日本の女子シングルスは、中国に迫る勢いがありレベルを上げている事からも全日本選手権の数ある種目の中で非常に注目が集ります。
このページでは、2022年全日本選手権の女子シングルス結果、そして他にも振り返っての総評や活躍した選手の特徴などを紹介していきます。
Contents
【2022年全日本選手権】女子シングルス結果
女子シングルス入賞者一覧
- 優勝：伊藤美誠
- 準優勝：早田ひな
- 3位：加藤美優
- 3位：木原美悠
- 5位：木村光歩
- 5位：長崎美柚
- 5位：大藤沙月
- 5位：佐藤瞳
女子シングルス対戦結果
決勝
| 1 | – | 4 | ||
| 早田ひな （日本生命） | 5 9 5 11 6 | – – – – – – – | 11 11 11 8 11 | 伊藤美誠 （スターツ） |
準決勝
| 3 | – | 4 | ||
| 加藤美優 （日本ペイント） | 11 7 11 15 9 16 7 | – – – – – – – | 7 11 6 13 11 18 11 | 早田ひな （日本生命） |
| L | – | W | ||
| 木原美悠 （JOCエリート） | L | – – – – – – – | W | 伊藤美誠 （スターツ） |
準々決勝
| 4 | – | 2 | ||
| 加藤美優 （日本ペイント） | 7 11 11 11 5 14 | – – – – – – – | 7 6 7 9 11 12 | 大藤沙月 （四天王寺高校） |
| 1 | – | 4 | ||
| 長崎美柚 （日本生命） | 7 11 3 6 11 | – – – – – – – | 11 5 11 11 13 | 早田ひな （日本生命） |
| 4 | – | 3 | ||
| 木原美悠 （JOCエリート） | 13 8 8 13 11 13 11 | – – – – – – – | 15 11 11 11 9 11 6 | 佐藤瞳 （ミキハウス） |
| 1 | – | 4 | ||
| 木村光歩 （中国電力） | 9 7 6 11 5 | – – – – – – – | 11 11 11 4 11 | 伊藤美誠 （スターツ） |
【総評】女子シングルスを振り返って
女子シングルスを終えてみてあなたの感想はいかがでしたでしょうか。女子シングルスでは、型にはまらないスタイルの選手が多く非常にレベルが上がっています。ここからは、全日本選手権の女子シングルスを振り返っての総評を紹介していきます。
型にハマらない武器が持ち味に！それぞれの選手の個性が現れる
今回の全日本選手権の女子シングルスを見て改めて感じるのが、選手の個性です。男子選手はチキータからの両ハンドプレーなど型が殆ど決まっていますが、女子選手の場合はプレーがあまり被らずそれぞれ個性があります。
特に活躍している選手は、それぞれの武器を持っています。今回、ベスト4に入った伊藤美誠選手は世界一とも言える予測のつかないプレー、早田ひな選手は女性離れしたドライブ、加藤美優選手はしゃがみ込みサーブやミユータ、木原美悠選手は独特な巻き込みサーブなど武器があります。
オーソドックスなプレーヤーもいますが、少ないためオーソドックスな戦型である事もまた個性となっています。このように様々なスタイルの選手が多く、ラバーも裏裏意外に表ソフトを使用した選手が数多く活躍しています。今は個性を伸ばす程活躍しやすいのでこれからもどんどん個性を持った選手が現れる事でしょう。
負けない強さ！上位陣の安定感がすごい！
女子シングルスで思う事の二つ目は上位陣の安定感がすごいと言う事です。女子選手は、上記で申し述べたように個性を持った選手が多く、個性を発揮した時に強い選手が沢山います。
その中でベスト4の顔触れが、前年と殆ど変わらないのはすごい事です。ベスト4に入る選手は非常に粘り強いです。今回の試合でも、早田ひな選手や木原美悠選手は負けそうになる試合もありましたが、その中でも諦めず耐えてプレーして最後に勝つと言うところに強さの秘密がある気がします。
ただ、上位陣が強い事はありますが、女子選手は男子選手と比べると開き直って大胆なプレーをする選手も少ない気がします。基本的には丁寧な選手が多いですが、少し荒々しい選手が出てくると女子選手のトーナメントもまた少し変わってくるのではないかと思います。
【好プレー解説】ベスト4へ進出した選手の特徴を紹介
今年の全日本選手権も好プレーの連続でそれぞれの選手が光った部分が沢山ありました。ここからは、ベスト4へ進出した選手の特徴を紹介していきます。
進化したNewミマを魅せる！伊藤美誠選手
最初に紹介するのは、今回の全日本選手権で優勝した伊藤美誠選手です。今大会では相変わらずの精神面の強さに加え技術の進化を魅せた試合となりました。直前の世界選手権では思うような結果を残す事はできませんでしたが、全日本選手権ではNewミマを魅せてくれました。
進化を感じたプレーは新たに取り入れたカットブロックと後陣でのプレーです。バックハンドは、ナックルと回転のかかった球を混ぜられるだけでも厄介なのに、そこにカットブロックが加わると相手からしたらどう対応して良いか分からなくなる筈です。
また、表ソフトを貼っている伊藤美誠選手は下げさせれば怖くなくなるイメージも一気に払拭する程後陣での繋ぎや盛り返しの質が高くなっていました。基礎力が大きくアップした事に加え、技もより多彩になっており、正しくNewミマの誕生と言えるでしょう。
パワーand粘り強さ！早田ひな選手
早田ひな選手は、やはりパワーのある両ハンドが凄まじく、女子選手では中々受け切れないシーンが多くありました。ただ、今回の試合で光っていたのはパワーは勿論ですが粘り強さです。
早田ひな選手のようなパワーヒッターは、得点力が高い分ミスもあります。特に準決勝では加藤美優選手の粘りに対してミスが出てしまうシーンが多くありました。ですが、サーブを工夫し集中力を切らさず戦い最後には勝つという試合を見て、本当に強い選手なのだと改めて感じさせる内容でした。
早田ひな選手も伊藤美誠選手同様に精神面が非常に強く、卓球が崩れかけても心が崩れないため試合中に立て直す事ができます。世界で活躍するためにはやはり精神面は重要なファクターで、その部分を持ち合わせた早田ひな選手は今後も活躍してくれる筈なので楽しみにしましょう。
粘り強さはNo.1！加藤美優選手
加藤美優選手は、今大会とにかく粘り強く戦う事ができていました。加藤美優選手はベスト4に勝ち残った選手の中では特別強い球を打つ事ができるわけではありませんが粘り強さに関しては群を抜いていると言えます。
その粘り強さを支えているのが基礎力の高さで、加藤美優選手は相手が戦術や技術を変えてきてミスをしたとしてもそこからの対応力が非常に良く連続失点が殆どありません。
全体的に技術のバランスが良くなってきているのは勿論ありますが、苦手な展開でも別の技術でカバーしたりなどとにかく持っている力を出す能力に秀でています。世界でも好成績を収めている秘密が今回の大会では存分に表れていました。
精神面の成長が光る！木原美悠選手
木原美悠選手は、今大会で精神面が大きく成長したと感じさせる内容でした。元々思い切りが良い選手で精神面が弱かったわけではありませんが、苦しい場面でも勝利への火を絶やさない姿勢は素晴らしかったです。
試合中も以前より声を出すシーンも多く表れ、準決勝の佐藤瞳選手との対戦は非常に粘り強く戦えていました。元々、ノった時には強敵をバシバシ倒す力があり、今回のような一本に対して常に意識を張り巡らせたような状態で戦えば今後益々隙がない選手になるでしょう。
ここ最近の全日本選手権では常に好成績を収めており、やがて世界で活躍する日も遠く無いはずです。高校を卒業してからの更なる活躍に期待が集まります。
まとめ：2022年全日本選手権女子シングルス
いかがでしたでしょうか。2022年の全日本選手権女子シングルスを振り返って、結果や総評、活躍した選手の光ったプレーなどを紹介してきました。
2022年全日本選手権女子シングルスの結果で言うと進化した卓球を見せた伊藤美誠選手が初優勝し、2位はパワーに加えて粘り強さを見せた早田ひな選手、3位は大会一の粘り強さと対応力を見せた加藤美優選手と精神的に大きく成長した木原美悠選手となりました。
最後に一言だけ付け加えると、2022年の全日本選手権女子シングルスでは、上位陣の安定感が光り前年と同じような顔触れとなりましたが、他の選手も力をつけている事は間違い無いです。全体的に底上げされており、中国にも迫る勢いがあるので今後の選手の活躍にも期待しましょう。
