今回のテーマは、パワーのある選手に有効な技術3選という事で紹介していきます。近年はスピードもありながらフィジカルが強くパワーのある選手が増えています。
このページでは、2021年に行われたWTTマカオでの劉詩雯選手vs孫穎沙選手の対戦を通して両選手のプレーや戦術の見どころを紹介していきます。
Contents
試合を見る前に！劉詩雯、孫穎沙両選手の特徴を紹介
今試合を見ようと思ったあなた。少し待って下さい。劉詩雯選手、孫穎沙選手どちらも非常に強力な技を持っています。ここからは、両選手のプレーの特徴を紹介していきます。特徴を踏まえた上で試合がどのように展開されるか見ていきましょう。
戻りの速さは世界No.1！劉詩雯選手のプレーの特徴
そうです、劉詩雯選手と言えば、長く中国代表として戦い続けており取りこぼしが非常に少ない選手です。2019年に世界選手権のシングルスも優勝を果たしており実力は折り紙付です。
プレーの特徴としては、世界のトップで戦う選手の中でもかなりスピードが速いです。特筆すべきは、世界No.1とも言われる戻りの速さで前陣でも体勢が崩れる事が殆ど無く、安定して打ち続ける事ができます。
劉詩雯選手と比べると両ハンドの球の威力は劣りますが、その分バックハンドのスピードとコースの打ち分けが正確であることがアドバンテージとして挙げられるでしょう。
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小柄ながら現世界トップレベルの両ハンド！孫穎沙選手のプレーの特徴
孫穎沙選手と言えば、中国の次世代エースとも呼び声が高い選手です。同士討ちで負ける事はあっても海外選手に負ける事は殆ど無くポテンシャルの高さに加え、勝負強さも兼ね備える選手です。
プレーの特徴は一言で言うと、とにかくパワフルで男子選手のような両ハンドが武器です。小柄な体格ですが、身体全体を使ったフルスイングするドライブは現代では世界トップレベルと言えるでしょう。
劉詩雯選手と比べると、スピードで劣っていますがその分両ハンドのパワーに優れています。また、孫穎沙選手は、パワー重視の戦い方とスピード重視の戦い方を切り替える事もできるので対応能力としても高いと言えるでしょう。
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【試合動画】劉詩雯VS孫穎沙《WTTマカオ》
今回試合動画として紹介させて頂くのは、2022年に行われたWTTマカオの準決勝戦です。2022年に行われる最初の国際大会で、ワールドツアーとは別のエキシビション大会となります。準決勝以降は7ゲームマッチとなっています。
劉詩雯選手、孫穎沙選手どちらもラリーを得意とした選手です。そのため、双方共にラリーしやすいサーブからスタートしラリーを展開していく事が予想されます。その中で如何にして主導権を握るかが重要な試合と言えるでしょう。
ここに注目せよ！試合を見終わって、試合の見どころはこちら！
試合を見終わってみていかがでしたでしょうか。劉詩雯選手が4-0で孫穎沙選手に勝利しました。劉詩雯選手が、ラリーで力強い球を打って押していき、孫穎沙選手を倒しました。ここからは、試合を通しての感想や両者の光ったプレーを紹介していきます。
あなたの感想は？試合全体を通しての感想はこちら！
試合を終えてみて、あなたの感想はいかがでしたでしょうか。ここからは、試合を通しての感想を紹介していきます。
やや崩れた孫穎沙選手の隙を見逃さなかった劉詩雯選手が勝利を果たす
試合を通して言えるのは、孫穎沙選手は劉詩雯選手のスピードにあまり対応できておらずやや崩れるシーンが幾度かありました。そのシーンを見逃さなかった劉詩雯選手が見事勝利に繋げた試合でした。
試合中は、劉詩雯選手のバックハンドのスピードが光り孫穎沙選手が中々万全の状態で打つことができていませんでした。孫穎沙選手も本来だと得点源であるラリーで崩されてしまったので中々大胆な戦術変更はできなかったのが敗因と言えるでしょう。
孫穎沙選手はパワーがあり打ち始めると止まらない選手ですが、スピードで上手く封じこめられてしまうと中々良さを出すことができず試合が進むのが課題と言えるでしょう。また、ラリーが崩れると動揺して台上プレーの凡ミス等が出てしまいその差が結局試合の結果として現れました。
強い武器を持っている選手程、得意プレーが崩されるとやや脆くなってしまいます。孫穎沙選手はまだまだ若いので乗り越えて成長してくれるでしょう。今後の試合にもまた注目です。
ここがすごい！劉詩雯、孫穎沙、両選手の光ったプレー、戦術はこちら
戦術をメインに紹介してきましたが、技術的にも両者光ったプレーがありました。ここからは、劉詩雯選手、孫穎沙選手、両者の光ったプレーを紹介していきます。
スピーディーなバックハンドで相手のパワーを封じる！劉詩雯選手の光ったプレーはこちら！
今回の劉詩雯選手は、スピーディーなバックハンド攻撃が光っていました。ただ、淡々とバックハンド攻撃を繰り返すのではなく、ミドルを突いたり緩急を混ぜたり等工夫がもたらされていたのも強かった部分と言えるでしょう。
また、勝負どころでは回り込んでフォアハンドを使うなど積極的なプレーも見られました。コースの打ち分けが上手い女子選手相手に回り込むのは勇気が必要ですが、そこでの思い切りの良さにも経験値が表れていたと思います。
中国女子代表も若手の活躍が進んでいますが、劉詩雯選手も若手の壁としてまだまだ活躍する事が予想できます。卓球の技術バランスの良さは現代表選手の中でも随一なので今後の活躍にも注目です。
パワー勝負はやはり強い！孫穎沙選手の光ったプレーはこちら
孫穎沙選手は、今回の試合やはりパワープレーは強いと改めて感じさせる内容でした。特にフォアハンドは一度打ち始めると強い球を何本も連続して打てるため劉詩雯選手も安易にフォアサイドへ返球する事ができていませんでした。
ですが、今回の試合では課題が見えたのも確かで、孫穎沙選手はパワーがあり、スピードも決して遅くないため普段の殆どの試合は主導権を握り続けるシーンがよくあります。そのため、ラリーで主導権を相手に握られてしまった時に中々思い切った戦術変更できないのが課題と言えるでしょう。
また、フォアに比べるとバックは技術的にも威力や安定度が少し落ちるため孫穎沙選手に勝つためにどの選手もバックを詰めてくるはずです。今後はそのように狙われた時にどのように対処するかが見どころです。まだまだ伸び代のある選手なので今後の活躍にも注目です。
この試合を観て活かそう！パワーのある選手に有効な技術3選
今回の試合は、パワーのある孫穎沙選手に対して劉詩雯選手がどのように立ち回るかが注目の試合でした。試合では、孫穎沙選手のパワーを劉詩雯選手が封じており、有効なパターンがいくつかあったので3選にまとめて紹介します。
まず一つ目は、バックミドルを突く事です。パワーのある選手には用意にフォアハンドを振らせないのが鉄則です。但し、バックサイドばかりに返球すると思い切り振られてしまうのでミドルを突くのが必要です。大きくズラすよりも小さくズラすのが有効です。
二つ目は巻き込みサーブです。パワーのある選手は中途半端な球を返球すると一撃で決められてしまいます。そのため、しっかりとラリーに持ち込みやすい巻き込みサーブなどを出すと有効です。巻き込みサーブでなくてもバックサーブなども有効です。
三つ目は、緩急を使ったバックハンドです。パワーのある選手に対して緩い球を送るのは怖いですが、緩い球が実は有効です。パワーのある選手は、強打を打とうとするためミスも出やすいです。ミスを誘うプレーがある事でより主導権を握りやすくなるのです。
まとめ：劉詩雯VS孫穎沙の試合動画
いかがでしたでしょうか。2022年に行われたWTTマカオの劉詩雯選手vs孫穎沙選手の対戦を紹介してきました。試合は、ベテランならではの技やスピードを生かした劉詩雯選手が孫穎沙選手に4-2で勝利しました。
最後に一言だけ付け加えると、近年は卓球が攻撃的となりパワーのある選手が増えてきました。ですが、元々パワーの無い選手がパワーで対抗するよりも別の技術を生かした方が対抗できるかもしれません。特に上記で紹介した技術はパワーのある選手には有効なので是非試してみましょう。
