今回のテーマは、異質の戦型に有効な技術3選という事で紹介していきます。プラスチックボールになり回転がかけ難くなった事で、近年は異質の選手の活躍が目立つようになりました。
このページでは、2021年に行われた東京オリンピックでの孫穎沙選手vs伊藤美誠選手の対戦を通して両選手のプレーや戦術の見どころを紹介していきます。
Contents
試合を見る前に！孫穎沙、伊藤美誠両選手の特徴を紹介
今試合を見ようと思ったあなた。少し待って下さい。孫穎沙選手、伊藤美誠選手どちらも非常に強力な技を持っています。ここからは、両選手のプレーの特徴を紹介していきます。特徴を踏まえた上で試合がどのように展開されるか見ていきましょう。
小柄ながら現世界トップレベルの両ハンド！孫穎沙選手のプレーの特徴
孫穎沙選手と言えば、中国の次世代エースとも呼び声が高い選手です。同士討ちで負ける事はあっても海外選手に負ける事は殆ど無くポテンシャルの高さに加え、勝負強さも兼ね備える選手です。
プレーの特徴は一言で言うと、とにかくパワフルで男子選手のような両ハンドが武器です。小柄な体格ですが、身体全体を使ったフルスイングするドライブは現代では世界トップレベルと言えるでしょう。
伊藤美誠選手が相手だと様々な球種のボールを出されてしまいますが、しっかりと体勢を作って打つ事ができれば孫穎沙選手の方が有利と言えるでしょう。フォアだけでなくバックハンドも強く打てるのが強みです。
孫穎莎(スンイーシャ)とは【プロフィール・世界ランキング・使用用具・特徴】
何をするか予測できない破天荒なプレーが持ち味！伊藤美誠選手のプレーの特徴
そうです、伊藤美誠選手と言えば、日本のエースとして活躍する選手です。世界ランキングも最高2位まで登り詰めており、図太い精神で中国選手を何人も倒している事から中国では「大魔王」とあだ名をつけられています。
プレーの特徴としては、一言で言うと予測できない破天荒なプレーが特徴的です。サーブが上手でバック面の表ソフトとフォアスマッシュで相手を翻弄します。精神面が強く勝負どころで相手が予想できない思い切ったプレーをします。
孫穎沙選手と比べると両ハンドドライブのパワーは劣りますが、サーブ力であったり、出せる球種のバリエーションは上回っているので、試合では孫穎沙選手をどれだけ翻弄できるかが鍵を握るでしょう。
【試合動画】孫穎沙VS伊藤美誠《東京オリンピック》
今回試合動画として紹介させて頂くのは、2021年に行われた東京オリンピックの準決勝です。4年に一度の大会でどの選手もこの東京オリンピックで優勝を目指しており並々ならぬ決意を抱いている大会です。
孫穎沙選手、伊藤美誠選手は各国のエースとして活躍しており普段はお互いを認め合った仲です。両選手が強力な武器を持っておりお互いを研究しています。そのため、どちらが戦術面で相手の一歩先をいくかが勝負と言えるでしょう。
ここに注目せよ！試合を見終わって、試合の見どころはこちら！
試合を見終わってみていかがでしたでしょうか。孫穎沙選手が4-0で伊藤美誠選手に勝利しました。孫穎沙選手が、力強い威力ある球や回転量の多い球で翻弄し、伊藤美誠選手を倒しました。ここからは、試合を通しての感想や両者の光ったプレーを紹介していきます。
あなたの感想は？試合全体を通しての感想はこちら！
試合を終えてみて、あなたの感想はいかがでしたでしょうか。ここからは、試合を通しての感想を紹介していきます。
徹底した作戦で伊藤美誠選手を封じ、自身の展開に持ち込んだ孫穎沙選手
試合全体を通して、孫穎沙選手は伊藤美誠選手への対策が完璧でした。伊藤美誠選手はリードしていた2ゲーム目を逆転で取られ、そのゲームが試合の勝利を紐付けたとも言えるでしょう。
孫穎沙選手が伊藤美誠選手に勝つためのポイントは、とにかく球種を多く出させないよう戦う事です。伊藤美誠選手は表ソフトを貼っている事もあり、回転のかかった球やスピードのある球、ナックルなど様々な球種を持っており絞らせる事での効果は大きいです。
孫穎沙選手は、試合の序盤、リスクを負ってスピードのある球で一気にリードすると勢いそのままに第一ゲームを取りました。第二ゲームは、伊藤美誠選手に対策されリードを許すも、ここからはスピードよりもとにかく回転量重視の球を使っていました。
このスピード重視の球と回転量重視の球をしっかり混ぜる事で、伊藤美誠選手もミスしてしまったり入れる事に専念しなければならなくなり試合全体の主導権を握る形となったのです。試合全体を通して孫穎沙選手の方が作戦で上回っていたと感じる試合でした。
伊藤美誠選手は、思ったよりもサーブが効かず中々先手を取ることができていませんでした。中々簡単ではありませんが、孫穎沙選手相手ということを考えると更にリスクを負って先手を取ることが今後必要となるでしょう。
ここがすごい！孫穎沙、伊藤美誠、両選手の光ったプレー、戦術はこちら
戦術をメインに紹介してきましたが、技術的にも両者光ったプレーがありました。ここからは、孫穎沙選手、伊藤美誠選手、両者の光ったプレーを紹介していきます。
スピードと回転の使い分けがすごい！孫穎沙選手の光ったプレーはこちら！
孫穎沙選手は、今回の試合とにかくスピードのある球と回転量のある球の使い分けが光っていました。序盤でスピードのある球を見せる事で相手はどうしても繋ぎ気味のプレーが増えます。
当然、スピードのある球はリスクもあるのでずっとは続きませんが、そんな時に生きるのが回転量のある球です。孫穎沙選手は粘着性の回転がかかるラバーを使用しているため回転量が凄まじくカウンターする事が難しいです。
実際この極端に球質が違う球を混ぜられ伊藤美誠選手はうまく対応できておらず、それがそのまま勝利に繋がりました。完全に伊藤美誠選手用の戦い方で戦術と言い、技術と言い完璧な内容でした。
フォアスマッシュの威力は引けを取らず！伊藤美誠選手の光ったプレーはこちら
伊藤美誠選手は今回の試合、孫穎沙選手の極端にスピードのある球や回転量のある球に翻弄され、中々本来の強さを出す事ができていませんでした。ですが、要所で光ったプレーがあったので紹介します。
今回の試合で伊藤美誠選手のプレーで光っていたのはスマッシュです。スマッシュは直線的な軌道で球が飛ぶためリスクが高い技術ですが、伊藤美誠選手は思い切りよくスマッシュしていきます。
また小柄な体格も相まって高い打点での攻撃となるため、相手も打たれると基本的には殆ど対応できません。リスクもある分ドライブの1.5倍程のスピードで球が打てているので強烈なプレッシャーでしょう。よりスマッシュを打てる機会を増やす事が中国選手に勝つ要素となるのは間違い無いでしょう。
この試合を観て活かそう！パワーのある選手に有効な技術3選
今回の試合は、異質要素のある伊藤美誠選手に対して孫穎沙選手がどのように立ち回るかが注目の試合でした。試合では、伊藤美誠選手の球質の多さを孫穎沙選手が封じており、有効な技術がいくつかあったので3選にまとめて紹介します。
まず一つ目は、スピードのある球です。異質選手は相手の球を利用するのが得意なので中途半端な球を出すと倍返しを食らってしまいます。そのため、相手が触れない程のスピードを出すと有効です。勿論リスクはありますが、ミスしてでも打つ事が重要です。
二つ目は超回転量の球です。異質のある選手は回転量のある球は基本的に得意としています。ですが、その想像を超えるような超回転量のある球は別です。ポイントはあえて遅い球でも回転をかけると異質選手はやりにくく感じるため有効です。
三つ目は、流しレシーブです。異質の選手は打たれても良いと思い切って回転量のあるサーブを出してきます。そのため、レシーブが難しいですが、そんな時に役立つのが流しレシーブです。流しレシーブは、相手にある程度攻められますが、比較的無難なレシーブをしやすくシンプルなラリーに持っていきやすく相手の球種を絞ることに繋がります。
まとめ：孫穎沙VS伊藤美誠の試合動画
いかがでしたでしょうか。2021年に行われた東京オリンピックの孫穎沙選手vs伊藤美誠選手の対戦を紹介してきました。試合は、作戦をしっかり立てスピードある球と回転量ある球を使い分けた孫穎沙選手が伊藤美誠選手に4-0で勝利しました。
最後に一言だけ付け加えると、近年は異質選手が活躍しやすく、異質選手を苦手とする選手も多いと思います。ポイントとしては、普段のオーソドックスな戦型の選手とは別の戦い方をする事が重要で、どのような戦い方をすれば良いかはこのページと試合動画を見れば学べますので参考にしてみましょう。
