022年に行われた全日本選手権のベスト8決定戦です。両者はこの大会の直前で行われた世界選手権のシングルスでも対戦しており、その時は4-3で伊藤美誠選手に勝利しています。

実績で言えば伊藤美誠選手の方が上ですが、芝田沙季選手も近年実力をつけており、直前の対戦でも接戦を演じているのでどちらが勝つかは中々分からない試合と言えるでしょう。

ここに注目せよ!試合を見終わって、試合の見どころはこちら!

試合を見終わってみていかがでしたでしょうか。伊藤美誠選手が4-2で芝田沙季選手に勝利しました。伊藤美誠選手が芝田沙季選手の上手いプレーを躱し勝利しました。ここからは、試合全体を通しての感想や両者の光ったプレーを紹介していきます。

あなたの感想は?試合全体を通しての感想はこちら!

試合を終えてみて、あなたの感想はいかがでしたでしょうか。ここからは、試合を通しての感想を紹介していきます。

先手を取り続け試合の主導権を握った試合

今回の試合、結論で言うと伊藤美誠選手が、先手を取るプレーで主導権を握りそのまま勝利した試合と言えるでしょう。芝田沙季選手も質の高いプレーで応戦しましたが、先手を取られ続け勝利するのは難しかったと言える内容でした。

具体的に伊藤美誠選手がどのようなプレーで先手を取っていたか説明しましょう。特徴的なのはレシーブで、序盤芝田沙季選手は巻き込みでフォア前とバック側へのロングを中心に組み立ていましたが、フォア前のレシーブではストップに加えて、チキータや逆チキータ、バック側へのロングに対してはバックでの処理と回り込みスマッシュと仕掛けの幅が広かったです。

ただ、幅が広いだけではなく、チキータや逆チキータ、回り込みスマッシュはレシーブエースになる可能性も高い技術なので相手へ与えるプレッシャーは大きい事でしょう。結局芝田沙季選手はある程度先手を取られる覚悟のシンプルなサーブしか出せなくなっていき主導権が完全に伊藤美誠選手のものとなっていました。

伊藤美誠選手を相手にすると、どのコースに様々な回転を用いたとしても、コースを読まれたらレシーブエースされる可能性があるので相手の強い部分をそもそも出させないで勝つ事ができるのです。

ここがすごい!伊藤美誠、芝田沙季、両選手の光ったプレー、戦術はこちら

戦術をメインに紹介してきましたが、技術的にも両者光ったプレーがありました。ここからは、伊藤美誠選手、芝田沙季選手、両者の光ったプレーを紹介していきます。

先手を取る天才!レシーブから出る数々の技【伊藤美誠選手】

今回、伊藤美誠選手のプレーで光っていたのはレシーブでしょう。特に回り込みのフォアスマッシュの精度が非常に高かったのが素晴らしかったです。

伊藤美誠選手の、台上技術はストップやツッツキに加えてフリックやチキータ、逆チキータ等できる技術が多いので相手からすると的を絞れません。そのため、殆どの相手が何とかレシーブエースにならないよう回転の利用がしにくい縦回転サーブを出すか、意表をついてロングサーブを出してきます。

縦回転サーブを出したとしてもチキータや逆チキータを狙うので最終的にロングサーブの割合がかなり増えますが、今回の試合ではそのロングサーブをスマッシュで一撃で打ち抜いていました。特に一撃というのがポイントで、相手からするとどこのコースに出してもラリーに出来ないという状態になります。

伊藤美誠選手は、トップ選手の中ではミスもありますが、殆ど全て先手を取りに行くプレーなので、相手は主導権を握られ続け、ミス待つだけのプレーになってしまうのです。世界のトップたる所以が沢山詰まっています。

一つ一つの質の高さや戦術の対応は流石!【芝田沙季選手】

今回の試合、芝田沙季選手は伊藤美誠選手に先手を取られるシーンがかなり多く、完敗と言えるような内容になってしまいましたが、芝田沙季選手も光ったプレーがありました。

特に戦術面と、その戦術を支える細かい技術は流石でした。具体的には、まずサーブ力が非常に高い伊藤美誠選手に対しレシーブミスすると勝ち目が無いため、ツッツキ等シンプルな技術を混ぜており、レシーブミスが殆どありませんでした。

また、サーブからの展開で先手を取られ続けている事を受け、縦回転サーブに変更したのも流石と言えるでしょう。競ったセットを落とし、後半はやる事が無くなってきていましたが、バックのラリーでわざと緩い球を混ぜたり等、最後まで現状を打開するための技術が出てきたのが素晴らしかったです。

今回は敗戦してしまいましたが、敗戦から多くを学んで成長している選手なので、今後どのように成長していくか注目です。

この試合を観て活かそう!上手い選手に対抗する手段

今回は弱点が少ない選手に対する手段を、試合から学んでいきましょう。結論から言うと、先手を取って戦うプレー、特にサーブやレシーブが必要になります。

今回の芝田沙季選手のように弱点が少ない選手と戦う時、ラリーで点数を取ろうとしても守備力も高く粘り強いので簡単に点が取れず、的確にこちらの弱点を狙われやすくなります。

だからこそ、先手を取って主導権を握らせない事が重要です。攻撃は最大の防御とも言えますが、今回の試合の伊藤美誠選手のようにどのコースにきた球であってもレシーブエースを狙うぐらいの姿勢が理想です。

中々、レシーブエースだけを狙うのは難しいですが、普段通りのレシーブより少し早いタイミングでレシーブしたり、少し逆モーションを入れたりなど台上技術での工夫が重要となります。是非、伊藤美誠選手の台上技術にフォーカスして見て学びましょう。

まとめ:伊藤美誠VS芝田沙季の試合動画

いかがでしたでしょうか。2022年に行われた全日本選手権の伊藤美誠選手vs芝田沙季選手の対戦を紹介してきました。試合は、芝田沙季選手の質の高いプレーを細かい技で先手を取る事で封じ、伊藤美誠選手が4-0で勝利しました。

最後に一言だけ付け加えると、トップ選手になればなる程、弱点は無くなっていきます。その中で重要となるのが細かい技術で、人より強く意識して練習して得意となった武器が役立ちます。とても参考になる試合だったので改めて見て勉強してみましょう。

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