今回のテーマは、純粋に強い選手に対する対抗方法です。卓球はレベルが上がれば上がる程弱点が無くなっていきます。その中で得点するには武器が必要となります。
このページでは、2021年に行われたWTTシンガポールでの樊振東選手vs張本智和選手の対戦を通して両選手のプレーや戦術の見どころを紹介していきます。
Contents
試合を見る前に!樊振東、張本智和両選手の特徴を紹介
今試合を見ようと思ったあなた。少し待って下さい。樊振東選手、張本智和選手どちらも非常に強力な技を持っています。ここからは、両選手のプレーの特徴を紹介していきます。特徴を踏まえた上で試合がどのように展開されるか見ていきましょう。
威力ある両ハンドに絶対的なバランスの良さ!樊振東のプレーの特徴
そうです、樊振東選手の特徴と言えばフィジカルを生かした威力ある両ハンドが武器です。ですが、筆者の私が本当に優れているポイントというのはミスの少なさです。ボールに触る時は基本的にミスする事は殆どありません。
樊振東は一球の威力が凄まじく目が行きがちですが、ボールの触り方が非常に上手く選球眼にも優れているためとにかくミスが少ないです。世界一とも言える威力と絶対的な安定感を持つ完璧に近い選手と言えるでしょう。
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世界トップ級のスピードのあるバックハンド!張本智和選手のプレーの特徴
張本智和選手は、世界トップ級のスピードを誇るバックハンドが持ち味です。相手が触れない程のスピードがあり、触ったボールは殆どミスせず質の高い球を返せる樊振東選手に対しては数少ない対抗できる武器がある選手と言えるでしょう。
また、近年は体格が良くなり腕周りの筋肉量も増え、フォアハンドの威力もアップしています。樊振東選手と比べるとリスクが高いですがその分攻撃力は高いのでどれだけミスを少なく攻撃力の高い攻撃ができるかがポイントです。
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【試合動画】樊振東VS張本智和《WTTシンガポール》
今回試合動画として紹介させて頂くのは、2021年に行われたWTTシンガポールです。決勝戦で対するこの二人ですが、前回の対戦は2019年のワールドカップと期間がある中での対戦となります。
直前に行われた世界選手権で樊振東選手はシングルス優勝を果たし、張本智和選手は初戦負けを喫しています。但し、張本智和選手はコロナ禍で卓球をまた一段と進化させておりより攻撃力がアップしている様子、樊振東選手にとっては戦いにくい相手である事は間違い無いでしょう。
ここに注目せよ!試合を見終わって、試合の見どころはこちら!
試合を見終わってみていかがでしたでしょうか。樊振東選手が4-1で張本智和選手に勝利しました。樊振東選手が、圧倒的なバランスの良さで張本智和選手を要所で崩し勝利しています。ここからは、更に試合を通しての感想や両者の見どころを紹介していきます。
あなたの感想は?試合全体を通しての感想はこちら!
試合を終えてみて、あなたの感想はいかがでしたでしょうか。ここからは、試合を通しての感想を紹介していきます。
攻撃力の高さを示した張本智和、抜群の安定感で対応した樊振東
試合を終わってみての感想としてまず言えるのが、張本智和選手がリスクを負ったプレーで得点するシーンはあったものの、最終的には抜群の安定感で樊振東選手が対応しミスをさせられてしまったり、崩されてしまったという内容でした。
ですが、樊振東選手のような弱点が無く純粋な強さを持つ選手に対してはやはりリスクを負う戦い方は必須で張本智和選手は奮闘していたと言えるでしょう。特に、張本智和選手は大きく攻撃力をアップさせていました。以前までの相手をノータッチで抜き去るバックストレートは健在で、更にフォアハンドの威力が大きく上がっていました。
今回、張本智和選手のフォアドライブはコースが単調になりクロスに集まる事が多かったですが、それでも樊振東選手から得点を稼いでいました。大きく踏み込んでおりスピードは勿論、ボールの威力は非常に高かったものと思われます。
全体を通して張本智和選手の方が攻撃力が優勢と感じる内容でしたが、ここですごいのが樊振東選手です。ミドルへのツッツキや距離をとったドライブで一撃で抜き去られない卓球に切り替えます。
樊振東選手にとっては一番得意なプレー位置では無いものの、それでもミスが少なく安定感あるプレーには脱帽です。張本智和選手が崩れたり、繋いだりした球のみ確実に決めていました。
今後、張本智和選手は樊振東選手に勝利するために、更に攻撃力を上げ樊振東選手が触れないボールを増やす事に加え、リスクを負いながらもミスを減らす工夫が必要になるでしょう。また、更にレベルアップしてくれる筈なのでどのように強くなるか注目です。
ここがすごい!樊振東、張本智和、両選手の光ったプレー、戦術はこちら
戦術をメインに紹介してきましたが、技術的にも両者光ったプレーがありました。ここからは、樊振東選手、張本智和選手、両者の光ったプレーを紹介していきます。
第二、第三の武器が強い、一つに拘らない点数の取り方!樊振東選手の光ったプレーはこちら!
今回の樊振東選手は正に世界チャンピオンに相応しいと言える強さでした。特に光っていたのが第二、第三の戦い方です。本来の樊振東選手は前陣でフィジカルを生かして威力ある球を打っていきますが、今回は張本智和選手のミスを誘う作戦に切り替えていました。
特に今回ポイントとなったのが、中陣でのドライブとミドルへのツッツキです。中陣からドライブする事で時間を稼ぎ、ノータッチする事が非常に少なかったです。加えて大きく鍵を握ったのがミドルへのツッツキです。
張本智和選手はカウンターが得意であるため、下手に攻めてしまうとボールを利用され振り回されてしまいます。そのため樊振東選手はあえて強打しにくいミドルへツッツキをして自身が先にカウンターしてからの展開を進める事にしているのです。
先に樊振東選手がカウンターしているため張本智和選手も少し下げられてしまい、リスクを負った攻撃の威力が少し下げられてしまいました。このようにあえて攻めさせるプレーを選択できるのが樊振東選手の強さと言えるでしょう。
バックハンドの鋭さ、威力あるフォアドライブが成長!張本智和選手の光ったプレーはこちら
張本智和選手の光ったプレーは、まさしく攻撃力の高い両ハンドです。バックハンドのストレート攻撃は勿論、威力あるフォアハンド攻撃は印象的でした。
近年は、後の先をとるカウンタープレーを意識しているのか、思い切って振り抜いてくるヨーロッパ選手の球に押されてしまい敗戦してしまう事が多いですが、アジア系の選手に対してはカウンタープレーが良く光り強さを発揮していました。
また、試合の中で成長を感じたのがフォア前のレシーブの処理です。以前までは逆横回転サーブを出されるとレシーブのパターンが少なく攻め手を欠いてしまう事が多かったですが、今回は一撃で抜くようなチキータを見せ樊振東選手のYGサーブを封じていました。
張本智和選手にとっては、一番の弱点とも言えるポイントが大きくレベルアップしていたので今後は更に攻撃力に磨きがかかるでしょう。次試合した時は勝つ事も夢ではないのでまた注目です。
まとめ:樊振東VS張本智和の試合動画
いかがでしたでしょうか。2021年に行われたWTTシンガポールの決勝、樊振東選手vs張本智和選手の対戦を紹介してきました。試合は、抜群の安定感を見せた樊振東選手が4-1で勝利する事となりました。
最後に一言だけ付け加えると、完璧に近いプレーヤーの樊振東選手に勝つためには樊振東選手を大きく崩す若しくは、樊振東選手を上回る武器が必要です。張本智和選手は研究もされているため崩す事は難しく上回る武器が必要ですが、近年では樊振東選手を上回る攻撃力があります。今後はその攻撃力をどう活かすかがポイントとなると思いますので注目して良くみてみましょう。