日本の女子ダブルスは、世界でも活躍するペアが多く非常にレベルの高い試合が展開されました。個性を持ったペアが多いのも特徴的で見ていて面白い試合も沢山あります。
このページでは、2022年全日本選手権の女子ダブルス結果、そして他にも振り返っての総評や活躍した選手の特徴などを紹介していきます。
下記で別の種目の結果についても紹介しています。合わせてチェックしてみてください。
Contents
【2022年全日本選手権】女子ダブルス結果
女子ダブルス入賞者一覧
- 優勝:伊藤美誠・早田ひなペア
- 準優勝:宋恵佳・成本綾海ペア
- 3位:長尾尭子・平侑里香ペア
- 3位:石川佳純・平野美宇ペア
女子ダブルス対戦結果
決勝
3 | – | 1 | ||
伊藤美誠 早田ひな (スターツ) (日本生命) | 11 7 14 11 | – – – – – | 10 11 12 4 | 宋恵佳 成本綾海 (中国電力) |
準決勝
3 | – | 0 | ||
伊藤美誠 早田ひな (スターツ) (日本生命) | 11 11 12 | – – – – – | 9 4 10 | 長尾尭子 平侑里香 (サンリツ) (日本ペイント) |
【総評】女子ダブルスを振り返って
女子ダブルスを終えてみてあなたの感想はいかがでしたでしょうか。女子ダブルスでは、近年は台上技術の幅とレベルが上がって全体が底上げされていました。ここからは、全日本選手権の女子ダブルスを振り返っての総評を紹介していきます。
台上技術のレベルが向上!プレーの幅が広がる
今回の全日本選手権の女子ダブルスでは、全体的に台上技術の向上が光っていました。つい数年前までは、ミスをしないようにツッツキレシーブや軽いフリックがメインでしたが、今大会では、ストップやチキータ等を織り交ぜるペアも多くいたのが印象的です。
特に入れるだけのプレーでは無くなったというのが印象的で、勿論ミスをしない事が前提のプレーですが、例えばストップも切るストップやフリックやチキータも少し強い球で返球するシーンも多く見受けられ台上技術のレベルが上がっている事がよく現れていたと思います。
また、サーブも縦回転だけではなく横回転を混ぜるペアが多く、今後はこの横回転を如何に上手く利用して良いレシーブができるかが鍵を握るでしょう。ただ、世界でもかなりトップの伊藤美誠選手・早田ひな選手ペアを追い込むペアも多く全体的にレベルが上がっているのは確かでしょう。
トップ層の強さはここ!鍵を握るのはカウンター!?
全体的にレベルの上がっている女子ダブルスですが、その中でトップで活躍している選手達はカウンタープレーの質が高い事が改めて分かる内容だったと思います。特に優勝したペアの一人早田ひな選手は男子選手のように沈み込みながらの回り込みカウンターも多く出でいました。
ダブルスはシングルスと比べると強打が打ちにくい種目で、特に女子ダブルスともなると強打を打つシーンは男子より更に少なくなります。ペアリングと技術が向上していけばドライブの中にもカウンターしやすい球はある筈なのでその球を見逃さないペン程強くなるでしょう。
特にバックサイドに来た球を女子選手はブロックする事が多いので、右利きの選手であればバックカウンター、左利きの選手であれば回り込みのカウンターできるか否かが大きな鍵となるでしょう。
【好プレー解説】ベスト4へ進出した選手の特徴を紹介
今年の全日本選手権も好プレーの連続でそれぞれの選手が光った部分が沢山ありました。ここからは、ベスト4へ進出した選手の特徴を紹介していきます。
多彩な技と力がすごい!伊藤美誠・早田ひなペア
今大会の女子ダブルスですが、やはり伊藤美誠選手・早田ひな選手ペアは卓球のレベルが高く、他のペアより一段実力で優っていたと思います。
特に得点をもぎ取る力が強いのが特徴的で、伊藤美誠選手のスマッシュや予測のつかない表ソフトのプレーがある事に加えて、早田ひな選手のパワーのあるフォアハンドが出されると殆ど止める事はできないです。世界にも通用する程の得点力で、全日本選手権でもよく発揮されていました。
また、今大会は粘り強さもよく光っており、体勢が崩れながらでもボールを何とか繋いでいき、気づいたらラリーで盛り返すというシーンも多く見受けられました。競る事はあっても最後に勝つだろうと思わせる程隙のない強さを見せました。
独自の武器で勝ち上がる!宋恵佳・成本綾海ペア
今大会第二シードの芝田沙季選手・大藤沙月選手ペアを破って勝ち上がってきたのが、宋恵佳選手・成本綾海選手ペアです。特に宋恵佳選手は今回の全日本選手権で引退という事もあり、最後に有終の美を飾る結果となりました。
このペアの特徴は、ペンのラケットを使用する宋恵佳選手の先手を取るプレーと、成本綾海選手のしゃがみ込みサーブと粘り強さが特徴的なプレーです。決勝戦でも、この良さがしっかり現れており、接戦を演じていました。
宋恵佳選手はペン、成本綾海選手はサウスポーでバック表とマイナーな戦型であるため、二人の技が参考になった方もいた事でしょう。
女性離れしたパワーが炸裂!平侑里香・永尾尭子ペア
平侑里香選手・永尾尭子選手ペアは両選手ともパワーがあり、その部分を生かしてベスト4まで進出しました。特に永尾尭子選手は長身で、女性離れした球を打つ事ができるので女子選手の中では非常に大きいアドバンテージを握っています。
一方の平侑里香選手もフォアの威力が高い事に加えてバックハンドが表ラバーを使用している事もあってやりにくさも兼ね備えている選手です。サーブも工夫しており、横回転などを使用して相手のレシーブを甘くさせる工夫がされていました。
基礎力の高さは随一!石川佳純・平野美宇ペア
今回の全日本選手権では、残念ながら準決勝の直前に平野美宇選手がコロナ陽性となってしまったため、棄権となりましたが、強敵を打ち破って勝ち上がったのは流石と言えるでしょう。石川佳純選手、平野美宇選手共に基礎力が高く誰が相手でも対応できるのが魅力です。
特に準々決勝では、世界ジュニア選手権で優勝経験のある木原美悠選手・長崎美柚選手ペアを破っており、流石の実力だと言えます。今後国際大会での活躍も見込む事ができる選手なので注目です。
まとめ:2022年全日本選手権女子ダブルス
いかがでしたでしょうか。2022年の全日本選手権女子ダブルスを振り返って、結果や総評、活躍した選手の光ったプレーなどを紹介してきました。
2022年全日本選手権女子ダブルスの結果で言うと予想外のプレー、パワーを見せた伊藤美誠選手・早田ひな選手ペアが初優勝し、2位は希少な戦型独自の武器を見せた宋恵佳選手・成本綾海選手ペア、3位は女性離れしたパワーを見せた平侑里香選手・永尾尭子選手ペアと残念ながら棄権になってしまった石川佳純選手・平野美宇選手ペアが入賞しました。
最後に一言だけ付け加えると、2022年の全日本選手権女子ダブルスでは、基礎技術レベルが上がっており、更に独自の技を持ったペアも多くレベルが上がっている感じました。中国越えの可能性が非常に高い種目でもあるので今後の活躍にも注目です。