佐藤瞳選手は、日本一の実力を持つカットマンとして活躍する選手です。何本も何本も返球する粘りが武器で、中国選手にも勝利する程の実力を持っており世界選手権の代表として活躍しています。
そんな佐藤瞳選手とはどんな人物か、他にもプロフィールや世界ランキング、使用用具、プレーの特徴などを紹介していきます。
佐藤瞳とは
佐藤瞳とは、日本一の実力を持つカットマンで美しいフォームからの粘りを武器とした選手です。プロツアーでは中国人選手を倒した経験もあり世界選手権の代表経験もあります。
- フォームが美しいカットマン!粘り強さが武器で強敵を打ち崩す
- 中国選手の天敵!?世界チャンピオンにも勝利する程の実力
- シングルスだけではなくダブルスでも活躍!橋本帆乃香選手とのペアで世界選手権銅メダル!
フォームが美しいカットマン!粘り強さが武器で強敵を打ち崩す
そうです、佐藤瞳選手と言えばフォームがとても美しくミスの少ない選手です。
その粘りは世界No.1レベルで、リージェ選手(オランダ)との対戦では、1ラリーで10分13秒、766回のラリーを繰り広げました。
また、日本の加藤美優選手との試合では1試合で1時間38分にも渡る激戦を繰り広げています。
1ラリー、1試合どちらも最長の記録であり、この世界一の粘りで世界の波いる強豪を打ち崩します。
中国選手の天敵!?世界チャンピオンにも勝利する程の実力
佐藤瞳選手は中国選手に最も警戒されてる選手の一人です。
実は、海外のトップ選手と言えども中国の控え選手と同等のレベルであったり控え選手の方がレベルが高かったりします。
そのため、攻撃型の選手は鍛え上げられた体と技術を持つ中国人選手にとっては最も得意とされており中々上回る事はできません。
ここだけの話、佐藤瞳選手の場合は、攻撃ではなく守備、更に世界No.1の粘りを持つ選手なので中国人選手にとっては得意とする戦型ではありません。
そして、中国選手が使う粘着性のラバーにも秘密があり、このラバーは回転は掛けられますが飛距離が出ないため佐藤瞳選手の広い守備範囲を崩す事ができないのです。
過去には世界チャンピオンの丁寧選手を破った事もあり、今後も対中国人選手に対してとても期待できる選手です。
シングルスだけではなくダブルスでも活躍!橋本帆乃香選手とのペアで世界選手権銅メダル!
佐藤瞳選手の活躍はシングルスだけではなく、ダブルスでも活躍します。
同じカットマンの橋本帆乃香選手とのペアのダブルスはとても強く海外でも活躍しています。
アジア選手権や世界選手権ブタペスト大会では銅メダルも獲得しています。
日本、そして世界でも珍しいカットマン同士のダブルスは見るものを魅了させます。今後も活躍するダブルスペアなので目が離せません。
佐藤瞳 プロフィール
戦型 | 右シェーク裏粒カット主戦型 |
年齢 | 23歳 |
生年月日 | 1997年12月23日 |
身長 | 163cm |
体重 | 52kg |
エピソード
- 幼少期から名カットマンの指導を受ける!全中優勝で一気に頭角を表す
- 高校生にして既に視線は世界へ!ツアーで経験を積み実力を伸ばす
- ミキハウスに入社!プロとして実力を伸ばし中国が恐れる存在に
幼少期から名カットマンの指導を受ける!全中優勝で一気に頭角を表す
佐藤瞳選手は北海道函館市の出身で、小学2年生から地元の南茅部卓球少年団で卓球を始めています。
幼い頃からその真面目な性格からコツコツ努力を積み重ね小学6年生の時には全日本選手権ホープス(5,6年生)の部で準優勝を果たしています。
北海道にいた間は、かつて日本代表として戦ったカットマンの齋藤富美子さんの指導を受け練習に励んでいました。
そして、中学3年生になると全国中学卓球大会のシングルスで優勝し一気に頭角を表すようになります。
高校生にして既に視線は世界へ!ツアーで経験を積み実力を伸ばす
佐藤瞳選手は、実力のある選手としては珍しく、中学を卒業した後もそのまま北海道に残り実力を磨いていきました。
その結果、1年生にしてインターハイでは準優勝と信じられない記録を残します。
そして、その頃からは日本だけではなく世界ワールドツアーにも参加するようになり、活躍の場を広げていきます。
高校2年生になる頃には韓国オープンやスウェーデンオープンの21歳以下の部で優勝する程の力をつけていきました。
更に、全日本選手権シングルスベスト8とカット打ちのレベルが世界一高い日本のシニアの大会でも成績を残していくのでした。
ミキハウスに入社!プロとして実力を伸ばし中国が恐れる存在に
高校卒業後、佐藤瞳選手は地元北海道を離れ大阪のミキハウスに入社し力を磨きます。
環境が変わった事で功をなし、入社直後に行われたクロアチアオープンでは、リオ五輪に代表内定していた伊藤美誠選手や、リザーブに内定していた平野美宇選手を破りツアー初優勝を果たしています。
そして、全日本選手権のシングルスでも自身初のベスト4に進出し、世界選手権デュッセルドルフ大会の推薦枠で代表権を獲得しました。
世界選手権までに開催されたベラルーシオープンとタイオープンでも優勝を果たし万全の状態で世界選手権を迎えます。
世界選手権本戦では、3回戦で敗れてしまうも、その後行われたアジア選手権では橋本帆乃香選手とのペアでダブルス銅メダルに輝き、ダブルスでの活躍もしていくようになります。
そこからも地道に努力を重ね、2019年に佐藤瞳選手は大きく飛躍する事になります。
ツアーでの活躍により、世界選手権ブタペスト大会ではシングルス、ダブルス二種目に出場しています。なんと、シングルスベスト16、橋本帆乃香選手とのペアで出場したダブルスでは銅メダルに輝いています。
ですが、一言付け加えると、佐藤瞳選手の快進撃はこれに止まらず、同年の香港オープンでは、木子選手(中国)と元世界チャンピオンの丁寧選手(中国)を破っています。
その粘りを生かした卓球スタイルは、中国選手からも恐れられる存在になります。
現在は、コロナの影響によりツアーが少なく活躍の場も少ないですが、着実に努力を重ねている選手なので今後も活躍が期待されるでしょう。
世界ランキング及び成績
世界ランキング
世界ランキング18位(5月3日時点)
成績
2009年 | 全日本選手権 | ホープスの部準優勝 |
2012年 | 全国中学卓球大会 | シングルス優勝 |
2013年 | インターハイ | シングルス準優勝 |
アジアジュニア選手権 | ダブルス準優勝(加藤美優ペア) | |
2014年 | 韓国オープン | U-21シングルス優勝 |
スウェーデンオープン | U-21シングルス優勝 | |
世界ジュニア選手権 | 団体準優勝 | |
2015年 | ベラルーシオープン | U-21シングルス優勝 |
クロアチアオープン | U-21シングルス準優勝 | |
フィリピンオープン | U-21シングルス優勝 | |
オーストラリアオープン | U-21シングルス優勝 | |
ジャパンオープン | U-21シングルス優勝 | |
韓国オープン | ダブルス準優勝(早田ひなペア) | |
中国オープン | U-21シングルス優勝 | |
ポーランドオープン | U-21シングルス準優勝 | |
2016年 | クロアチアオープン | シングルス優勝 |
スロベニアオープン | U-21シングルス優勝 | |
オーストラリアオープン | ダブルス優勝(橋本帆乃香ペア) | |
ベラルーシオープン | ダブルス優勝(橋本帆乃香ペア) | |
オーストリアオープン | ダブルス優勝(橋本帆乃香ペア) | |
2017年 | ベラルーシオープン | シングルス優勝 |
タイオープン | シングルス優勝 ダブルス優勝(橋本帆乃香ペア) | |
世界選手権デュッセルドルフ大会 | シングルス出場 | |
スロベニアオープン | シングルス優勝 | |
クロアチアオープン | ダブルス優勝(橋本帆乃香ペア) | |
2019年 | 世界選手権ブタペスト大会 | ダブルス3位(橋本帆乃香ペア) |
ワールドカップ | 団体準優勝 | |
2020年 | オマーンオープン | シングルス優勝 ダブルス優勝(橋本帆乃香ペア) |
使用用具
公式サイト
佐藤瞳 プレーの特徴
佐藤瞳選手のプレーは一言で言うと、綺麗なフォームから繰り出されるカットを駆使した粘りが特徴的です。更に他の選手が使わない守備や攻撃も武器としています。
その佐藤瞳選手のプレーの中でも特に光ったプレーを紹介していきます。
- ここがすごい!ミドル攻撃にも完璧な対応できる!何本でも粘り続けるカット!
- 強打を拾える理由はこれ!鋭さを意識したツッツキ!
- カットマンでは珍しい!繋ぎ、強打そして、フォア、バック何でも対応できるドライブ攻撃
- 中国選手に有効!?普通のカットマンは使わないフィッシュとロビング
ここがすごい!ミドル攻撃にも完璧な対応できる!何本でも粘り続けるカット!
佐藤瞳選手と言えば、カットの安定感が凄いという事が誰から見ても分かると思いますが、その中でも特にすごいのがミドル(身体の中心)への対応です。
卓球では基本的にミドルへの攻撃は、最大の弱点とされています。ラケットをスイングする事が難しいためボールをコントロールできずにミスしてしまいます。
しかし、佐藤瞳選手の場合は、ミドルに打たれてもフォア、バックともにカットで返球する事ができます。実は、これには秘密があります。
一言だけ付け加えると、佐藤瞳選手はミドルへの球に対しては入れる事を優先し良い球で変えそうとはしていません。多少甘い球になったとしても守備範囲が広いので無理していないのでミスが少ないのです。
こうしたように、全ての球を良いカットで返そうとしないのが佐藤瞳選手の安定感を作り出しています。
強打を拾える理由はこれ!鋭さを意識したツッツキ!
佐藤瞳選手のプレーはカットに目が行きますが、実は、ツッツキがとても上手です。
佐藤瞳選手の場合は、変化で得点するよりも粘りで得点するタイプなのでツッツキも回転より低く速いといった鋭さが重視されています。
ツッツキが鋭いため相手が強打をしたとしても追いつく事ができ、自分の土俵へ引き摺り混む事ができるのです。
相手選手は打ち抜けないと、佐藤瞳選手を崩すために前後に揺さぶりますが、このツッツキが崩れないので彼女自身も崩す事ができないのです。
カットマンでは珍しい!繋ぎ、強打そして、フォア、バック何でも対応できるドライブ攻撃
佐藤瞳選手が近年世界でもより活躍するようになった要因は、攻撃の成長にあります。
佐藤瞳選手は、カットマンには珍しく攻撃の幅がとても広いです。基本的にはミスが少なく、繋ぎ気味のドライブや甘くなったら強打も打つ事ができます。
特に最近では、反転してバックドライブする攻撃も織り交ぜた事で相手選手は益々プレッシャーが大きくなりミスを誘われてしまいます。
この攻撃は、今後更にレベルが上がっていくであろう技術なので注目です。
中国選手に有効!?普通のカットマンは使わないフィッシュとロビング
ここだけの話、佐藤瞳選手が中国人選手を得意としている理由はフィッシュやロビングを使える事です。
通常カットマンは片面に粒高ラバーを貼っているためフィッシュやロビングが難しく、また入ったとしても打たれた球をカットする事が中々できません。
しかし、佐藤瞳選手の場合、カットが難しいと思ったらフィッシュやロビングに切り替える事でミスを減らしていきます。
そして、一言付け加えると、中国人選手は粘着性のラバーを貼っており、飛距離が出ないのでロビングを打ち抜く事ができないのです。
中国人選手は男子含め全般的にロビングを苦手としています。女子選手ではロビングする選手は非常に少なく対応も取れていないため佐藤瞳選手のロビングを打ち崩す事ができないのです。
まとめ:佐藤瞳
いかがでしたでしょうか。佐藤瞳選手について紹介してきました。佐藤瞳とはこのような人物です。
- フォームが美しいカットマン!粘り強さが武器で強敵を打ち崩す
- 中国選手の天敵!?世界チャンピオンにも勝利する程の実力
- シングルスだけではなくダブルスでも活躍!橋本帆乃香選手とのペアで世界選手権銅メダル!
また、佐藤瞳選手のプレーの特徴はこちらになります。
- ここがすごい!ミドル攻撃にも完璧な対応できる!何本でも粘り続けるカット!
- 強打を拾える理由はこれ!鋭さを意識したツッツキ!
- カットマンでは珍しい!繋ぎ、強打そして、フォア、バック何でも対応できるドライブ攻撃
- 中国選手に有効!?普通のカットマンは使わないフィッシュとロビング
最後に一言だけ付け加えると、佐藤瞳選手はTリーグにも参戦していないため日本人のファンにとっては若干馴染みの薄い選手かもしれません。
ですが、間違いなく実力のある選手で卓球王国の中国選手に対しての勝率も良い選手です。今後更にレベルアップし活躍する選手なので注目していきましょう。