馮天薇選手(フォンティエンウェイ)は、シンガポールのエース選手で30代半ばに差し掛かりながらも未だ世界のトップで活躍しています。過去に世界選手権の団体戦で中国から2点取りし団体優勝に導いた実績があります。
そんな馮天薇選手とはどんな人物か、他にもプロフィールや世界ランキング、使用用具、プレーの特徴などを紹介していきます。
馮天薇(フォンティエンウェイ)とは
馮天薇とは、シンガポールのエースで、スポーツで活躍が少ない同国にメダルをもたらした選手です。30代半ばに差し掛かりましたが第一線でプレーしており、現在は日本ペイントマレッツに所属しTリーグにも参戦しています。読み方は「フォンティエンウェイ」で、英語だと「Feng Tianwei」と表記されます。
- シンガポールにメダルをもたらした英雄!団体銀メダルに貢献!
- 30代半ばにして未だ現役!第一線で活躍する選手!
- 日本に馴染み深い選手!現在は日本ペイントマレッツでプレー
シンガポールにメダルをもたらした英雄!団体銀メダルに貢献!
そうです、馮天薇選手と言えば、元々中国出身の選手ですがシンガポールに帰化した選手で、シンガポールでは英雄的存在になっています。
それまで、シンガポールでは、殆どのスポーツでメダルを獲得する事ができていませんでしたが、馮天薇選手がシンガポールに帰化してからは卓球競技でのメダル獲得が増えシンガポールのスポーツ界に貢献しています。
五輪でのメダル獲得や、世界選手権でのメダル獲得どれもすごいですがその中でも際立っているのが2010年に行われた世界選手権モスクワ大会の団体戦です。
その大会では、馮天薇選手がエースとして出場し決勝で中国の丁寧選手、劉詩雯選手を破り見事団体金メダル獲得に貢献しました。当時、中国は圧倒的な存在で団体9連覇を目指していたのでどれ程凄い事かわかります。
30代半ばにして未だ現役!第一線で活躍する選手!
馮天薇選手が最初に活躍したのは20代になって間もない頃でしたが、30代半ばに差し掛かる現在でも第一線で活躍しています。女子の卓球界は選手生命がそれ程長くないのでこの年で未だ現役なのは凄い事です。
現在でも世界ランキングはトップ20位をキープしており、10位以内に入ることもしばしば。また、安定感にも定評があり、世界選手権の個人は2009年から2017年まで5大会全てベスト8に入賞しています。
東京五輪もシングルスと団体戦でそれぞれ代表権を獲得しており、大会では勝ち上がる事が予想されます。非常に安定感があり、勝負強い選手なので本戦ではどこまで活躍するか実物です。
日本に馴染み深い選手!現在は日本ペイントマレッツでプレー
実は、馮天薇選手は、とても日本に馴染み深い選手でもあります。馮天薇選手は、中国出身でシンガポールに帰化している選手ですが、シンガポールに帰化する前は日本のサンリツに所属し日本リーグでプレーしていました。
その数年後にシンガポールに帰化し、北京五輪や世界選手権でメダルを獲得していったので双方にとって良い影響を与えていたのではないでしょうか。
また、現在は日本ペイントマレッツに所属しTリーグにも参戦しています。Tリーグでは、加藤美優選手と共にツインエースとして活躍しておりチームに貢献しています。
日本でプレーする機会も多かったことからチームメイトからの信頼も厚く、更に卓球愛好家達からの応援も多い選手です。今後も日本でプレーする可能性が高い選手なので注目です。
馮天薇(フォンティエンウェイ) プロフィール
プロフィール
戦型 | 右シェーク裏裏ドライブ型 |
年齢 | 34歳 |
生年月日 | 1986年8月31日 |
エピソード
- 中国ジュニアチャンピオンで頭角を現す!しかし、心筋炎によりナショナルチームを離れる
- 日本でのプレーを経てシンガポールへ!そしてシンガポール初のメダル獲得
- 強敵中国を破り団体優勝に貢献!その後も活躍しロンドン五輪シングル銅メダル
- 若手の台頭により苦しむ強化を図る!日本のTリーグへ参戦し腕を磨く!
中国ジュニアチャンピオンで頭角を現す!しかし、心筋炎によりナショナルチームを離れる
馮天薇選手は、中国の黒龍江省の出身で貧しい家庭に産まれました。幼い頃は両親は生活費を切り詰めながら馮天薇選手に卓球を習わせていたそうです。
父は多発性硬化症を患っていて、母はそれを彼女には隠していたが、2002年に亡くなった。その20日後、中国のジュニア全国大会で優勝した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/
実力を伸ばした馮天薇選手は、中国ジュニアで中国1位になるとやがてナショナルチームに入ります。ですが、馮天薇選手が心筋炎を患ってしまった事によりナショナルチームを離れる事になります。
日本でのプレーを経てシンガポールへ!そしてシンガポール初のメダル獲得
ナショナルチームを離れた馮天薇選手は、自身を強化できる場所を探した結果、日本のサンリツでプレーする事になります。日本リーグにも参戦し腕を磨きました。
その後、シンガポールがForeign Sports Talent Scheme、つまりシンガポール国のスポーツの強化を図って他国の才能ある選手の移住を促進する活動を始めた事で馮天薇選手もシンガポールに帰化する事になります。
帰化後は早々に結果を残し、2008年に行われた世界選手権広州大会で団体銀メダル、直後に行われた北京五輪でも団体銀メダルを獲得しました。
五輪でのメダルはシンガポールにとってイギリス領から独立してから初めての快挙であり、国にとって英雄的な存在になりました。その後、シンガポールにとって卓球は最もメダルの可能性があるスポーツとして期待が集まっています。
強敵中国を破り団体優勝に貢献!その後も活躍しロンドン五輪シングル銅メダル
五輪でメダルを獲得した事でシンガポール中の期待を背負った馮天薇選手は、その後も着実に力を伸ばしていきます。2009年に行われた世界選手権横浜大会でもベスト8に進出します。
そして、20代半ばに差し掛かる絶好のタイミングで迎えた2010年の世界選手権モスクワ大会で馮天薇選手をエースとするシンガポールは歴史を塗り替えます。
大会本戦では、順調に勝ち上がり決勝へ進出します。決勝の相手中国は、段位9連覇を狙う圧倒的強者でしたが、丁度世代交代を果たしておりチームとしては難しい状態でした。
そこでぶつかった決勝戦、馮天薇選手はツインエースの丁寧選手、劉詩雯選手共に勝利し見事シンガポールを優勝に導きます。中国女子は、1993年から現在の2021年まで負けのはシンガポールのみで正に歴史を変えた瞬間だったと言えます。
正に馮天薇選手にとってはこの頃が全盛期と言える活躍で、ロンドン五輪でも団体とシングルスで銅メダルを獲得しています。
若手の台頭により苦しむ強化を図る!日本のTリーグへ参戦し腕を磨く!
ロンドン五輪ではメダルを獲得した馮天薇選手でしたが、その後は若手の台頭が進み世界で表彰台に登る機会は段々と減っていきます。団体戦でも2016年からはベスト4への進出も難しくなり苦戦を強いています。
しかし、馮天薇選手は、個人でも奮闘し2017年までは世界選手権でベスト8進出し、世界ランキングも20位以内をキープしています。近年では、また更にバックハンドに磨きをかけ世界トップ10に入っており実力が健在である事を示しています。
また、日本のプロリーグ、Tリーグにも日本ペイントマレッツの一員として参戦し実力を磨いています。加えて、馮天薇選手は、東京五輪の代表権も獲得しており4大会目の出場となるので本戦での活躍も注目されます。
五輪の経験した数では、女子選手随一なので本戦では、予想を超える活躍も期待できるかもしれません。今後、Tリーグ、東京五輪共に活躍に期待です。
世界ランキング及び成績
世界ランキング
世界ランキング9位(6月16日時点)
成績
2008年 | 世界選手権広州大会 | 団体準優勝 |
北京オリンピック | 団体準優勝 | |
ワールドカップ | シングルス3位 | |
2009年 | 世界選手権横浜大会 | シングルスベスト8 |
ワールドカップ | 団体準優勝 | |
2010年 | 世界選手権モスクワ大会 | 団体優勝 |
ワールドカップ | 団体準優勝 | |
アジア選手権 | 団体準優勝 | |
グランドファイナル | シングルス優勝 | |
2011年 | 世界選手権ロッテルダム大会 | シングルスベスト8 |
ワールドカップ | 団体3位 | |
2012年 | 世界選手権ドルトムント大会 | 団体準優勝 |
ロンドンオリンピック | シングルス3位 団体3位 | |
2013年 | 世界選手権パリ大会 | シングルスベスト8 ダブルス3位(于梦雨ペア) |
ワールドカップ | シングルス3位 団体3位 | |
2014年 | 世界選手権東京大会 | 団体3位 |
2015年 | 世界選手権蘇州大会 | シングルスベスト8 ダブルス3位(于梦雨ペア) |
2016年 | リオデジャネイロオリンピック | 団体4位 |
2017年 | 世界選手権デュッセルドルフ大会 | シングルスベスト8 ダブルス3位(于梦雨ペア) |
韓国オープン | シングルス優勝 | |
2019年 | ワールドカップ | シングルス3位 |
使用用具
ラケット:キョウヒョウ龍5
ラバー(表面):国狂3
ラバー(裏面):狂飆NEO3
馮天薇(フォンティエンウェイ) プレーの特徴
馮天薇選手のプレーは、男性的なフォアドライブを武器にフットワークを生かしてコート中を駆け回る卓球スタイルです。その馮天薇選手の卓球の中でも特に光った特徴を紹介していきます。
- 女性ながら男子顔負け!フットワークを生かしたフォアドライブ!
- すごい、進化し続ける!攻撃的になったバックドライブ!
- 下回転とナックルが分かりにくい!中国特有の縦切りサーブ!
女性ながら男子顔負け!フットワークを生かしたフォアドライブ!
馮天薇選手は、女子選手の中でも男性的なフォアドライブを武器にする選手です。現代では、男性的な卓球スタイルの女子選手が増えてきましたが、馮天薇選手は、10年以上前からいち早く取り入れ実戦に用いていた選手です。
馮天薇選手のフォアドライブの特徴は少し台から距離を取ってしっかり身体を使いながら打つフォアドライブで一球一球の威力が高いです。また、フットワークにも長けており何本でもしっかり動きながら打球していきます。
台から距離を取ると崩れてしまう女子選手が多い中馮天薇選手は台から離れても崩れません。馮天薇選手のフィジカルがあってこそのプレーですが、現代の女子卓球においてフィジカルを生かしたプレーも欠かせなくなっているので参考にしましょう。
すごい、進化し続ける!攻撃的になったバックドライブ!
馮天薇選手は、もう10年以上も世界のトップで戦い続けていますが、第一線で戦い続ける事ができる要因はバックドライブにあります。この10年間で女子卓球の技術レベルは大きく向上していますが馮天薇選手はしっかり対応しています。
特徴的なのが、攻撃的になったバックドライブで、10年前まではフォアドライブの攻撃がメインでバックハンドはコースを突く事が主となっていました。しかし、現在ではバックドライブを用いて攻撃的になっている印象です。
どの選手もバックハンドの技術が向上している中対抗するために取り入れた技術なのでしょう。現在、馮天薇選手のバックドライブは回転量が多くそしてスピードも増されています。
下回転とナックルが分かりにくい!中国特有の縦切りサーブ!
これだけは忘れないで欲しいのですが、馮天薇選手はサーブも非常に上手いです。元々中国出身の選手なのでサーブの出し方も中国特有の出し方です。
特徴としては縦に振り下ろすようにしてサーブを出すので切れているサーブとナックルサーブの見分けが難しく相手のレシーブが少し浮いて返球される事がよくあります。
トップ選手になればなる程、サービスエースを狙うより微妙な変化で相手を惑わし崩す傾向があります。レベルの高くなるにつれて重要になるポイントなので参考にしてみましょう。
まとめ:馮天薇(フォンティエンウェイ)
いかがでしたでしょうか。馮天薇選手について紹介してきました。馮天薇とはこんな人物です。
- シンガポールにメダルをもたらした英雄!団体銀メダルに貢献!
- 30代半ばにして未だ現役!第一線で活躍する選手!
- 日本に馴染み深い選手!現在は日本ペイントマレッツでプレー
また、馮天薇選手のプレーの特徴はこちらです。
- 女性ながら男子顔負け!フットワークを生かしたフォアドライブ!
- すごい、進化し続ける!攻撃的になったバックドライブ!
- 下回転とナックルが分かりにくい!中国特有の縦切りサーブ!
最後に一言だけ付け加えると、馮天薇選手はピークがもう過ぎた選手と言われる事もありますが、現在も世界のトップで戦い続けており東京五輪に代表内定もしています。経験値が非常に高い選手なので本戦でも活躍に期待が集まります。