東京五輪も間近に迫っており、卓球の女子はメダルを期待される競技の一つです。平野美宇選手はその代表メンバーの一人です。
この記事では、平野美宇選手とはどんな人物かのエピソードやプロフィール、使用用具、世界ランキング、成績、プレーの特徴などを紹介しています。
平野美宇とは
今や女子卓球界を引っ張る存在である2000年生まれ世代の選手達の一人が平野美宇選手です。平野美宇選手はその世代の選手の中でも幼い頃から活躍しており「愛ちゃん2世」の愛称で親しまれていました。そんな平野美宇選手とはどんな人物か解説します。
- 愛ちゃん2世として幼い頃から親しまれる
- 東京五輪の代表で愛称はハリケーン・ヒラノ
- 可愛らしいへそ出しスイング
- びっくり、意外とアイドル好き
愛ちゃん2世として幼い頃から親しまれる
試合に負けそうになると泣いてしまう平野美宇選手は幼い頃からは「愛ちゃん2世」として親しまれてきました。
平野美宇選手は「愛ちゃん2世」の愛称通り、小学生ながら全日本選手権一般の部で初勝利を飾ったり、同選手権ジュニアの部で決勝進出など史上最年少の記録に並びそして追い越していきました。
東京五輪の代表で愛称はハリケーン・ヒラノ
「ハリケーン・ヒラノ」は平野美宇選手の卓球が相手を置き去りにする程速いので中国メディアが愛称として名づけました。
信じられないですが、リオ五輪の翌年に行われたアジア選手権で平野美宇選手が中国人の丁寧、朱雨玲、陳夢ら主要選手を3人も打ち破る快挙をなし得ました。その事から中国メディアはハリケーン・ヒラノと名付けたのです。
東京五輪にも団体メンバーとして内定しており、ハリケーン・ヒラノを見せてくれる事でしょう。
可愛らしい、へそ出しスイング
ここだけの話、平野美宇選手はスイングする度におへそが出る事からへそ出しスイングとして卓球愛好者の中では話題になっています。
プレーの鋭さは勿論ですが、こういったチャーミングなポイントにも着目して見るとやり平野美宇選手の魅力に気づけるのではないでしょうか。
びっくり、意外とアイドル好き
試合コートの中では負けず嫌いの平野美宇選手もびっくり、コートの外ではアイドルが好きだと公言しています。
アイドルからの影響も受けているようで本人は、アイドルの様に影響を大きく与えられるような存在になりたいと言う考えも持っているそうです。プレーだけではなく、今後の平野美宇選手の発言や活動にも期待です。
平野美宇 プロフィール
ここからは、平野美宇選手のプロフィールを紹介していきます。他にも公式情報や成績、世界ランキング、現在の使用用具などを紹介しています。
プロフィール
所属 | 日本生命 |
戦型 | 右シェーク裏裏ドライブ型 |
身長 | 158cm |
体重 | 45kg |
生年月日 | 2000年4月14日 |
段位 | 8段 |
エピソード
幼い頃から「愛ちゃん2世」と呼び声も高かった平野美宇選手はエリート街道真っしぐらと思いきやライバルの台頭で苦悩と挫折を繰り返してきました。そんな彼女のプロフィールを紹介していきます。
- 凄すぎる!最年少記録を塗り替え続けた幼少期
- 活躍を見せるも同世代のライバルに抜かれリオ五輪代表落ち
- 苦しみ苦しみながらの復活劇、一気に日本のエースへ
- 覚悟を決めプロ転向、そして悲願の東京五輪代表
凄すぎる!最年少記録を塗り替え続けた幼少期
すごい、という言葉では物足りない程の実績を残す事になる平野美宇選手は静岡県沼津市にて生まれました。
2歳の頃に山梨県に移り住み、3歳になると母の指導で卓球を始めます。その翌年の4歳の頃には全日本選手権バンビの部(小学1・2年生の部)に最年少出場を果たします。
平野美宇選手が最年少記録を塗り替え始めるのはこの頃からで負けそうになると泣く事がマスコミの目に止まり「愛ちゃん2世」と呼ばれ始めます。
信じられないですが、9歳の頃には勝つ為に大阪のミキハウスJSCに単身で武者修行を始めます。小学校低学年で一人親元を離れる姿には大人顔負けの行動力です。
同年の全日本選手権では、一種目出るだけでも難しいのにも関わらず四種目全て出場しました。当然、9歳でのフルエントリーは史上最年少記録です。
翌年の10歳の頃の全日本選手権一般シングルスでは、愛ちゃんの記録を塗り替え、最年少で初勝利をしました。しかも、その10分後に伊藤美誠選手が最年少初勝利を塗り替えるというから本当に驚きの世代です。
11歳の頃には、全日本選手権カデット13歳以下の部で優勝、更にはこれまた全日本選手権ジュニアの部を最年少で決勝進出するなど最早小学生にして高校トップレベルの力を持っていました。
活躍を見せるも同世代のライバルに抜かれリオ五輪代表落ち
最年少記録を塗り替えた天才、平野美宇は中学生になるとJOCエリートアカデミーに所属します。
中学生になった後も、ジャパントップ12で最年少で決勝進出や伊藤美誠選手とのペアでドイツオープン最年少優勝、更にはグランドファイナルで日本人初のダブルス優勝など活躍を見せます。
すごい、と誰もが思う記録ですがこの頃から同年代のライバル伊藤美誠選手が更に上をいく活躍を始めます。
伊藤美誠選手はプロツアーでシングルス最年少優勝、平野美宇選手と一緒に選出された世界選手権ではシングルスベスト8と期待と注目を大きく集めるようになりました。
結果、リオ五輪はポイントで負け伊藤美誠選手が代表となり平野美宇選手は代表落ちしてしまいました。常に記録を塗り替え続けてきた彼女にとっては最大の挫折だったと思います。
苦しみ苦しみながらの復活劇、一気に日本のエースへ
リオ五輪で代表落ちした平野美宇選手は控えとして帯同していました。一方の伊藤美誠選手は期待以上の活躍を見せ銅メダルに貢献、すぐ後ろでその活躍を見ていた平野美宇選手は、「気を緩めると涙が出そうだった」と口にしています。
しかし、唇を噛み締めながら涙に堪えていた平野美宇選手は再起を願い練習に打ち込んでいました。その結果、新しい平野美宇選手に変わっていくのです。
16歳の頃にポーランドオープンでシングルス初優勝をすると、勢い止まらないまま同年のワールドカップも史上最年少で優勝を果たしました。
更には、世界ジュニア選手権の団体では6大会ぶりの金メダルに貢献し、年が明けた全日本選手権では当時3連覇していた石川佳純を破り史上最年少優勝を果たしました。
ここまででも十分すごいですが、本当に凄いのはここからです。平野美宇選手自身が誕生日でもあったアジア選手権では、世界ランク1位の丁寧、2位の朱雨玲、5位の陳夢を破り史上最年少及び21年ぶりに優勝したのです。
マスコミも大いに湧き、「ハリケーン・ヒラノ」という愛称も付きました。それでも、勢いは止まらず2017年の世界選手権シングルスでは、48年ぶりに銅メダル獲得という快挙もなし得ます。
苦しみ苦しみ続けた平野美宇選手が「NEW平野美宇」として完全に復活を遂げた瞬間でした。一躍、彼女は日本のエースとして期待を背負う立場に登り詰めます。
覚悟を決めプロ転向、そして悲願の東京五輪代表
驚きですが、平野美宇選手はJOCエリートアカデミーを1年早く修了し日本生命に所属します。東京オリンピックを見据えての覚悟だったのだと思います。彼女の行動力には脱帽するばかりです。
しかし、一時は圧倒的な強さを誇った平野美宇選手もプレーを研究され段々と思うよな成果が出せなくなってきます。また、ライバルの伊藤美誠選手も更にレベルアップしより競い合う仲になり東京五輪の代表争いはより熾烈になります。
そんな中、迎えた2019年の世界選手権団体戦では、主要メンバーとして銀メダルに貢献し、同年に行われた2020年の世界選手権の代表選考会では同世代のライバルである早田ひなを破るなどし未だ健在である事を証明しました。
その結果、平野美宇選手は悲願の東京五輪の代表として選手されたのです。しかし、団体のみ選手で3番手という立場に彼女は満足していない筈です。東京五輪では、逆境に強い彼女がまた「新しい平野美宇」を見せてくれる事に期待です。
SNS及び公式サイト
公式Twitter
世界ランキング・大会成績
世界ランキング
世界ランキング12位(2021年4月4日時点)
大会成績
2007年 | 全日本選手権 | バンビの部優勝 |
2009年 | 全日本選手権 | カブの部優勝 |
2011年 | 全日本選手権 | カデット13歳以下の部優勝 |
2012年 | 東京選手権 | カデットの部優勝 |
全日本選手権 | カデット14歳以下の部優勝 | |
2013年 | 東京選手権 | ジュニアの部優勝 |
2014年 | 全日本選手権 | ジュニアの部準優勝 |
ドイツオープン | 女子ダブルス優勝(伊藤美誠ペア) | |
スペインオープン | 女子ダブルス優勝(伊藤美誠ペア) | |
グランドファイナル | 女子ダブルス優勝(伊藤美誠ペア) | |
2015年 | 世界選手権 | シングルス、ダブルス(伊藤美誠ペア)ベスト32 |
韓国オープン | 女子ダブルス優勝(伊藤美誠ペア) | |
2016年 | 全日本選手権 | 一般女子シングルス準優勝 |
ポーランドオープン | 女子シングルス優勝 | |
ワールドカップ | 女子シングルス優勝 | |
世界ジュニア選手権 | シングルス、混合ダブルスベスト8 女子団体優勝 | |
2017年 | 全日本選手権 | 一般女子シングルス優勝 |
アジア選手権 | 女子シングルス優勝 | |
世界選手権 | 女子シングルス銅メダル | |
2018年 | 全日本選手権 | 一般女子シングルス準優勝 |
世界選手権 | 団体銀メダル | |
2020年 | ハンガリーオープン | 女子ダブルス優勝(石川佳純ペア) |
2021年 | WTT中東ハブコンテンダードーハ | 女子ダブルス優勝(石川佳純ペア) |
使用用具
ラケット:クリッパーウッド
平野美宇 プレーの特徴
目が覚めるような連続攻撃を繰り出す平野美宇選手の卓球。ハマり出したら手がつけられません。そんな彼女の卓球の中でも特に大きい特徴を紹介します。
- 最先端!ハリケーンと言われる両ハンド
- 実はすごい!得意な展開に必ず持ち込む巻き込みサーブ
- 安定だけじゃない強気のレシーブ攻撃
最先端!ハリケーンと言われる両ハンド
誰もが認める平野美宇選手の特徴、それはスピードのある両ハンド攻撃です。通常、スピードのある選手は返球されるまでが速い分安定的なプレーをしますが、平野美宇選手はスピードに加えて威力もありとてつもない攻撃力を誇っています。
すごい、と思わず口にしてしまう平野美宇のプレーを見ているととにかくノータッチが多いです。右利き選手同士の試合でバックドライブを打ってバックサイドにノータッチで抜けるのは平野美宇選手だけではないでしょうか。
この攻撃力はハマり出すと中国選手でも手をつける事ができず、2017年のアジア選手権では中国選手を3人倒して優勝という、正に見ている者の開いた口が塞がらない程の力を発揮します。
実はすごい!得意な展開に必ず持ち込む巻き込みサーブ
実は、平野美宇選手は巻き込みサーブの名手です。平野美宇選手の両ハンドを支えているのはこの巻き込みサーブと言っても過言ではないでしょう。
特に巻き込みサーブのロングサーブが非常に上手く、回転量が多いためか相手選手は強打できず平野美宇選手の得意な両ハンドのラリーへと持ち込まれてしまうシーンをよく見ます。平野美宇選手が進化して強くなった要因の一つである事に間違いないでしょう。
安定だけじゃない強気のレシーブ攻撃
ここだけの話、現在女子選手もチキータレシーブなど攻撃的なレシーブを多用するようになりましたが、本格的に多用するようになった最初の女子選手は平野美宇選手です。
それまでは、平野美宇選手は他の女子選手同様安定的なレシーブが主でしたが、彼女が勝つために選択したのはレシーブからチキータを使って攻撃的に仕掛けていく事でした。
今では、少し対応もされつつありますが使い始めた2017年前後はどの選手も平野美宇選手からひたすら一方的に攻められ続けるという無双っぷりを発揮していました。女子選手の中で一つの卓球スタイルを確立したと言えます。
まとめ:平野美宇
いかがでしたでしょうか。最後に平野美宇選手についておさらいしていきましょう。平野美宇選手とはこんな人物です。
- 愛ちゃん2世として幼い頃から親しまれる
- 東京五輪の代表で愛称はハリケーン・ヒラノ
- 可愛らしいへそ出しスイング
- びっくり、意外とアイドル好き
そんな平野美宇選手の卓球プレーの特徴はこちらです。
- 最先端!ハリケーンと言われる両ハンド
- 実はすごい!得意な展開に必ず持ち込む巻き込みサーブ
- 安定だけじゃない強気のレシーブ攻撃
最後に一言だけ付け加えますと、平野美宇選手は幼い頃から卓球界やメディアから大きな期待を受けていました。その期待の重圧からか苦しむ時期もあったと思いますがその度に彼女は壁を乗り越えて来ました。まだまだ、伸び盛りな選手なので今後が楽しみです。