今回のテーマは、中国選手の強さについてです。卓球王国とも言われる中国の卓球選手の優れた戦術、そして技術がこの記事を見る事で分かります。
このページでは、2021年に行われた世界選手権ヒューストン大会での王楚欽選手vs戸上隼輔選手の対戦を通して両選手のプレーや戦術の見どころを紹介していきます。
Contents
試合を見る前に!王楚欽、戸上隼輔両選手の特徴を紹介
今試合を見ようと思ったあなた。少し待って下さい。王楚欽選手、戸上隼輔選手どちらも非常に強力な技を持っています。ここからは、両選手のプレーの特徴を紹介していきます。特徴を踏まえた上で試合がどのように展開されるか見ていきましょう。
恵まれた体格から放たれる両ハンド攻撃が魅力的!王楚欽のプレーの特徴
そうです、王楚欽と言えば180cmを超える長身から繰り出される強力な両ハンド攻撃が魅力の選手です。また、サウスポーを生かしたコース取りも上手く右利き選手にとっては非常にやりにくい選手と言えるでしょう。
また、サーブやレシーブも非常に上手く全体的なバランスに優れており、中国の次世代エースという呼び声も高いです。唯一弱点と言えるのがメンタルで上手くいかないと少し崩れる事もありますが、技術面での弱点は殆ど無いと言えるでしょう。
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動きと球の速さ、鋭い攻撃が持ち味!戸上隼輔選手のプレーの特徴
戸上隼輔選手と言えば、鋭さが持ち味の攻撃です。動き、そしてスイングスピードが非常に速く一旦攻撃し始めると止まらない強さがあります。現在の日本選手の中では最も高い攻撃力を持っていると言っても過言ではありません。
またチキータの質も高く、スピードは世界でもトップレベルと言えるでしょう。一撃で抜き去るチキータに加えて、近年はストップやツッツキなどの細かい技術もレベルアップしており弱点が少ない選手になっています。
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【試合動画】王楚欽VS戸上隼輔《アジア選手権選考会》
今回試合動画として紹介させて頂くのは、2021年に行われた世界選手権ヒューストン大会です。トーナメントの3回戦で日本勢の中では唯一勝ち残った戸上隼輔選手が中国の次世代ホープ王楚欽選手に挑みます。
世界選手権ヒューストン大会は、コロナ禍で開催された初めての世界選手権という事もあって、普段以上に力を発揮した選手や逆に発揮できなかった選手もいました。その中で取りこぼさない中国選手の強さが光った試合でもあります。その中で、中国選手の強さがよく表れていた王楚欽選手の試合を紹介していきます。
ここに注目せよ!試合を見終わって、試合の見どころはこちら!
試合を見終わってみていかがでしたでしょうか。王楚欽選手が4-0で戸上隼輔選手に勝利しました。この試合では、実力差が点数にも表れ、改めて中国選手の強さを感じる試合となりました。ここからは、より詳しく試合の見どころを紹介していきます。
あなたの感想は?試合全体を通しての感想はこちら!
試合を終わってみて、あなたの感想はいかがでしたでしょうか。ここからは、試合を通しての感想を紹介していきます。
繊細さも併せ持つ!豪快なプレーだけじゃないのが中国の強さ!
あなたが持つ中国選手の強さはどのような部分ですか。恵まれた体格から繰り出される力強いドライブでしょうか。勿論、粘着ラバーから繰り出されるドライブも強さの一つですが、私はその豪快さの裏腹に繊細さも併せ持っているのが中国選手の強さだと思っています。
特に今回の試合でもその繊細さは表れており、王楚欽選手は、サーブレシーブで戸上隼輔選手を崩し主導権を握るシーンがよくありました。そもそも、主導権の握り合いに長けているのです。
戸上隼輔選手も近年では、台上技術は大きくレベルアップし一見弱点のなる部分は少ないように思えます。そんな状況下でも崩していき、かつ中国選手自身はとにかく崩されないのが最大の強さと言えるでしょう。
守備力の高さに脱帽!中国選手相手には簡単には決まらない!
今回の将来を担う者同士の試合、両者共に高い攻撃力を誇っているのが特徴としてありました。ですが、試合を実際に見てみると両者には大きな差がありました。それは、守備力の高さです。
実際、試合の中では戸上隼輔選手が主導権を持って攻めているシーンは何度かありました。日本選手の中ではトップの攻撃力を持つ戸上隼輔選手ですが、その攻撃を王楚欽選手は必ず1球はブロックし、気づいたら対等なラリーに持ち込まれ結果的に点数を取られてしまうという事がありました。
また、戸上隼輔選手のチキータもかなりの速さを誇っていますが、王楚欽選手は殆どミスする事なく冷静にコースを突く対応をしています。日頃から中国選手同士の厳しい強い球を受けている王楚欽選手にとっては戸上隼輔選手の高い攻撃力も普段と変わらない球として処理しておりレベルの高さに脱帽する内容でした。
ここがすごい!王楚欽、戸上隼輔、両選手の光ったプレー、戦術はこちら
戦術をメインに紹介してきましたが、技術的にも両者光ったプレーがありました。ここからは、王楚欽選手、戸上隼輔選手、両者の光ったプレーを紹介していきます。
攻撃だけじゃない、圧倒的なバランス力!王楚欽選手の光ったプレーはこちら!
そうです、今回王楚欽選手のプレーで光ったのは、攻撃以外の部分です。攻撃力が高いのは当然の事ですが、仮に王楚欽選手に対して先手を取ったとしても中々点数が取れない技術力があります。
今回の試合では具体的に言うと、台上のストップと打たれた際のブロック技術が冴え渡っていました。ストップは非常に繊細な技術で難しいでさが、緊張するような場面でもそんな素振りを見せず冷静にストップをしており、改めて中国選手の強さを感じました。
また、ブロックにおいては上記でも触れましたが、普段の練習から世界トップの球を受け続けているためでしょうか。全く焦りを感じさせずただ止めるだけではなくコースを突く対応には正直脱帽でした。
後陣のラリーでは中国のトップ選手相手でも引けを取らない!戸上隼輔選手の光ったプレーはこちら
今回の試合では、0-4で敗戦してしまった戸上隼輔選手でしたが光ったプレーもありました。それは、持ち味のラリーで後陣のラリーにおいては中国選手相手にも引けをとっていない事が分かりました。
ですが、まだ差があると言うのも事実で、優位な状態で攻めていたとしても気づいたら盛り返されると言ったシーンが多くあり、純粋なボールの速さだけでは得点し続けるのが難しいという事が今回の試合で分かりました。
シンプルなスピードだけではなく、逆を突くドライブ、そんなプレーも必要になってくるのではないか。そう思わせる内容でした。戸上隼輔選手もポテンシャルが高くまだまだ成長してくれる選手なので今後の活躍に期待です。
まとめ:王楚欽(リンガオユエン)VS戸上隼輔(ファンジェンドン)試合動画
いかがでしたでしょうか。2021年の世界選手権ヒューストン大会における王楚欽選手vs戸上隼輔選手の試合について紹介してきました。結果は攻撃以外に第二、第三の武器を持った王楚欽選手が4-0で戸上隼輔選手を破りました。
最後に一言だけ付け加えると、近年は攻撃力重視の卓球が主流となっており、今まで勝てなかった中国選手を破る機会も増えてきました。ですが、このようなビッグタイトルになると弱点があるスタイルは中々安定して勝ち上がるのが難しいです。その中、リスクも負いながらしっかり勝ち続ける中国の強さを改めて認識したのではないでしょうか。