及川瑞基選手は、中学生からドイツのブンデスリーグに身を投じてきました。その海外での生活が身を結び2021年の全日本選手権では優勝を果たしました。今後更に活躍が見込める選手です。
そんな及川瑞基選手とはどんな人物か、他にもプロフィールや世界ランキング、使用用具、プレーの特徴などを紹介していきます。
及川瑞基とは
及川瑞基とは、卓球選手の中でも小柄な体格ながら、中学生からドイツ留学し経験を積んできた選手です。真っ向勝負というよりは渋いプレーでベテラン的な戦い戦い方をするのが特徴的です。
- 渋いプレーが印象的!対戦相手に合わせたスタイルで粘り勝つスタイル
- ドイツでの修行が実を結ぶ!2021年全日本選手権シングルスチャンピオン
- 実は、ダブルスでも活躍!全日本選手権ダブルス優勝ペアの一人
渋いプレーが印象的!対戦相手に合わせたスタイルで粘り勝つスタイル
及川瑞基選手は日本で戦うトップ選手ですが、現代卓球の主流である圧倒的な攻撃力や及川選手にしかできないという技術があるわけではありません。
これだけは忘れないで欲しいのですが、及川瑞基選手は、天才的なプレーをするのではなく、地味で目立たない技術程精度が高く弱点が少ないため簡単に負けず強敵にも打ち勝つのです。
及川瑞基選手は、苦手な技術が他の選手より少ないので、相手の卓球の弱点を見つけ相手に合わせたスタイルで戦う事ができます。
そのため、プレーも渋く、年齢は若いながらもベテランのような戦い方をする事ができ強豪相手にも簡単に負けず打ち勝つ事ができます。
ドイツでの修行が実を結ぶ!2021年全日本選手権シングルスチャンピオン
実は、及川瑞基選手中学生時代からドイツのブンデスリーグに身を投じ力を磨いてきました。
シーズンに入ると殆どが海外での生活になり、とても大変な環境でしたが、この海外経験が実を結び2021年の全日本選手権優勝したと言っても過言ではありません。
2021年の全日本選手権はコロナの影響もあり、大会が開催されるか寸前まで曖昧、かつ声出し禁止など普段とは違うルールが設けられていたりしました。
多くの選手が戸惑う中、予定通りに進む事が少ない海外経験を積んでいた及川瑞基選手は動じる事なく力わ発揮していきました。
また、ドイツで色々なスタイルの選手と渡り合った事から試合の中での対応力も高く、その部分が生きた事で全日本選手権シングルス優勝に繋がりました。
実は、ダブルスでも活躍!全日本選手権ダブルス優勝ペアの一人
これだけは忘れないで欲しいのですが、及川瑞基選手は、シングルスだけではなくダブルスでも活躍している選手です。
すごい事に、2020年の全日本選手権のダブルスでは三部航平選手とペアを組み優勝を果たしています。
決して本人はダブルスを得意としている訳では無いそうですが、その中でも出来る事を正確に判断し実践し結果を残すのですごいと言わざるを得ません。
ダブルスは特に繊細な技術の応酬が多いので弱点の少ない及川瑞基選手にとっては有利に働くことも多いのかもしれません。
今後は、シングルス、ダブルス共に目が離せない選手です。
及川瑞基 プロフィール
戦型 | 右シェーク裏裏ドライブ型 |
年齢 | 24歳 |
生年月日 | 1997年6月26日 |
身長 | 160cm |
エピソード
- No.2続きだった中高生時代!エースの陰に隠れながら実力を磨く
- 海外経験が実を結び実力を伸ばす!同世代には敵なしで学生No.1へ!
- 拠点を日本に戻し再びレベルアップ!全日本選手権チャンピオンになり力を伸ばす
No.2続きだった中高生時代!エースの陰に隠れながら実力を磨く
及川瑞基選手は、宮城県仙台市出身で小学生時代は張本智和選手の両親が運営する「仙台ジュニア卓球クラブ」で腕を磨きました。
ホープス(5,6年生)の部で準優勝した事をきっかけに、丹羽孝希選手、水谷隼選手の出身である名門青森山田中学に進学する事になります。
着実に力をつけ活躍もしていきますが、中学生の頃は同年代エース三部航平選手の陰に隠れる事も多くNo.2という立ち位置になっていました。
中学3年生になると現状を打開するために及川瑞基選手は、ドイツ留学しブンデスリーグに参戦し始め腕を磨くようになります。初めて留学して以来定期的にドイツへ留学するようになり修行し続けていました。
高校も青森山田高校に進学すると1年目のインターハイでシングルス2位と活躍します。しかし、2年目は3位、3年目も3位と頂点に中々立つ事ができず苦しみ続けるのでした。
海外経験が実を結び実力を伸ばす!同世代には敵なしで学生No.1へ!
大学生になると及川瑞基選手は、専修大学へ進学します。専修大学に入学してからもドイツのブンデスリーグには参加し続けていました。
大きく転機となったのは3年目です。日本中の大学生が参加する全日本大学選手権のシングルスの部で優勝を果たしました。
これまでドイツの厳しい環境に身を投じてきた事が結果に繋がり更に自身をつけていきます。3年目以降は大学生には殆ど負けることは無くなり勢いそのまま翌年の全日本大学選手権を優勝します。
大学最後の年には、中学生の頃からのチームメイトでもある三部航平選手とのペアで出場した全日本選手権ダブルスも制しシニアでの活躍も光るようになるのでした。
拠点を日本に戻し再びレベルアップ!全日本選手権チャンピオンになり力を伸ばす
実力を大きく伸ばした及川瑞基選手は、プロツアーにも参戦するようになりレベルの高い海外選手にも勝利し始めます。
しかし、相手の弱点を突く卓球スタイルは偏りの大きい海外選手には有効でしたが、弱点の少ない日本人選手相手だと上手く打ち崩す事ができず最終的に負けてしまう事もしばしばありました。
これまでの全日本選手権もシングルス最高ベスト16と海外での活躍と比べるとやや足りないものになっていました。
そんな状況を打開するため及川瑞基選手は、2020年に拠点であったドイツから日本に拠点を移します。Tリーグで最も活躍する木下マイスター東京に移し力を磨きます。
Tリーグでも着実に勝利を重ね、そんな中で迎えた全日本選手権で大きく活躍する事になります。
張本智和選手を筆頭とした若手に注目が集まる中、なんと、及川瑞基選手は優勝を果たします。優勝候補として中々挙がる選手では無かったので驚いた方も多かった筈です。
しかし、10度全日本を優勝している水谷隼選手は準々決勝勝利後には及川選手が優勝すると予測していたそうなので、近くで彼を見ていた選手にとっては何らおかしくない結果だったのでしょう。
急に注目を集めた及川瑞基選手ですが、コツコツと積み重ねてきた経験が生きて今の結果になってます。これからも更に活躍してくれるであろう選手なので目が離せません。
世界ランキング及び成績
世界ランキング
世界ランキング64位(4月27日時点)
成績
2009年 | 全日本選手権 | ホープスの部準優勝 |
2010年 | 全日本選手権 | カデットの部優勝 |
2012年 | 全国中学卓球大会 | シングルス準優勝 |
2013年 | インターハイ | シングルス準優勝 |
2014年 | インターハイ | シングルス3位 |
2015年 | 全日本選手権 | シングルス優勝 |
インターハイ | シングルス3位 | |
ベラルーシオープン | シングルス3位 | |
2018年 | 全日本大学総合卓球選手権 | シングルス優勝 |
2019年 | 全日本大学総合卓球選手権 | シングルス優勝 |
2020年 | 全日本選手権 | ダブルス優勝(三部航平ペア) |
2021年 | 全日本選手権 | シングルス優勝 |
使用用具
ラケット:張本智和 インナーフォース SUPER ZLC
ラバー(表面・裏面):ディグニクス09c
SNS及び公式サイト
公式サイト
及川瑞基 プレーの特徴
及川瑞基選手のプレーは一言で言うと、渋いプレーで相手のスタイルに合った戦い方を変更していく柔軟さが特徴として大きいです。そんな、及川瑞基選手のプレーの中でも特に光ったプレーを紹介していきます。下記で及川瑞基選手の試合動画を紹介しています。是非合わせて確認してみましょう。
【試合動画解説】篠塚大登VS及川瑞基を紹介《アジア選手権選考会》
- 一気にレベルアップ!安定と威力を使い分けるバックハンド
- 実はここがすごい!相手を疲弊させるフィッシュとロビング
- 負けない理由はこれ!渋いプレーの代名詞、フリックとツッツキ
一気にレベルアップ!安定と威力を使い分けるバックハンド
及川瑞基選手は近年物凄く活躍するようになってますが、その最大の要因はバックハンドの技術向上です。
元から安定感には定評のあった及川瑞基選手ですが、攻撃力にはやや物足りなさがありトップ選手に勝ち切れない事がありました。
しかし、近年では、威力の高い一撃級のバックドライブを混ぜるようになり相手にプレッシャーをより多く与えています。
ここでワンポイントですが、選球も良いため打てる球に対してのみ積極的に振っていきます。難しい球はしっかり繋いでいるため安定感を失う事もなくプレーしており結果に繋がっています。
実はここがすごい!相手を疲弊させるフィッシュとロビング
及川瑞基選手の実はすごいプレーはフィッシュとロビングです。
フィッシュとロビングは相手に強打を打ち続けられるため返球するのが難しく、また下がる分守る範囲が広くなってしまいどうしても不利な状況になってしまいます。
ですが、及川瑞基選手の場合小柄ながらも相手の打ち方からコースを予測する能力が高いため非常に広い守備範囲を守る事ができます。
フィッシュは何本でも返す程にしつこく、ロビングは他の選手やりも思い切り高く返球するため相手は上手く打つ事ができないのです。こうした、簡単に取られない工夫は及川瑞基選手のプレーの魅力でもあります。
負けない理由はこれ!渋いプレーの代名詞、フリックとツッツキ
及川瑞基選手は強者相手にも簡単に負けない事で定評がありますが、その要因がフリックとツッツキです。
トップ選手になると追い込まれる程に攻撃は最大の防御と言わんばかりにチキータで先に攻める事が多いのですが、及川瑞基選手の場合あえてチキータはせずフリックやツッツキで相手を翻弄します。
チキータは攻撃的で良い様に思いますが、最近は使用する選手も多いので待たれてしまい、更に回転を利用され打たれるので万事休すとなってしまいます。
及川選手の場合は追い込まれても相手に攻めさせる事ができる守備があるので敢えてフリックやツッツキを使います。ツッツキやフリックはチキータに比べると初歩的な技術ですがその分打ち慣れていな事が多く相手が崩れたりします。
2021年の全日本選手権決勝でも、ツッツキに変えてから一気に流れが変わり逆転に繋がりました。競り合いになる場面で選択肢があるため簡単に負けないのです。
まとめ:及川瑞基
いかがでしたでしょうか。及川瑞基選手について紹介してきました。及川瑞基とはこんな人物です。
- 渋いプレーが印象的!対戦相手に合わせたスタイルで粘り勝つスタイル
- ドイツでの修行が実を結ぶ!2021年全日本選手権シングルスチャンピオン
- 実は、ダブルスでも活躍!全日本選手権ダブルス優勝ペアの一人
また、及川瑞基選手とはこんな人物です。
- 一気にレベルアップ!安定と威力を使い分けるバックハンド
- 実はここがすごい!相手を疲弊させるフィッシュとロビング
- 負けない理由はこれ!渋いプレーの代名詞、フリックとツッツキ
最後に一言だけ付け加えると、及川瑞基選手はどちらかというと晩成型の選手で、今まで日の目を浴びる事が少なかった分現在急激に力をつけています。
今回、全日本選手権で優勝しましたが、今後は日本だけではなく世界でも活躍していく選手なのでこれからの活動も注目していきましょう。