劉詩雯とは、世界ランキング1位ながら世界チャンピオンになるまで最も時間がかかった選手です。高い実力を持ちながら何年も何年も苦悩を重ねてきた選手です。
この記事では、そんな劉詩雯選手とはどんな人物か、他にもプロフィールや世界ランキング、使用用具、プレーの特徴などを紹介していきます。
劉詩雯(リュウシーウェン)とは
劉詩雯とは、一言で言うと世界1位の実力を持ちながら頂点に立つまで最も時間がかかった選手です。30歳目前にして初めて世界選手権優勝を果たしました。英語では「Liu Shiwen」、和名では「リュウシブン」と表記されます。
- 悲願の世界選手権優勝達成!2、3番手として長く中国を支え続けた選手
- 中国選手としては珍しく小柄な選手!しかし、その俊敏さは世界No.1
- かわいいと話題!?実力だけではなく美貌も兼ね備えた選手
悲願の世界選手権優勝達成!2、3番手として長く中国を支え続けた選手
劉詩雯選手は、ジュニア時代から活躍し頭角を現すのは早かったですが、長く中国の2、3番手としての位置が多く世界チャンピオンになる事は中々できませんでした。
その実力は本物で国外選手には殆ど負ける事は無く、日本選手でも勝利した事があるのは福原愛選手、伊藤美誠選手、早田ひな選手のみです。日本人選手相手に30以上の連勝記録もあります。
しかし、重要な試合ではチームメイトに敗戦してしまい世界の頂点を取ることはできませんでした。リオ五輪の時には世界ランキング1位ながらもシングルス代表からは落選しています。
そんな劉詩雯選手が報われる事になったのは2019年の世界選手権ブタペスト大会です。準決勝で宿敵とも言える丁寧選手(中国)を下すと、決勝では勢いのある陳夢選手(中国)も下し優勝を果たしました。
2009年の横浜大会からシングルスで常にメダルを取りながらも初めての優勝を果たした劉詩雯選手に感動した卓球ファンも多かったです。
中国選手としては珍しく小柄な選手!しかし、その俊敏さは世界No.1
劉詩雯選手は中国の選手の中ではかなり小柄です。この体格が故に世界チャンピオンになれないという声もありましたが、彼女はこの体格差を努力によって埋めていきました。
劉詩雯選手の俊敏さは世界No.1とも言われていて他のどの選手より早く戻る事ができます。そのため、常に万全の状態でスタートして球を追いかける事ができるので小柄ながらも抜かれる事は殆どありません。
日本選手も比較的体格が近い劉詩雯選手のプレーを参考にしている選手も多く、その卓球スタイルは小柄な選手が勝つためのスタイルとして確立されてきています。
かわいいと話題!?実力だけではなく美貌も兼ね備えた選手
劉詩雯選手は実力だけではなく、容姿もかわいいと卓球界では度々話題になります。
強さだけではなく美貌も兼ね備えている事が彼女の人気が高い所以でもあります。
また、試合では闘志を剥き出しに戦う劉詩雯選手ですが、福原愛さんと親交も深いようで会う度にお互いが自分の方が身長が高いと主張すると言ったかわいいエピソードもあります。
劉詩雯(リュウシーウェン) プロフィール
戦型 | 右シェーク裏裏ドライブ型 |
年齢 | 31歳 |
生年月日 | 1991年4月12日 |
身長 | 160cm |
体重 | 43kg |
エピソード
同世代の中でも早くに活躍!初出場の世界選手権横浜大会ではいきなりベスト4進出!
劉詩雯選手は、中国の遼寧省で生まれ卓球を始めました。幼少期から活躍しており、2004年の世界ジュニア選手権ではシングルス準優勝に終わるもダブルス、混合ダブルス、団体は優勝という活躍を収めています。
当時から安定感は抜群で2009年の世界選手権横浜大会のシングルス代表として選出されます。この初出場の世界選手権で劉詩雯選手はベスト4進出し世界中を驚かせました。
信じられない程の実力と可愛らしい顔立ちから人気も出て話題になりました。
若くして世界ランキング1位を獲得するも重圧に耐え切れず敗戦!団体9連覇を逃す
すごい事に、劉詩雯選手は力をつけ2010年には世界ランキング1位を獲得します。20歳前後でという若さでありながら中国を背負う選手となります。
そこで迎えたのが世界選手権モスクワ大会です。当時圧倒的エースだった張怡寧選手が引退しだ事で劉詩雯選手が団体戦のエース起用される事になりました。2回目の世界選手権でエース起用された彼女の重圧は計り知れません。
そして、悲劇が起きます。決勝のシンガポール戦で劉詩雯選手は2点落とし、チームメイトの丁寧選手も敗戦した事でシンガポールに敗戦してしまいます。9連覇を狙っていた大会を落としてしまったのです。
エースとしての責務を果たす事ができなかったら劉詩雯選手は辛い辛い日々を送ったでしょう。劉詩雯選手は最も苦悩し続けた選手かもしれません。
世界の頂点に立てず苦しみ苦しみ続ける!2019年の世界選手権では悲願の初優勝
世界選手権モスクワ大会での敗戦から劉詩雯選手は大きくレベルアップしました。今までより身体付きは一回り大きくなり、そして闘志も以前に増していき国外選手には殆ど全く負けなくなっていきました。
抜群の安定感で中国を支えられる程の実力をつけた劉詩雯選手でしたが、個人での優勝は果たす事ができずいつも寸前のところで敗戦してしまっていました。
信じられないですが、リオ五輪では世界ランキング1位だったのにも関わらずシングルスの代表権を得ることができず団体のみの出場で、本人にとっては憤りさえ感じるのではないかという程に苦しみ苦しみ続けました。
そして、年齢も30歳間近になり引退も囁かれるようになったその時に劉詩雯選手はここぞとばかりに力を出し切ります。
2019年の世界選手権ブタペスト大会では準決勝で3連覇を目指していた丁寧選手を破り、決勝では当時世界ランキング1位の陳夢選手を破り優勝する事になったのです。初出場した世界選手権から10年越しの初めての個人優勝でした。
そして、その後のワールドカップのシングルスでも優勝し大満貫(五輪、世界選手権、ワールドカップを全て制した称号)に王手をかけたのです。
ピークは過ぎたと思われる年齢ながら未だに成長を続けています。東京五輪の代表権は誰に渡るか定まっていませんが今後の活躍にも期待したいです。
世界ランキング及び成績
世界ランキング
世界ランキング7位(4月20日時点)
成績
2009年 | 世界選手権横浜大会 | シングルス3位 |
ワールドカップ | シングルス優勝 団体優勝 | |
2010年 | 世界選手権モスクワ大会 | 団体準優勝 |
ワールドカップ | 団体優勝 | |
2011年 | 世界選手権ロッテルダム大会 | シングルス3位 |
2012年 | 世界選手権ドルトムント大会 | 団体優勝 |
ワールドカップ | シングルス優勝 | |
2013年 | 世界選手権パリ大会 | シングルス準優勝 ダブルス準優勝(丁寧ペア) |
ワールドカップ | シングルス優勝 団体優勝 | |
2014年 | 世界選手権東京大会 | 団体優勝 |
2015年 | 世界選手権蘇州大会 | シングルス準優勝 ダブルス優勝(朱雨玲ペア) |
ワールドカップ | シングルス優勝 団体優勝 | |
2016年 | 世界選手権クアラルンプール大会 | 団体優勝 |
2017年 | 世界選手権デュッセルドルフ大会 | シングルス3位 ダブルス優勝(丁寧ペア) |
2018年 | 世界選手権ハルムスタッド大会 | 団体優勝 |
2019年 | 世界選手権ブタペスト大会 | シングルス優勝 混合ダブルス優勝(許听ペア) |
ワールドカップ | シングルス優勝 |
使用用具
ラケット:バタフライ特注品
商品情報はありません。
ラバー(表面):国狂3
ラバー(裏面):ディグニクス05
劉詩雯(リュウシーウェン) プレーの特徴
劉詩雯選手のプレーは超絶安定的で敗戦する事が非常に少ないです。実は、その安定的なプレーには秘密があります。その秘密ともなるプレーの特徴を紹介します。下記のページで劉詩雯選手の試合動画を解説していますので合わせて確認してみましょう。
- 俊敏さは世界No.1!戻りが早くどんな球にも追い付く速攻攻撃
- 実は、負けない大きな要因はコレ!?中国ラバーを生かした切れたフォアツッツキ
- 自分の得意な土俵に引き摺り込む!シンプルが故に厄介なナックルサーブ
俊敏さは世界No.1!戻りが早くどんな球にも追い付く速攻攻撃
そうです、劉詩雯選手の卓球な特徴と言えば俊敏さを生かした速攻プレーです。俊敏さは世界No.1級で小柄ですが戻りが早いためどんな球にも追い付きます。
また、ブロックと攻撃、バックハンドとフォアハンドどれも一定以上のレベルがありバランスが良いため弱点も中々見つけられません。
ミスが少なく丁寧な日本人選手の上位互換とも言える選手なので、日本国内の選手は劉詩雯選手を最も苦手としています。
実は、負けない大きな要因はコレ!?中国ラバーを生かした切れたフォアツッツキ
実は、劉詩雯選手が負けない大きな要因は切れたツッツキです。
ツッツキと言うと地味な技術に感じるかもしれませんが劉詩雯選手の場合相手のサーブの回転が分かりにくい際に思い切りツッツキを切って返球するので相手選手は非常に取りにくいのです。
世界選手権ブタペスト大会の混合ダブルス決勝の際にもツッツキレシーブが光っていました。吉村真晴選手がアップダウンサーブを出した時に劉詩雯選手がツッツキを切った事で結局石川佳純選手が3球目を攻め切れないシーンが多々ありました。
ラリー力に長けている彼女だからこそより効力を発揮しています。近年では、回転が分かりにくい時にチキータをするのが主流ですが切れたツッツキは使用する選手が少ないのでとても有効に働いています。
自分の得意な土俵に引き摺り込む!シンプルが故に厄介なナックルサーブ
劉詩雯選手のサーブは、ナックルサーブが多く側から観るとサーブ力が低いと思う方もいるかもしれません。
しかし、それは大きな間違いで多くの選手が劉詩雯選手のサーブは厄介だと思っている筈です。回転が強い複雑なサーブはレシーブで回転を利用する事ができますがナックルサーブは利用できません。
特に真ん中から出す巻き込み風のナックルサーブはシンプルが故にレシーブが短調になり攻められてしまいます。
劉詩雯選手はラリーが強いので、そういった選手はシンプルなサーブ程相手選手からするとプレッシャーになるのです。
まとめ:劉詩雯(リュウシーウェン)
いかがでしたでしょうか。劉詩雯選手について紹介してきました。劉詩雯とはこんな人物です。
- 悲願の世界選手権優勝達成!2、3番手として長く中国を支え続けた選手
- 中国選手としては珍しく小柄な選手!しかし、その俊敏さは世界No.1
- かわいいと話題!?実力だけではなく美貌も兼ね備えた選手
また、劉詩雯選手のプレーの特徴はこちらです。
- 俊敏さは世界No.1!戻りが早くどんな球にも追い付く速攻攻撃
- 実は、負けない大きな要因はコレ!?中国ラバーを生かした切れたフォアツッツキ
- 自分の得意な土俵に引き摺り込む!シンプルが故に厄介なナックルサーブ
最後に一言だけ付け加えますと、劉詩雯選手は普通なら衰え始める30歳目前で世界選手権のシングルス初優勝を果たしました。今後もまだまだ伸び代を感じさせてくれる選手なので期待したい選手です。