日本選手にとっては、最大の強敵である中国。その中国の中でも特に強く、そして絶大な信頼を置かれている選手が馬龍(マロン)選手です。
世界No.1との呼び声も高い馬龍選手とはどんな人物か、他にもプロフィールや世界ランキング、使用用具、プレーの特徴などを紹介していきます。
馬龍(マロン)とは
馬龍とは一言で言うと世界No.1プレーヤーです。卓球のレベルが歴代でもNo.1だと呼び声が高い事に加え、人間性も優れた選手で世界中の選手に尊敬の念を抱かれています。
そんな馬龍とはどんな人物か下記で詳しく紹介します。
- 最も団体戦に強い男!世界選手権団体は2大会連続で1ゲームも落とさずに勝利
- 世界No.1プレーヤー!卓球ファンの多くが尊敬するプロフェッショナルな選手
- 精神面以外は弱点無し!近年ではメンタルも強くなり正に無敵といえる選手
- 実は、パワーだけじゃない頭脳派プレーヤー!時代に遅れをとらず中国卓球を長く支える
最も団体戦に強い男!世界選手権団体は2大会連続で1ゲームも落とさずに勝利
馬龍選手のすごい部分は沢山ありますが、その中でも特に凄いのは団体戦の強さです。団体戦は各国が特に力を入れる種目で馬龍選手に勝つため世界のトップ選手が研究し対策を練っています。
そんな中で迎えた2012年の世界選手権ドルトムント大会と2014年の世界選手権東京大会はまさかの、1ゲームも落とさずの優勝。
信じられない結果に言葉を失います。また、馬龍選手は2010年の世界選手権モスクワ大会以来世界選手権の団体戦では殆どフル出場にも関わらず負けた事はありません。本当に恐ろしい選手です。
世界No.1プレーヤー!卓球ファンの多くが尊敬するプロフェッショナルな選手
卓球界のNo.1プレーヤーは誰か。そう聞かれた時に馬龍選手だと言う方は非常に多いです。
馬龍選手は世界選手権の個人戦を3連覇しており長い期間圧倒的な強さを誇りチャンピオンでい続けているためNo.1と選ばれる事が多いです。
また、No.1と言われる理由は強さだけではなく人間性にもあるとされています。圧倒的な強さを持ちながらもファンや他の選手への対応も良く多くの選手に尊敬されています。全てを含めてでもプロフェッショナルと言える選手です。
精神面以外は弱点無し!近年ではメンタルも強くなり正に無敵といえる選手
馬龍選手のプレーは後に詳しく記載しますが、とにかく弱点がありません。そのため、殆どの選手が馬龍選手を崩す事が出来ないのです。
しかし、そんな馬龍選手も前までは精神面の弱さからチャンピオンになれなかったとよく言われています。中国選手は特に国の環境もあり精神面が強い選手が多いのでいつもあと一歩の所で負けてしまっていました。
ですが、精神面が弱いと言われていたのも過去の話で世界選手権の個人戦で優勝してからは安定し益々弱点が無くなっていきました。彼に勝つには彼の技術を大きく上回る武器が無ければ勝つ事はできません。
実は、パワーだけじゃない頭脳派プレーヤー!時代に遅れをとらず中国卓球を長く支える
馬龍選手は体格も良く大柄である事からパワープレーヤーとの印象を持つ方も多いと思います。しかし、実際はパワーがあるのは勿論の事ですがパワーだけでなく頭脳を生かしたプレーができるのが彼の武器です。
馬龍選手の負けが少ない理由もこの頭脳派プレーにやるところが大きく、対戦相手の弱点を炙り出し突く事にだけています。馬龍選手が中国外で2度以上負けた選手はボル選手(ドイツ)、張本智和選手、林昀儒選手(台湾)の3名のみと脅威的です。
時代に遅れをとらず常に世界のトップでプレーし続ける事ができるのも時代毎に必要な卓球を適切に取り入れる事ができているからであり、頭脳派である事を証明しています。
馬龍(マロン) プロフィール
プロフィール
戦型 | 右シェーク裏裏ドライブ型 |
身長 | 176cm |
体重 | 70kg |
年齢 | 32歳 |
生年月日 | 1988年10月20日 |
エピソード
- ジュニアから活躍するも世界選手権個人は3大会連続で王晧に敗北しタイトルは取れず
- メンタル克服!?大満貫達成し無敵の選手に
- 若手の台頭、故障に苦しむも史上3人目の世界選手権個人3連覇達成
ジュニアから活躍するも世界選手権個人は3大会連続で王晧に敗北しタイトルは取れず
馬龍選手は遼寧省鞍山市にて生まれ卓球を始めました。その才能からか表舞台に立つのも早く高校生の時にはアジアジュニア選手権、世界ジュニア選手権を制し注目を集めていました。
すごいのは、ジュニアの時点で既に世界選手権ブレーメン大会の団体メンバーとして選出されていた事です。当時、中国は王励勤、馬琳、王晧と絶対的なエースが3人いたので代表争いは非常に厳しくジュニア世代の選手が代表になる事は考えられない事でした。
しかし、若くして活躍し同世代の先頭を走っていた馬龍選手てすが、その後の世界選手権の代表としても選出されるも精神面の弱さからか中々世界選手権のタイトルを取る事ができませんでした。
世界選手権の個人戦は、横浜、ロッテルダム、パリと3大会全て王晧選手に敗れておりそこでチャンスを掴み取った1歳上の先輩、張継科選手が大満貫(W杯、世界選手権、オリンピック全て制覇)を達成するなど完全に先を越されてしまいます。
メンタル克服!?大満貫達成し無敵の選手に
技術レベルはトップレベルで対外的に負ける事は少なかった馬龍選手はメンタルの弱さからあと一歩のところを逃してきました。
しかし、そんな馬龍選手が転機となった試合があります。2015年に行われた世界選手権蘇州大会です。この大会は中国の自国開催であり年齢も27歳と一番充実しているタイミングで何としてもチャンピオンの座をものにしたい大会でした。
大会では当時注目選手であった許听選手や張継科選手が、同じく中国である方博選手に敗れるという波乱があり、馬龍選手にとっては最大のチャンスが訪れました。
結果は、4-1と快勝といえる内容で勝利し世界チャンピオンの座を手にしました。優勝の瞬間普段は温厚として知られる馬龍選手が台の上に乗るパフォーマンスを見せ吠える姿から大会への勝利の執念を感じました。
優勝した馬龍選手は以前までのメンタルの崩れも無くなっていき翌年に迎えたリオ五輪では圧倒的、最早無敵とも言える強さで優勝し張継科に続く大満貫を達成しました。
若手の台頭、故障に苦しむも史上3人目の世界選手権個人3連覇達成
大満貫を達成した馬龍選手は更に一段と強くなり2017年の世界選手権デュッセルドルフ大会でも優勝し連覇を果たしたことで、ますます手がつけられない選手となっていきました。
しかし、そんな馬龍選手でも警戒せざるを得ない対象が現れます。若手の台頭です。特に樊振東選手(中国)、張本智和選手(日本)、林昀儒選手(台湾)の成長は目まぐるしく馬龍選手を苦しませました。
更に馬龍選手の年齢も30代になった事で怪我や故障も増えてきました。特に膝の故障は重症であり2018年の後半からはワールドツアーも棄権し参加しない期間が続いていました。
信じられないですが、馬龍選手はそんな困難も関係ないと言えるような活躍をします。復帰したカタールオープンでは若手の林高遠選手(中国)を破り優勝。
更には、直後に行われた世界選手権ブタペスト大会でも力を発揮し優勝しました。故障からの復帰早々で調整が難しかった筈ですがそのような状況の中でも優勝する馬龍選手には脱帽せざるを得ないです。
世界ランキング及び成績
世界ランキング
世界ランキング3位(2021年4月12日時点)
成績
2004年 | アジアジュニア選手権 | シングルス優勝 |
世界ジュニア選手権 | シングルス優勝 | |
2006年 | 世界選手権ブレーメン大会 | 団体優勝 |
グランドファイナル | 男子ダブルス優勝(郝帥ペア) | |
2007年 | 世界選手権ザグレブ大会 | シングルスベスト16 |
2008年 | 世界選手権広州大会 | 団体優勝 |
グランドファイナル | シングルス優勝 | |
2009年 | 世界選手権横浜大会 | シングルス3位 ダブルス準優勝(許听ペア) |
アジア選手権 | シングルス優勝 ダブルス優勝(許听ペア) | |
グランドファイナル | シングルス優勝 | |
2010年 | 世界選手権モスクワ大会 | 団体優勝 |
アジア競技大会 | シングルス優勝 | |
2011年 | 世界選手権ロッテルダム大会 | シングルス3位 ダブルス優勝(許听ペア) |
グランドファイナル | シングルス優勝 | |
全中国卓球選手権 | シングルス優勝 | |
2012年 | 世界選手権ドルトムント大会 | 団体優勝 |
ロンドンオリンピック | 団体優勝 | |
2013年 | 世界選手権パリ大会 | シングルス3位 |
2014年 | アジアカップ | シングルス優勝 |
世界選手権東京大会 | 団体優勝 | |
2015年 | 世界選手権蘇州大会 | シングルス優勝 |
ワールドカップ | シングルス優勝 | |
2016年 | 世界選手権クアラルンプール大会 | 団体優勝 |
リオデジャネイロオリンピック | シングルス優勝 団体優勝 | |
2017年 | 世界選手権デュッセルドルフ大会 | シングルス優勝 |
中国全運動大会 | シングルス優勝 | |
2018年 | 世界選手権ハルムスタッド大会 | 団体優勝 |
2019年 | カタールオープン | シングルス優勝 |
世界選手権ブタペスト大会 | シングルス優勝 ダブルス優勝(王楚欽ペア) | |
中国オープン | シングルス優勝 |
使用用具
ラケット:狂飆龍5
馬龍(マロン) プレーの特徴
世界No.1と呼び声の高い馬龍選手は技術も一流です。その一流の中でも特に光っているプレーの特徴を紹介していきます。下記で馬龍選手の試合動画を解説付きで紹介しています。是非合わせてご覧ください。
- 代名詞のフォアドライブ!振り抜いたら一撃必殺級
- 世界No.1のストップレシーブ!ストップなのに回転量はピカイチ
- 実は、負けなくなった理由はこれ!安定感抜群のバックハンド
代名詞のフォアドライブ!振り抜いたら一撃必殺級
馬龍選手のフォアドライブは代名詞とも言える技術で振り抜いた球は一撃必殺と言える程の威力を誇ります。
相手が繋いだ球に対してのドライブはほぼ確実と言って良い程の決定力があり、そこには馬龍選手ならではの秘密があります。馬龍選手のドライブは威力は勿論バックスイングをする時に左肩も大きく振りかぶるのでコースがどちらに来るか分からないのです。文字通り手も足も出ない形になります。
またカウンタードライブは世界No.1と言える程で通常の選手がミスしてしまうような球に対してもミスなく威力ある球を打つ事ができます。
世界No.1のストップレシーブ!ストップなのに回転量はピカイチ
馬龍選手は攻撃的なプレーに目がいきがちになってしまいますが、トップ選手程絶賛する技術がストップレシーブです。
ストップレシーブは台の手前に浅く落とす技術で通常は優しいタッチでレシーブする技術なのですが、馬龍選手の場合、速いスイングで振り抜くので回転量が強いストップをする事ができます。
回転量が強いため相手は返球すると回転の影響で甘い返球を誘われてしまうのです。甘くなると一撃必殺と言えるフォアドライブがあるのでプレッシャーを感じずにはいられません。
世界トップレベルの豪快さと世界トップレベルの繊細さどちらも持ち合わせているのが馬龍選手最大の強みとも言えるでしょう。
実は、負けなくなった理由はこれ!安定感抜群のバックハンド
馬龍選手もベテランの域に達している選手で新時代の高速卓球に苦戦する時期もありました。
しかし、すぐさま対応し、それまでが嘘かのように負けなくなりました。その要因が安定感のあるバックハンドです。
馬龍選手のバックハンドの特徴は圧倒的安定感でとにかくミスをしません。力で対抗するのではなくスピードやコースが重視されたバックハンドで相手を翻弄していきます。
ミスが少ない最大の理由はステップで、相手のどんなにスピードのある球でも的確にステップを踏み万全の体勢で返球し続けます。
元々がフォア主体の馬龍選手が現代卓球についていくため身につけた技術です。パワー一辺倒ではなく安定感を重視している点が頭脳派ならではの馬龍選手らしい技術スタイルです。
まとめ:馬龍(マロン)
いかがでしたでしょうか。馬龍選手について紹介していきました。馬龍とはこんな人物です。
- 最も団体戦に強い男!世界選手権団体は2大会連続で1ゲームも落とさずに勝利
- 世界No.1プレーヤー!卓球ファンの多くが尊敬するプロフェッショナルな選手
- 精神面以外は弱点無し!近年ではメンタルも強くなり正に無敵といえる選手
- 実は、パワーだけじゃない頭脳派プレーヤー!時代に遅れをとらず中国卓球を長く支える
また、馬龍選手のプレーの特徴はこちらになります。
- 代名詞のフォアドライブ!振り抜いたら一撃必殺級
- 世界No.1のストップレシーブ!ストップなのに回転量はピカイチ
- 実は、負けなくなった理由はこれ!安定感抜群のバックハンド
最後に一言だけ付け加えますと、馬龍選手は現在30歳を超えベテランの粋に達していますが未だに進化が止まらない選手です。
更に、頭脳を生かしたプレーが得意なのでベテランになってもまだまだ世界のトップに君臨し続けるでしょう。今後も活躍していく選手なので動向に注目していきましょう。