オフチャロフ選手は、強国ドイツの2大エースの一人です。独特な卓球スタイルを武器にして世界ランキング1位にも輝いた事のある選手です。
この記事では、そんなオフチャロフ選手とはどんな人物か、他にもプロフィールや世界ランキング、使用用具、プレーの特徴などを紹介していきます。
Contents
オフチャロフとは(Ovtcharov)
オフチャロフとは、ロンドン五輪のシングルス同メダリストで、ティモボル選手と共にドイツの2大エースとして長く活躍を続ける選手です。
フルネームは、「ドミトリ オフチャロフ」、英語だと「Dimitrij Ovtcharov」と表記され「ディマ」の愛称で親しまれています。
- ドイツ2大エースの一人!ロンドン五輪シングルス銅メダリスト
- バックハンドの威力は世界No.1級!中国選手が最も警戒する選手の一人
- ボールを食べる!?世界のトップ選手ながら独特な要素が多い選手
ドイツ2大エースの一人!ロンドン五輪シングルス銅メダリスト
オフチャロフ選手は強国ドイツの主柱の一人で、ティモボル選手と共に2大エースとも言われています。
その実力は高く、ムラがある事から取りこぼしも若干ありますが爆発した時には中国人選手にも打ち勝つ程の実力を持っています。
オリンピックに向けての調整力も高くロンドン五輪ではシングルス銅メダルに輝いています。リオ五輪ではシングルスはメダルに輝かなかったものの団体戦では強さを発揮しチームを3位に導きました。
東京五輪直前になってまた一段と仕上がった様子を見せる選手なので本戦になった時にどのような活躍をするのか楽しみな選手でもあります。
バックハンドの威力は世界No.1級!中国選手が最も警戒する選手の一人
すごい事に、オフチャロフ選手のバックハンドは威力が世界No.1級で卓球王国の中国の選手も相当に警戒しています。
オフチャロフ選手の優れたところはヨーロッパ特有の大柄な体格をしていて体幹も強いので相当な威力のボールを休みなく何度も打ち込む事ができるのです。
また、卓球台から離れて劣勢になったところからでも一気に盛り返せるので相手選手は常に警戒し続けなければなりません。それ程凄いバックハンドを持ちます。
ボールを食べる!?世界のトップ選手ながら独特な要素が多い選手
オフチャロフ選手は独特な要素が多い選手で、度々卓球ファンの間では話題になります。
特に試合でボールが割れて新品のボールを出した時にパクッと口に入れた時はびっくりしました。新品のボールは粉が付いており打感に関わるのでそれを取り払うためだと思いますが驚く瞬間の一つです。
また、独特なのはプレーにも現れており特にサーブは特徴的です。最も真似しやすい選手では無いかと思うぐらい特徴的なのでそう言った部分も相まって親しまれています。
他にも打球する時の声など特徴的な部分はまだまだ沢山あるのでその部分に注目するとよりオフチャロフ選手の試合を楽しめるかもしれません。
オフチャロフ(Ovtcharov) プロフィール
戦型 | 右シェーク裏裏ドライブ型 |
年齢 | 32歳 |
生年月日 | 1988年9月2日 |
身長 | 186cm |
エピソード
- 決して天才では無かった幼少期!努力で駆け上がる
- 努力が身を結び一気にレベルアップ!ロンドン五輪ではシングルス銅メダル獲得
- 成熟しワールドカップ初優勝!世界ランキング1位獲得
決して天才では無かった幼少期!努力で駆け上がる
オフチャロフ選手はドイツの卓球プレーヤーですが、出身はウクライナのキエフとなっています。
卓球はドイツで練習しており、カデット(中学)から既に活躍をしていました。しかし、当時は特別な天才肌の選手では無く、努力家な選手という印象の方が強い選手でした。
ですが、その努力が凄まじく、世界ジュニア選手権は松平健太選手に敗北するも3位入賞を果たしています。
翌年には世界選手権ザグレブ大会のドイツ代表としてシニアにも参戦し始めます。
オフチャロフ選手はここぞというタイミング、特に五輪の時に強く、直前の世界選手権で大敗北を喫した韓陽選手(日本)に、北京五輪でリベンジしドイツチームを銀メダルまで導いた実績もあります。
努力が身を結び一気にレベルアップ!ロンドン五輪ではシングルス銅メダル獲得
オフチャロフ選手はシニアの大会に出場し着実に実力をアップさせていきました。
特にロンドン五輪の年には大きくレベルアップし、直前に行われた世界選手権ドルトムント大会の団体では今まで敗戦続きだった当時世界ランキングTOP10に入っていた水谷隼選手(日本)を倒しドイツチームを決勝に導きました。
また、ロンドン五輪ではドイツチームのエースティモボル選手が思わぬ敗戦をしてしまう重圧の中シングルスでメイス選手、荘智淵(台湾)に勝利しシングルス銅メダルを獲得しました。
これまでオフチャロフ選手ドイツの絶対的エースティモボル選手の陰に隠れた2番手という立ち位置でしたが、この大会によって一気にエース格になったのです。
成熟しワールドカップ初優勝!世界ランキング1位獲得
近年では、年齢もベテラン選手の域に差し掛かっていき益々成熟した選手になってきています。
リオ五輪では、準々決勝でサムソノフ選手に敗れ個人のメダル獲得には至りませんでしたが団体戦では強さを発揮しドイツチームを銅メダル獲得に導きました。
また、2017年のワールドカップでは、馬龍選手(中国)を倒したティモボル選手に打ち勝ち初優勝しました。直後には世界ランキング1位となり、正に努力によって世界一まで登りつめた瞬間でした。
近年では、バタフライと契約しラバーを新調した事で更に力を付けています。五輪では大きな力を発揮する選手なので本戦の活躍も楽しみです。
世界ランキング及び成績
世界ランキング
世界ランキング9位(4月21日時点)
成績
2002年 | ヨーロッパユース選手権 | カデットの部シングルス準優勝 |
2003年 | ヨーロッパユース選手権 | カデットの部ダブルス準優勝 |
2005年 | ヨーロッパユース選手権 | ジュニアの部シングルス優勝 |
2006年 | 世界ジュニア選手権 | シングルスベスト4 |
2007年 | ヨーロッパ選手権 | シングルスベスト4 |
世界選手権ザグレブ大会 | シングルス出場 | |
2008年 | 世界選手権広州大会 | 団体ベスト8 |
北京オリンピック | 団体準優勝 | |
2009年 | 世界選手権横浜大会 | シングルス出場 |
2010年 | 世界選手権モスクワ大会 | 団体準優勝 |
2011年 | 世界選手権ロッテルダム大会 | シングルス出場 |
2012年 | 世界選手権ドルトムント大会 | 団体準優勝 |
ロンドンオリンピック | シングルス3位 団体3位 | |
2013年 | 世界選手権パリ大会 | シングルス出場 |
ヨーロッパ選手権 | シングルス優勝 | |
2014年 | 世界選手権東京大会 | 団体準優勝 |
2015年 | 世界選手権蘇州大会 | シングルス出場 |
2016年 | リオデジャネイロオリンピック | シングルスベスト8 団体3位 |
2017年 | ワールドカップ | シングルス優勝 |
世界選手権デュッセルドルフ大会 | シングルス出場 | |
2018年 | 世界選手権ハルムスタッド大会 | 団体準優勝 |
2019年 | ヨーロッパトップ16 | シングルス優勝 |
2021年 | WTTコンテンダー ドーハ大会 | シングルス優勝 |
使用用具
ラケット:オフチャロフインナーフォースALC
ラバー(表面):ディグニクス09c
ラバー(裏面):ディグニクス05
オフチャロフ(Ovtcharov) プレーの特徴
オフチャロフ選手のプレーは世界一独特なサーブ、そして力強い両ハンドが武器の選手です。こちらでは、その中でも特に光っているプレーの特徴を紹介していきます。
- 世界一独特!?変幻自在のサーブの数々
- どこからでも一撃必殺球!世界No.1とも言えるバックハンド
- 実はすごい!苦手を補いつつも強力な武器となっているバックツッツキ
世界一独特!?変幻自在のサーブの数々
そうです、オフチャロフ選手と言えば独特なサーブが特徴的です。
特に代名詞とも言えるバックサーブとしゃがみ込みサーブは非常に強力なサーブでオフチャロフ選手の卓球を支える大きな武器となっています。
バックサーブは独特ですが理にかなっており、真ん中から少しフォア寄りからサーブを出す事で得意なバックサイドの方に球を誘い出す仕組みになっています。また、フォアを打つにしても既にフォアサイドにいるため十分な体勢で打つ事ができるのです。
しゃがみ込みサーブも同様で、少しフォア寄りから出します。しゃがみ込みサーブの場合は下回転が相当に切れているので相手はネットミスしないようにするのに手一杯となってしまいます。
このようにフォアサイドから出すサーブはオフチャロフ選手のようにバックハンドに特化している選手にとっては非常に良い戦術となります。
どこからでも一撃必殺球!世界No.1とも言えるバックハンド
信じられない程の威力を放つ、バックドライブはオフチャロフ選手にとって一番の武器です。
オフチャロフ選手のバックドライブをする時ボールの外側を捉えるのが特徴的です。現代では内側を捉える選手が多いのでバックハンドの特徴としては大きいと思います。
外側で球を捉える意味はタイミングは少し遅くなってしまいますがその分フルスイングしやすく一球一球が高い質の球になりやすいです。
オフチャロフ選手のように広いプレー領域で戦う選手にとって、外側を捉えるバックドライブは非常に理にかなった技術なので参考にしましょう。
実はすごい!苦手を補いつつも強力な武器となっているバックツッツキ
オフチャロフ選手は全体的にバックの技術の方が優れており、ややフォアの技術には苦手意識を持っている選手です。
特にフォアの台上処理は唯一の弱点とも言われており、相手選手はとにかくその弱点を突こうとします。
ですが、そこで実はすごいのが、バックツッツキなのです。オフチャロフ選手の場合フォアサイドまでバックハンドでツッツキする事ができます。
稀にフォアサイドの球をバックで処理する選手はいますが大抵はチキータの処理しかできません。下回転を出されると途端に崩れてしまうのです。
一方、オフチャロフ選手の場合はチキータもできてツッツキもできます。更にツッツキが鋭く回転量が多いため強力な武器になっているのです。
弱点を持ちながらも世界のトップ選手になれるのはこうした弱点を補う強力な技術があるからです。
まとめ:オフチャロフ(Ovtcharov)
いかがでしたでしょうか。オフチャロフ選手について紹介してきました。オフチャロフとはこんな人物です。
- ドイツ2大エースの一人!ロンドン五輪シングルス銅メダリスト
- バックハンドの威力は世界No.1級!中国選手が最も警戒する選手の一人
- ボールを食べる!?世界のトップ選手ながら独特な要素が多い選手
また、オフチャロフ選手のプレーの特徴はこちらです。
- 世界一独特!?変幻自在のサーブの数々
- どこからでも一撃必殺球!世界No.1とも言えるバックハンド
- 実はすごい!苦手を補いつつも強力な武器となっているバックツッツキ
最後に一言だけ付け加えますと、オフチャロフ選手は、オリンピックの時には驚く強くなっておりびっくりする実績を残しています。東京五輪でも間違いなく活躍する選手だと思うので目が離せません。