卓球王国である中国の次期エースと呼び声の高い樊振東選手、東京五輪のシングルスでも金メダル候補として期待されています。
年齢も若くまだまだ伸び盛りである事から日本選手にとって長く壁として立ちはだかる存在でしょう。
そんな樊振東選手とはどんな人物か、他にもプロフィールや世界ランキング、使用用具、プレーの特徴などを紹介していきます。
Contents
樊振東(ファンジェンドン)とは
樊振東選手は中国の次代を背負う選手です。英語だと「Fan Zhendong」で和名だと「ハンシントウ」と表記されます。
そんな樊振東とはどんな人物か詳しく紹介していきます。
- 次期中国のエース!中国トップ3の新星
- フィジカル世界No.1!攻撃範囲の広さはピカイチ
- 意外とぽっちゃり!?小胖(シャオパン/おデブちゃん)の愛称も
次期中国のエース!中国トップ3の新星
樊振東選手は次期中国のエースとも言われている選手で現在も中国TOP3の一人です。
その強さは目を見張るものがあり、若いジュニア世代の時には既に世界のトップ選手と戦えるだけの力を持っていました。
またリオ五輪直前には20歳にして既に世界ランキングは2位になっており代表権を獲得できるだけの実力は持っていました。しかし、その時はまだ若い事と経験不足である事から代表にはなっていません。
恐ろしい程力がある選手で、更にまだ24歳と年齢も若いのでこれからもまだまだ世界のトップで戦い続ける選手です。
フィジカル世界No.1!攻撃範囲の広さはピカイチ
すごい、と思わず口にしてしまう程、樊振東選手のフィジカルは強く、世界No.1とも言われています。
卓球でもフィジカルの強さはプレーに大きく影響し、特に樊振東選手はフィジカルの強さを活かして普通の選手なら強く打てず繋ぐ球もミスなく強く撃ち続ける事ができます。
そのため、樊振東選手の卓球は一試合を通して殆ど攻撃し続けており一方的に試合が終わってしまう事も度々あります。中国卓球の真髄とも言える卓球スタイルです。
意外とぽっちゃり!?小胖(シャオパン/おデブちゃん)の愛称も
実は、樊振東選手は中国国内では小胖(シャオパン)、つまりおデブちゃんとの愛称が付けられています。
現在は筋肉量が増えたので以前程では無いですがジュニア時代の時などは世界のトップ選手の中ではぽっちゃりしていました。現在も小胖の愛称は変わらないそうです。
現在も173cmで77kgなので他の選手と比べるとまだ体脂肪率は高いかもしれません。ですが、身体が重い分他の選手よりフィジカルが強く卓球にも生かされている点があるのがまた面白いところです。
樊振東(ファンジェンドン) プロフィール
プロフィール
戦型 | 右シェーク裏裏ドライブ型 |
身長 | 173cm |
体重 | 77kg |
年齢 | 24歳 |
生年月日 | 1997年1月22日 |
エピソード
- すごい!ジュニア世代から並外れた実力で最年少で世界選手権代表選出
- リオ五輪時点では既に中国エース級!しかし、若さから代表選出ならず
- 調子を落とす時期があるも実力は着実にアップ!東京五輪優勝の筆頭候補
すごい!ジュニア世代から並外れた実力で最年少で世界選手権代表選出
樊振東選手は中国の広東省広州市に生まれ、6歳から卓球を始めています。
11歳の時には名門の人民解放軍チームに入り、中学生の頃には中国ナショナルチームの2軍に入ります。同年の全中国選手権でベスト8進出し早くも1軍に昇格すると15歳にして世界ジュニア選手権で優勝を果たします。
すごい事に、その後の世界選手権パリ大会選考会での活躍も認められ樊振東選手は中国では最年少で世界選手権代表に選出されます。
本戦では、優勝した張継科選手に敗れてしまいましたがその後に行われた全中国運動会で張継科選手、許听選手と当時の中国TOP3の二人を破り決勝進出を果たしています。
リオ五輪時点では既に中国エース級!しかし、若さから代表選出ならず
その後も着実に力をつけた樊振東選手は中国の主要選手に育っていきました。世界選手権蘇州大会では丹羽孝希選手(日本)、ティモボル(ドイツ)選手を破りシングルスベスト4、周雨選手とのペアで出場したダブルスは準優勝と結果も残しています。
当時において樊振東選手はプロツアーで張継科選手や許听選手に勝利する事も多くなっており実質中国の2番手の実力があるという声も大きくなっていましたが若さと経験不足からリオ五輪の代表に選ばれる事はありませんでした。
調子を落とす時期があるも実力は着実にアップ!東京五輪優勝の筆頭候補
リオ五輪後の樊振東選手はまた一段と強くなり、新しく世界チャンピオンになった馬龍選手に肉薄する程の力がありました。
特に、2017年に行われた世界選手権デュッセルドルフ大会では許听選手とのペアでダブルス優勝し、シングルスも決勝まで進出し馬龍選手を3-4まで追い詰め実質世界のトップ2以上の力があることを示しました。
2018年からは将来を見越され団体戦でもエースとしての起用が増えていき東京五輪では金メダルに最も近い選手として注目されていました。
しかし、用具変更もあったからか2018年後半から2019の前半までのシーズンは海外選手に敗戦する事も増え調子を落とす時期もありました。世界選手権ハンガリー大会でも優勝候補でありながら梁靖崑選手(中国)に敗戦しベスト16で終わっています。
しかし、2019年後半になると復活しワールドカップ団体戦では再びエース起用され中国を優勝に導きました。コロナが緩和し再開されたワールドカップ個人戦でも決勝で馬龍選手を破り優勝しています。
まだまだ伸び盛りで、東京五輪シングルスでは最も金メダルに近い選手とも言えるので今後の動向にも目が離せません。
世界ランキング・成績
世界ランキング
世界ランキング1位(4月15日時点)
成績
2012年 | アジアジュニア選手権 | シングルス優勝 |
世界ジュニア選手権 | シングルス優勝 | |
2013年 | 全中国運動会 | シングルス準優勝 ダブルス優勝 団体優勝 |
2014年 | ユース五輪 | シングルス優勝 |
アジア競技大会 | シングルス準優勝 男子ダブルス準優勝 団体優勝 | |
2015年 | 世界選手権蘇州大会 | シングルス3位 ダブルス準優勝(周雨ペア) |
ジャパンオープン | シングルス3位 ダブルス準優勝 | |
アジア選手権 | シングルス優勝 ダブルス優勝 混合ダブルス優勝 団体優勝 | |
ポーランドオープン | シングルス優勝 | |
スウェーデンオープン | シングルス優勝 | |
グランドファイナル | シングルス準優勝 | |
2016年 | 世界選手権クアラルンプール | 団体優勝 |
2017年 | 世界選手権デュッセルドルフ大会 | シングルス準優勝 ダブルス優勝(許听ペア) |
2018年 | 世界選手権スウェーデン大会 | 団体優勝 |
アジアカップ | シングルス優勝 | |
2019年 | 世界選手権ブタペスト | 混合ダブルス3位(丁寧ペア) |
2021年 | ワールドカップ | シングルス優勝 |
使用用具
ラケット:アリレートカーボン(特注)
樊振東(ファンジェンドン) プレーの特徴
樊振東選手の力強い卓球スタイルは中国卓球を象徴としたようなスタイルで、更に時代の最先端の技術も取り入れて戦う最早無敵とも言える程のプレーを見せます。その中でも特に光っているプレーを紹介します。下記で林高遠選手の試合動画を紹介していますのでそちらもチェックしてみてください。
【試合動画解説】樊振東VS張本智和を紹介《WTTシンガポール》
- 次世代の最先端卓球!上から叩きつけるバックドライブ
- フォアサイドでもお構いなし!どこに出されても対応できるチキータ
- ここが一番すごい!どんな場所からでも質の高いボールを入れる繋ぎのドライブ
次世代の最先端卓球!上から叩きつけるバックドライブ
そうです、樊振東選手のプレーで特徴的なのは上から叩きつけるようなドライブです。通常の選手はドライブを下から上に向けドライブするので樊振東選手と試合すると上から攻撃され防戦一方になってしまいます。
高速卓球の中でも樊振東選手の卓球は更に一段階早い卓球と言えます。現状では真似しようとしても逆にミスが出てしまい真似できないスタイルです。
正に時代の最先端といえる卓球スタイルで技術の解明がされていけば多くの卓球選手は樊振東選手のようなスタイルになるでしょう。
フォアサイドでもお構いなし!どこに出されても対応できるチキータ
樊振東選手はラリーは勿論強いですが、チキータも現在では世界No.1レベルの技術力があります。
チキータの技術は、張継科選手が高いレベルに上げ世界で共通の技術にしましたが、樊振東選手はこのチキータを更に高いレベルに上げています。
樊振東選手のチキータの特徴は回転量よりとにかくスピードが速い事です。相手としてはいきなり強烈なドライブが来る印象を受けてしまいます。更にどのコースに出して先回りしてチキータする予測能力とミスしない技術力があります。
ここが一番すごい!どんな場所からでも質の高いボールを入れる繋ぎのドライブ
ここだけの話、樊振東選手は繋ぎのボールの技術が圧倒的に高いです。繋ぎと言っても他の選手にとっては攻撃的なボールで、相手選手はずっと攻められているような状態に陥ってしまいます。
繋ぎのボールを混ぜているため、超攻撃的な卓球の中でも樊振東選手のプレーにはミスが非常に少ないです。
樊振東選手の繋ぎのボールの質が高い理由はやはりフィジカルにあります。通常の選手は体勢が崩れかけた時に無理に強い球を打つと崩れてしまいミスしてしまいますが、樊振東選手は体勢を崩れかけた状態でも身体をしっかり使えるフィジカルがあるので高い質の球を返球できるのです。
世界No.1と言える程のフィジカルを持った樊振東選手だからこそのプレーかもしれませんが、身体の使い方は非常な上手なのでプレーの参考にしてみましょう。
まとめ:樊振東(ファンジェンドン)
いかがでしたでしょうか。樊振東選手について紹介していきました。樊振東とはこんな人物です。
- 次期中国のエース!中国トップ3の新星
- フィジカル世界No.1!攻撃範囲の広さはピカイチ
- 意外とぽっちゃり!?小胖(シャオパン/おデブちゃん)の愛称も
また、樊振東選手のプレーの特徴はこちらになります。
- 次世代の最先端卓球!上から叩きつけるバックドライブ
- フォアサイドでもお構いなし!どこに出されても対応できるチキータ
- ここが一番すごい!どんな場所からでも質の高いボールを入れる繋ぎのドライブ
最後に一言だけ付け加えますと、樊振東選手は潜在能力として非常に高く、将来世界チャンピオンになる可能性が非常に高い選手です。そして彼の技術は世界中の次の世代が参考にして取り入れていく事でしょう。今後の活躍も目が離せないです。