丁寧選手は世界選手権、オリンピックなど世界チャンピオンに何度も輝いた選手です。そして強さだけではなく人柄も良いことから尊敬される事も多く、女子卓球界ではレジェンド的な選手です。
この記事では、そんな丁寧選手とはどんな人物か、他にもプロフィールや世界ランキング、使用用具、プレーの特徴などを紹介していきます。
丁寧(ディンニン)とは
丁寧とは、一言で言うと卓球の選手としてパーフェクトと言える選手です。強さ、気取る事のない性格は全ての卓球選手の見本となるような選手です。英語だと「DingNing」、和名だと「テイネイ」と表記されます。
丁寧選手について詳しくは下記にて紹介しております。
- 中国女子のレジェンド選手!女子史上4人目の大満貫達成者
- 実は、泥臭い卓球プレーヤー!勝利への執念で何本でも返し続ける卓球スタイル
- 本人は可愛いと言われたい!?中国ではイケメンと話題の大人気選手
中国女子のレジェンド選手!女子史上4人目の大満貫達成者
丁寧選手は、卓球界でレジェンドのような存在です。と、いうのも女子選手史上4人目の大満貫(五輪、世界選手権、ワールドカップ全て制した称号)を獲得しています。
すごい事に、大満貫を達成しただけではなく、世界選手権のシングルスも歴代最多タイの3回優勝を果たしています。
丁寧選手はとにかくここぞという時の勝負強さはピカイチで、世界選手権蘇州大会のシングルス決勝では最終ゲームに足首を痛めながらも勝ちきり優勝を果たしました。
曖昧なので正確ではありませんが、重要度の高い国際大会では最多優勝している選手ではないでしょうか。それぐらい勝負強さが光る選手です。
実は、泥臭い卓球プレーヤー!勝利への執念で何本でも返し続ける卓球スタイル
実は、丁寧選手卓球のスタイルは以外と泥臭さがあります。他の中国人選手と比べると体勢が崩れながらも返球するシーンも多く男性的なスタイルの卓球選手です。
ですが、この泥臭さが彼女にとって非常に武器になっており重要なポイントになればなる程勝利への執念からかどんな体勢でも返球し続け相手のミスを誘うのです。
大原則である、ミスしないで台入れるという事を卓球界の女王が実践しているというのがまた女性ながらカッコよくそして女王たる所以なのだと思い知らされます。
本人は可愛いと言われたい!?中国ではイケメンと話題の大人気選手
丁寧選手は国内、国外問わず女性ながらイケメンな選手として話題になる事が度々あります。ですが、ここだけの話、本人は可愛いと言ってもらう方が嬉しいそうです。
クールな外見で試合では闘志を前面に剥き出しながら戦うためカッコいいという卓球ファンも多いのですがそんな一面とは裏腹にとても女性らしい一面もあります。
世界卓球の際、女子トイレに入ろうとしたところ警備員に男性と間違われる止められるもその場では怒る事なく後に部屋で泣いていたというエピソードもあります。部屋で泣いていたというのが丁寧選手の可愛らしさを物語っています。
丁寧選手はそのクールな容姿から人気がありますが、人気の理由は容姿だけではなくサービス精神に物凄く富んでいる事も要因となっています。
女王ながら表彰台では自ら声を掛け歩み寄る事も多々あります。ロンドン五輪の表彰台では石川佳純選手に自ら歩み寄り双方笑顔で終えるという平和の祭典に相応しい表彰台になりました。
とても大事な事ですが、当時卓球女王であった彼女が気取る事もなく振る舞う事で世界チャンピオンの格式がまた一段と高くなりました。丁寧選手が世界中から尊敬される選手である所以です。
丁寧(ディンニン) プロフィール
プロフィール
戦型 | 左シェーク裏裏ドライブ型 |
年齢 | 30歳 |
生年月日 | 1990年6月20日 |
身長 | 172cm |
エピソード
- スポーツ一家に生まれ、幼少期から期待される!世界ジュニア選手権は3冠達成!
- 活躍を認められ中国代表を背負うも団体9連覇を逃す!悔しさをバネに翌年に世界チャンピオンへ
- ロンドン五輪は涙の敗北するも奮起しそこから大きく実力アップ!リオ五輪を制覇し大満貫達成!
スポーツ一家に生まれ、幼少期から期待される!世界ジュニア選手権は3冠達成!
実は、丁寧選手は父親がスピードスケート選手、母親がバスケットボール選手とスポーツ一家に生まれました。
その素質からか10歳の頃にスカウトされ北京市のチームに参加しました。
素質があり努力家でもあった丁寧選手は早くも頭角を現し2005年に行われた世界ジュニア選手権では、シングルス、ダブルス、団体を制し3冠を達成しています。
実力が認められた丁寧選手は2007年の世界選手権ザグレブ大会に出場し、翌年の世界選手権広州大会は代表落ちするも2009年の世界選手権横浜大会からは現在に至るまで代表選手として活躍しています。
活躍を認められ中国代表を背負うも団体9連覇を逃す!悔しさをバネに翌年に世界チャンピオンへ
実力をつけた丁寧選手はいよいよ世界選手権モスクワ大会で団体戦も初出場します。この世界選手権モスクワ大会は当時絶対的王者であった張怡寧選手と2番手だった郭躍選手が双方欠場していました。
そのため、丁寧選手は団体戦初出場ながら主力選手として起用されており、プレッシャーは計り知れません。そして、悲劇が起きます。
当時、世界選手権団体戦を8連覇し9連覇を狙った中国女子チームでしたが決勝で丁寧選手、劉詩文選手共に敗戦し団体もシンガポールに敗戦し連覇を逃してしまいました。
経験不足ながら中国中の期待を背負って戦った彼女の重圧は相当なものだったのでしょう。しかし、この経験によって苦しみ苦しみ抜いた事で丁寧選手は大きく飛躍する事になります。
翌年の世界選手権ロッテルダム大会は決勝で李暁霞選手(中国)を破り女子シングルス優勝を果たし初めての世界チャンピオンの称号を手にします。
ロンドン五輪は涙の敗北するも奮起しそこから大きく実力アップ!リオ五輪を制覇し大満貫達成!
ロッテルダム大会で優勝した丁寧選手は翌年の世界選手権ドルトムント大会でも雪辱を果たし中国を団体優勝に導きます。
そして、ロンドン五輪のシングルス、団体の代表となりました。しかし、またしてもこのロンドン五輪で丁寧選手に悲劇が起こります。
ロンドン五輪本戦ではシングルスも順調に決勝まで進みロッテルダム大会で勝利した李暁霞選手(中国)と再び対戦する事になります。しかし、この試合ではフォルト3回、遅延行為をしたとしてイエローカードなど不運なジャッジが続きます。
更には不運が続き流した涙を拭おうとした丁寧選手に対してタオリングの時間外でタオルを使ったとしてイエローカードを再びもらうという事態になりました。結果も敗戦してしまいます。
そんな彼女にとって悲しい筈のロンドン五輪の表彰台では日本選手に自ら声をかけて歩み寄ったというエピソードもあり丁寧選手の懐の大きさを示していると思います。
辛い経験をした丁寧選手ですが、そのままでは終わりませんでした。再び奮起し着実に実力をつけていき世界選手権パリ大会は決勝で敗戦するも世界選手権蘇州大会では再びシングルス優勝しました。
この時は、最終ゲームで足首を怪我しながらも優勝という事だったので過去の辛い経験から勝利の執念が一段と強くなった丁寧選手を世界中が目の当たりにしました。
その勢いのまま迎えたリオ五輪では、ロンドン五輪と同じ決勝カードであった李暁霞選手(中国)を決勝で破り優勝を果たしました。史上4人目の大満貫も達成し丁寧選手が本当に報われた瞬間だったと思います。
中国の大黒柱のような存在に!近年ではコーチングも!?
リオ五輪を終えた丁寧選手は、その強さ、そして人格から中国の大黒柱のような選手になっていきました。
絶対に負けないという執念も健在で世界選手権デュッセルドルフ大会でもシングルス優勝し2連覇、史上最多タイの3回優勝も果たしています。
東京五輪を直前に控えた現在では、全盛期のようなキレは失われつつありますがベテランならではの戦い方をこれからも見せてくれるでしょう。
近年では中国国内でコーチングをする姿も見受けられ、コーチとしての活動に段々とシフトしていくのかもしれません。選手とコーチどちらも今後の活動が楽しみです。
世界ランキング及び成績
世界ランキング
世界ランキング5位(4月19日時点)
成績
2009年 | 世界選手権横浜大会 | ダブルス準優勝(郭炎ペア) |
アジア選手権 | シングルス優勝 ダブルス優勝 混合ダブルス準優勝 団体優勝 | |
グランドファイナル | シングルス準優勝 ダブルス優勝 | |
2010年 | 世界選手権モスクワ大会 | 団体準優勝 |
2011年 | 世界選手権ロッテルダム大会 | シングルス優勝 ダブルス準優勝 |
ワールドカップ | シングルス優勝 団体優勝 | |
2012年 | 世界選手権ドルトムント大会 | 団体優勝 |
ロンドンオリンピック | シングルス準優勝 団体優勝 | |
グランドファイナル | シングルス準優勝 | |
アジア選手権 | シングルス3位 ダブルス優勝 団体優勝 | |
2013年 | 世界選手権パリ大会 | シングルス3位 ダブルス準優勝 |
ワールドカップ | 団体優勝 | |
グランドファイナル | シングルス準優勝 ダブルス優勝 | |
アジア選手権 | シングルス準優勝 ダブルス準優勝 団体優勝 | |
2014年 | 世界選手権東京大会 | 団体優勝 |
ワールドカップ | シングルス優勝 | |
2015年 | 世界選手権蘇州大会 | シングルス優勝 ダブルス準優勝 |
グランドファイナル | シングルス優勝 ダブルス優勝 | |
2016年 | 世界選手権クアラルンプール大会 | 団体優勝 |
リオデジャネイロオリンピック | シングルス優勝 団体優勝 | |
2017年 | 世界選手権デュッセルドルフ大会 | シングルス優勝 ダブルス優勝(劉詩文ペア) |
アジア選手権 | 団体優勝 | |
2018年 | 世界選手権ハルムスタッド大会 | 団体優勝 |
2019年 | 世界選手権ブタペスト大会 | シングルス3位 混合ダブルス3位(樊振東ペア) |
使用用具
ラケット:エバンホルツ NCT Ⅴ
丁寧(ディンニン) プレーの特徴
世界チャンピオンに何度も輝いた丁寧選手ですが、プレーの特徴として他の選手よりミスしません。しかし、ただミス市内だけではなく、秘密があります。
下記では丁寧選手のプレーの中でも特に光ったプレーを紹介します。
- 弱点がない!?長身のボディーワークを生かしたフォアドライブ
- 実は中国一泥臭い!どんな体勢でも入れる事が入れる事ができるバックハンド
- 世界一になった理由はこれ!代名詞のしゃがみ込みサーブ!
弱点がない!?長身のボディーワークを生かしたフォアドライブ
そうです、丁寧選手の武器と言えば長身を生かした威力のあるフォアドライブです。しなやかさも持ち合わせているので何本でも連打する事ができます。
ですが、一言だけ付け加えますと、丁寧選手のフォアドライブには他の選手より圧倒的に優っている部分があります。それはボディーワークです。
通常、長身の選手はミドル、つまり身体の中心に球を返されると威力ある球を打つ事ができません。しかし、丁寧選手は身体の強さと柔らかさもあるのか通常の選手よりボディーワークの使い方が上手く威力が落ちる事がありません。
簡単に言うと外の揺さぶりにも強く、ミドルの球でも崩れないので相手選手は弱点が無いような印象に陥ってしまうのです。
実は中国一泥臭い!どんな体勢でも入れる事が入れる事ができるバックハンド
実は、丁寧選手のプレーはしなやかさだけではなく泥臭さもあります。泥臭さと聞くとあまり印象良くないかもしれませんが卓球ではとても大事な要素で彼女が世界チャンピオンになってる要因でもあると思います。
特にバックハンドの泥臭さが光っています。丁寧選手は他の選手に比べてバックハンドの強打が得意では無いので相手よりも1本多く返し続けるのが他の選手に勝るための方法だったのでしょう。
泥臭く返す球が少しいやらしさも残すので相手もミスしてしまうのです。正しく1球1球に勝利の執念を感じるプレーをするのでその部分が結果に繋がっているのだと思います。
世界一になった理由はこれ!代名詞のしゃがみ込みサーブ!
丁寧選手が世界一になれた要因は複数ありますが、その中でも彼女が出すしゃがみ込みサーブの要因はとても大きいでしょう。
丁寧選手はラリーだと誰よりも強い攻撃力を持っているというよりは人よりミスが少なく多く返球していくスタイルなので精度は高いですが特徴としてはやや小さいように感じます。
しかし、世界でも出すのが稀であるしゃがみ込みサーブが大きく異彩を放っているのでミスをしないラリーが更に上手く働くようになるのです。
当の、丁寧選手のしゃがみ込みサーブは、強い回転量に加えフォア面とバック面どちらでも出せるので寸前まで相手選手はどちらが来るか分からずに良いレシーブをする事ができないサーブになっています。
まとめ:丁寧(ディンニン)
いかがでしたでしょうか。丁寧選手について紹介してきました。丁寧とはこんな人物です。
- 中国女子のレジェンド選手!女子史上4人目の大満貫達成者
- 実は、泥臭い卓球プレーヤー!勝利への執念で何本でも返し続ける卓球スタイル
- 本人は可愛いと言われたい!?中国ではイケメンと話題の大人気選手
また、丁寧選手のプレーの特徴はこちらです。
- 弱点がない!?長身のボディーワークを生かしたフォアドライブ
- 実は中国一泥臭い!どんな体勢でも入れる事が入れる事ができるバックハンド
- 世界一になった理由はこれ!代名詞のしゃがみ込みサーブ!
最後に一言だけ付け加えますと、丁寧選手は実力、人間性どちらも非常に優れたプロフェッショナルな選手です。今後は選手としては勿論ですがコーチとして活躍する可能性もあるので益々目が離せません。